【50代からの趣味】ピアノもギターも挫折した私が「龍笛」にハマった理由|人と比べない一生モノの始め方

学び

「50代になって、何か夢中になれる趣味が欲しいな…」
「昔、音楽を習ったけど続かなかったし、今さら楽器なんて無理だろうか…」

あなたも、こんな風に感じていませんか?

こんにちは。この記事を書いている私も、まさに同じ悩みを抱える50代の一人です。子供の頃は親に言われて渋々ピアノ教室へ通い、すぐに挫折。20代で買ったアコースティックギターは、Fコードが押さえられずに部屋の隅で埃をかぶっています。カラオケは人並みに歌えますが、心の底から「楽しい!」と思えるほどの満足感はありませんでした。

「これが最後のチャンスかもしれない」という焦りを感じつつも、西洋楽器は高価で練習時間も必要。何より、みんなが知っている曲だからこそ、自分の下手さが際立ってしまい、気後れしてしまう…。

そんな私が、様々な楽器を検討した末にたどり着いたのが、雅楽の「龍笛(りゅうてき)」でした。

この記事では、音楽経験ゼロの私がなぜ龍笛を選び、今では人前で披露するほど夢中になれたのか、その意外な魅力と具体的な始め方をご紹介します。「人と比べることなく、自分のペースで深く楽しめる」そんな一生モノの趣味を探しているあなたの、新しい扉を開くきっかけになれば嬉しいです。

この記事で分かること

  • ピアノやギターで挫折した人になぜ「龍笛」がおすすめなのか
  • 雅楽や龍笛の、知られざる魅力と歴史
  • 初心者でも安心!龍笛の始めやすさと意外な練習法
  • 趣味以上の効果も?龍笛がもたらす健康や心のメリット
  • 具体的な始め方(教室の選び方)と注意点
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そもそも雅楽の「龍笛」ってどんな楽器?

【発見1】実は平安時代のスター楽器!光源氏も愛した高貴な音色

「雅楽」と聞くと、どんなイメージが浮かびますか?
「お正月に神社で流れている音楽?」「結婚式で聞く、ちょっと厳かな感じ…」
多くの方が、そういった印象をお持ちかもしれません。現代では東儀秀樹さんのような一部の演奏家を除いて、なかなか触れる機会が少ないですよね。

私がこの世界に惹かれたのは、まさにそこでした。
「人と違うことがしたい。知っている人が少ないからこそ、誰かと比べられて落ち込むこともないだろう」
そんな少し後ろ向きな動機でしたが、調べてみると、龍笛には驚くほど華やかな歴史があったのです。

龍笛は、その名の通り「龍の鳴き声」をイメージして作られた横笛です。現代の雅楽では「篳篥(ひちりき)」という縦笛がメロディの主役とされていますが、遡ること千年前の平安時代、龍笛こそが花形の楽器でした。

『源氏物語』では、主人公の光源氏のような高貴な身分の人々が、月夜に龍笛を優雅に奏でる場面が描かれています。また、『枕草子』でも龍笛の音色は絶賛される一方、篳篥は「うるさい」と書かれているほど。つまり、龍笛を手にするということは、千年の時を超えて、平安貴族と同じ雅(みやび)な世界に足を踏み入れることなのです。

見た目の美しさも魅力です。横笛である龍笛は構える姿も様になりますが、篳篥はかなり頬を膨らませて吹く独特のスタイル。「笙(しょう)」という楽器は、顔の前に構えるため表情が見えません。トータルで見たときの美しさも、龍笛が一番だと感じています。

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音楽初心者の私が「龍笛」を選んだ6つの理由

「高貴なのは分かったけど、やっぱり難しそう…」と感じるかもしれません。でも大丈夫。ここからは、私自身が体験して感じた、初心者でも挫折しにくい龍笛の魅力的なポイントを「発見」としてご紹介します。

【発見2】練習用の笛は安くて丈夫!気軽に始められる

楽器を始める上で最初のハードルは、楽器そのものの価格ですよね。龍笛も竹で作られた「本管(ほんかん)」と呼ばれるものは高価ですが、初心者が最初に手にするのは、プラスチック製の練習用龍笛です。

これが驚くほど優秀で、価格は5,000円~6,000円程度。全長約40cmとコンパクトで、護身用に使えるのでは?と思うほど頑丈です。しかも、上級者の方が「本管より良い音がする」と冗談を言うくらい、澄んだ大きな音が出ます。

私も旅行には必ずこのプラスチック管を持っていきます。トランクにそのまま入れても壊れる心配がなく、海外のホテルで練習していたら、不思議な音に興味を持った方に話しかけられたこともありました。

【発見3】ユニークな練習法!笛を吹かずに「唱歌」を歌う?

龍笛の教室に通い始めて、私が最初に驚いたのが「唱歌(しょうが)」という練習法でした。

これは、楽器を持たずに、膝を叩いてリズムを取りながら、メロディーを口で歌う練習です。例えば、雅楽で最も有名な曲「越天楽(えてんらく)」の冒頭は、「トーラーロ、ロールーロ、タァーアーローラ」といった具合に歌います。

歌詞に意味は全くありません。これは、楽器の音程や独特の節回しを、まず体で覚えるための伝統的なメソッドなのです。昔は、この唱歌をマスターしないと楽器に触らせてもらえなかったのだとか。

最初に通った教室では唱歌をあまりやらなかったのですが、転勤で別の教室に移ったときに本格的な唱歌の練習があり、「何か間違ったところに来てしまったのでは…」と本気で戸惑いました(笑)。しかし、この練習を続けるうちに、楽譜だけでは分からない微妙なニュアンスが自然と身についていくのを実感しました。とても合理的で面白い練習法です。

【発見4】実は健康に良い!姿勢と呼吸が整う

美しい音を出すためには、背筋を伸ばした良い姿勢と、深い腹式呼吸が不可欠です。激しい運動は必要ありませんが、練習を続けるうちに、自然と体幹が意識され、呼吸が深くなっていきます。

千年の歴史に想いを馳せながら、自宅で静かに笛と向き合う時間は、心を穏やかにしてくれます。龍笛の趣味は、精神的な安らぎと健康管理を同時に叶えてくれる、まさに一石二鳥の習慣なのです。

【発見5】応用も可能!ジブリやクラシックも演奏できる

龍笛の音階はドレミとは異なり、「宮(きゅう)・商(しょう)・角(かく)…」といった独自のものです。しかし、少し工夫すれば、なんと西洋音楽やポピュラー音楽も演奏できるのです。

例えば、スタジオジブリの『もののけ姫』や『君をのせて』のメロディーは、龍笛のどこか懐かしい音色と驚くほど相性が良いです。他にも、ホルストの組曲『惑星』の中の「木星(ジュピター)」なども、荘厳な雰囲気で演奏できます。

純粋な西洋楽器ではないからこそ、多少の間違いも「味」として寛容に見てもらえるのも嬉しいポイントです。

【発見6】文化の探求!物語の世界がより深く楽しめる

龍笛を学ぶことは、日本の文化や歴史を深く知る旅でもあります。一つ一つの曲には、作られた背景や物語があります。

例えば、お別れの会では、伊勢神宮に仕えた斎宮(さいくう)が都を出立する際に演奏された「仙遊霞(せんゆうか)」を。

秋の集いでは、『源氏物語』の「紅葉賀(もみじのが)」の巻で光源氏が舞ったことで有名な「青海波(せいがいは)」を。

こうして曲の背景を知った上で演奏すると、ただ音を出すのとは全く違う、豊かな気持ちになれます。教室によっては、演奏会で「狩衣(かりぎぬ)」や「烏帽子(えぼし)」といった平安装束を着る貴重な体験もできますよ。

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【初心者向け】雅楽・龍笛の始め方ガイド

「なんだか面白そう。始めてみたい!」と感じた方のために、具体的な始め方をご紹介します。主な選択肢は二つです。

1. カルチャーセンターの講座

メリット:
・月謝が手頃で、気軽に始めやすい。
・同じ初心者仲間が見つかりやすい。

デメリット:
・先生が専門家でない場合もある。
・進度がゆっくりなことが多い。

2. 地域の雅楽団体・同好会

メリット:
・本格的な指導を受けられる。
・神社の祭典などで演奏する機会がある。

デメリット:
・少し敷居が高く感じるかもしれない。
・人間関係が濃密な場合がある。

まずはカルチャーセンターで見学や体験をしてみて、もっと深く学びたくなったら雅楽団体を探す、というステップが良いかもしれませんね。インターネットで「お住まいの地域名 龍笛 教室」や「雅楽 団体」と検索してみてください。

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まとめ:龍笛が私の人生を豊かにしてくれた

ひょんなことから飛び込んだ、雅楽と龍笛の世界。
持ち運びが便利で、近所迷惑になるほど大きな音も出ず、何よりも「人と比べずに自分の成長を楽しめる」この趣味は、私の人生を想像以上に豊かなものにしてくれました。

今では年に数回、友人との集まりや会社のパーティーで演奏を披露させてもらっています。先日、ある社長さんのお祝いの会で、一張羅の狩衣と烏帽子姿で演奏したときは、さすがに緊張しましたが、練習の成果を皆さんに喜んでもらえ、最高の思い出になりました。

50代から始める、新しい音楽の趣味。
もしあなたが、かつての私のように一歩を踏み出せずにいるのなら、ぜひ「龍笛」という選択肢を思い出してください。

人生の新しい扉を開く気持ちで、雅な音色の世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。

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