2021年8月21日の報道で富士急ハイランドのジェットコースター「ド・ドドンパ」を楽しんだ乗客のうち、昨年12月以降、首などを圧迫骨折する事故が4件ほど発生しているそうです。このため、山梨県の職員が立ち入り調査をして原因究明を行うことになりました。このため「ド・ドドンパ」は8月12日から運行を停止しているそうです。
富士急ハイランドの「ド・ドンパ」はどのような施設でしょうか
山梨県富士吉田市の富士急ハイランドにあるローラーコースターです。「ドドンパ」の後継機となるもので2017年の7月から運用が開始されました。加速度世界No.1コースターをうたっています。
コース全長1244m、最高部の高度49m、最高速度180㎞/hこれは僅か1.56秒で達します。自慢の加速度は、3.75Gに達します。
また、回転ループの直径は39.7mになり、頂上でのスピードは30㎞/hになり、逆さまで止まっているような感覚を味わうことができます。
ちなみに加速度について簡単に調べてみました。3 G はどれくらいかというと、スペースシャトルの発射から大気圏突入までの間の加速度の最大値です。
どうやらそれ以上の加速度を味わうマシーンもあるようです。激しいジェットコースターの加速度の最大値がおよそ5Gです。重力の5倍もの力が加わる状況だなんて恐ろしいですね。
富士急ハイランド「ド・ドドンパ」で4人骨折 → ド・ドドンパの加速度がこちら… https://t.co/P2fzKJyAEF
— Share News Japan (@sharenewsjapan1) August 21, 2021
「ド・ドンパ」の乗客はどのような傷害が発生したのでしょうか
2020年12月、2021年5月、7月、8月に4件の負傷者が発生しています。症状としては、頚椎や胸椎を骨折した者でした。
車両の運行上のトラブルはなく、車両の点検上の問題もなかったので、原因は乗客側にあるとして、特段の報告をしていなかったものです。
その後、富士急ハイランドが相談窓口をもうけたところ、ケガの報告が9件寄せられました。このうち2件は骨折で、7件は身体の痛みということです。
これは頭をシートに着けておらず前かがみになったり、横を向いているときに、急激な加速によって捻挫を起こすのと同じような現象でしょう。いわゆる交通事故でいうむち打ち症と同じような症状と推測されます。
よく、サーキット走行でも同じようなことが起こりますので、急激なスピードの変化を味わうためには、それなりの準備が必要であるということでしょう。
富士急ハイランドの「ド・ドドンパ」で4人骨折
なんで骨折?と思ったらまさかの首!怖すぎ😱
ドドンパは聞いたことあるけど調子に乗ってパワーアップしすぎでしょ💦
ド・ドドンパにはたぶん一生乗らないけど首は大事!今日から首鍛えましょ💪🏼
首周り鍛えれば頭痛も肩こりも改善しますし🤩 pic.twitter.com/LZj1RiKBFS— 朝活 (@go50kiro) August 21, 2021
富士急ハイランド側としてはどのような安全対策を取っていたのでしょうか
「ド・ドンパ」の乗車については、年齢制限64歳以下と身長制限130㎝以上ということになっています。
また、乗車時には次のような案内も流れるそうです。「頭を枕に付け、正面を向き、安全ハーネスにしっかりおつまり下さい。」この通りに行えば問題は発生しないでしょう。
しかし乗車時の案内だけですから、発車してしまえば、後は本人次第になりますので、全員が全員この通りの姿勢で乗ることを期待するのは難しいでしょうけどね。
ド・ドドンパの感想はどういうものがあるでしょうか
やはり皆さん、刺激を求めて、絶叫マシーンに乗りつけた方が多いせいか、おおむね好意的な感想が相次いでいます。
ぜひド・ドドンパの感想を教えてください✨ pic.twitter.com/u9a6W9llPM
— なおちん (@147_nao) April 13, 2021
富士急ハイランド「ド・ドドンパ」で骨折事故が発生するのは何故?のまとめ
この「ド・ドドンパ」は確かに刺激的で慣れた方については好意的に評価されていることと考えます。しかし、それでもここまで性能が上がってくると、人間の体がついてこれないような気がします。
とりあえずはハーネスで体は何とか固定して、安全性は確保していますが。その後の姿勢は基本的に個人任せですから、案内の通り頭を後ろのシートに付けて到着までその姿勢でいられる人はなかなかいないのではないでしょうか。
でも、その頭まで固定してしまっては、安全ではあるでしょうが、乗客にとっては不便ですし、視界も遮られてしまいます。エンターテインメントとしては 成立しないことになります。
そこで、主催者側の手段としては案内の周知でガイダンスを流して守ってもらおうとしているのでしょうが、しょせん遊覧施設ですから、ガイドラインとか案内とかは守られないものと考えても仕方がないでしょう。
今後、行政当局と施設側がどのような話し合いをして、妥協点を見出していくか興味があるところです。だんだんエスカレートする刺激に対して、単なる注意だけではなく、もう少し実効性のある対策が求められることもやむを得ないと考えますが、いかがでしょう。
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