熊本県菊池市にある観光牧場から、飼育中の大型の鳥エミューが20羽ほど脱走したそうです。午前中の段階で11羽がまだ捕獲されていないとのことです。
エミューとはどんな鳥なのか調べてみました。
エミューとはどんな鳥なのでしょうか
エミューは鳥綱ヒクリドリ目ヒクイドリ科エミュー属に分類される鳥類です。二足歩行するいわゆる飛べない鳥の種類になります。
オーストラリアの非公式な国鳥で、オーストラリア大陸のほぼ全域に生息しています。鑑賞用、愛玩用、食用として飼育されています。
大きさはどのくらいなのでしょうか
高さは1.6m~2.0mぐらい、体重は40㎏~60㎏ぐらいになります。ダチョウに次いで大きな鳥です。
足はダチョウのようですが、ダチョウのように首が長くむき出しではありません。足もやや短いようです。全身に灰白色の羽毛でおおわれています。
翼はありますが、20㎝ぐらいなのでほとんど見分けはつかないでしょう。
卵が変わっていて、深緑色です、見たところアボガドのような感じです。長さは10㎝程度で重さは600gぐらいになります。
エミューの性格などはどのようでしょうか
性格につては人に対しては温厚なようです。ただ、犬などの動物に対しては警戒心が強い様です。攻撃するときは足の蹴りをつかいます。
また、走るのも早いようで時速50㎞ぐらいは出るようです。
雑食性ですので、昆虫、果実、種、草などを食べているようです。
しかも寒暖の差に強く、生命力も非常に強いため飼いやすい種類の鳥です。
北半球で言えば日が短くなる冬の期間に産卵し、オスが2ヶ月間飲まず食わずで卵を温めるそうです。
【エミュー約20羽脱走 熊本の牧場】https://t.co/vmb0SsDkMB
熊本県菊池市の「菊池エミュー観光牧場」で7日朝、飼育されている大型鳥のエミュー約20羽が逃げ出していたことが分かった。市や警察が、住民に近寄らないように呼びかけている。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) October 7, 2021
エミューが日本に導入されたのはいつ頃からでしょうか
最初は動物園で飼育されていました。人になれやすいため危険も少ないので、場所によっては直接触れることができるようになっているところもあります。
1990年代になって北海道で畜産のための飼育が始まったようです。その後、北海道網走市の東京農業大学で飼育・研究を開始しています。肉製品、保湿オイル、卵の利用などもされています。
佐賀県基山町でもエミューを耕作放棄地に放して農地再生と、食肉出荷をしております。
食肉としては、高タンパク低カロリーで豚肉の4倍の鉄分を含んでいるといわれています。
また、オイルは動物性ではあるが、不飽和脂肪酸を多く含んでおり、オレイン酸が保湿効果を、リノール酸が清潔感を保つ効果があります。
大型の鳥「エミュー」20羽脱走https://t.co/o5gXgvJ4U8
熊本県菊池市によると、7日午前、「熊本県菊池エミュー観光牧場」からエミュー約20羽が逃げ出した。このうち半数ほどは既に捕獲され、けが人は確認されていない。おとなしい性格で飛ぶことはできないが、最高で時速50キロで走ることもある。
— 西日本新聞me (@nishinippon_dsg) October 7, 2021
エミュー戦争というものがありました
エミューに関してはエミュー戦争と言われている事件がありました。
オーストラリアでエミューが増えすぎたため、軍を導入してエミューを有害動物として、機関銃を持ち出して駆除しようとした事件です。
1929年後の世界恐慌後のことです。
エミューは毎年冬の繁殖期を内陸の乾燥地帯で送ります。それを終えると内陸から沿岸部に向かって移動を始めるのです。そのため大量のエミューが農耕地に現れるようになります。
作物を食い荒らすだけではなく、柵等も壊してしまうため、農家にとっては大損害となります。
おりしも第一次大戦後であったため機関銃の有用性に自信を持っていた政府は、エミュー駆除が良い練習にもなるだろうということでこれの駆除を行うことになります。
第一次エミュー戦争
1932年10月オーストラリア陸軍砲兵隊は兵士2名に軽機関銃2丁、弾薬1万発を支給して作戦を開始することになります。
11月2日にエミュー50羽と遭遇しますが、射程外であったのでエミューを集めようとしますがうまくいきません。それでも最初の斉射と次に現れたエミューの集団に向けての斉射で十数羽を討ち取ります。
11月4日には1000羽以上のエミューの集団を発見しますが、発砲した後に機関銃が故障し、この時の成果も十数羽程度でした。
こんな感じ11月8日までに500羽を討ち取ったようですが、最初の目論見とは違ってなかなか成果が上がらなかったようです。
いったん軍隊はこれで退きますが、更に要請は続きます。
第二次エミュー戦争
11月13日から再開することになりますが、今回はコンスタントに成果を上げていったようです。
しかし結果として12月10日までに986羽のエミューを討ち取りましたが、それまでに弾丸9860発を費やすことになったそうです。こんなことから軍隊出動はここまでで終わりとなりました。
その後は、オーストラリア政府は報奨金制度を使ってエミューの駆除に乗り出すことになりますが、1934年の6ヶ月間で57034件の報奨があったとされています。
エミュー戦争のページ、Wikipediaのいつもの戦争用テンプレートが使用されてて笑い死にそうになってる pic.twitter.com/KiEvQhO4Qs
— 劉度 (@arther456) October 7, 2021
エミューが熊本県の観光牧場から20羽脱走しましたのまとめ
当事者にとっては大変なことでしょうが、久々に面白いニュースに出会うことができました。
でも、このエミューについては家畜としての可能性も期待されそうなので、今後のことにも注目したいと思います。また、エミュー戦争は面白い話ですね。
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