2022年(令和4年)はどんな年になるでしょうか。世間では寅年と言って、虎の絵が描かれた年賀状が出回りますが、本当は少し意味が違います。
これはわかりやすいように、動物の名称を与えただけで本当は寅なのです。中国の十干十二支、短くすれば干支に基づく考え方です。
4千年ともいわれる長い歴史の上に築かれた考え方をもとに来年を展望してみましょう。
干支とは何でしょうか
一年毎に甲乙丙丁戊己庚辛壬癸と10個の名前をつけて順番に巡っていきます。これが10個あるので十干といいます。
読み方は、きのえ、きのと、ひのえ、ひのと、つちのえ、つちのと、かのえ、かのと、みずのえ、みずのと、です。
名前をあてはめれば、木の兄、木の弟、火の兄、火の弟、土の兄、土の弟、金の兄、金の弟、水の兄、水の弟となるわけです。
又は、コウ、オツ、ヘイ、テイ、ボ、キ、コウ、シン、ジン、キで全体を一回りとして性格を決めていきます。
十二支も一年毎に子丑寅卯辰己午未申酉戌亥と名前を付けて、順番に巡ってくるものです。同様に、全体を一回りで性格を決めます。読み方も、シ、チュウ、イン、ボウ、シン、シ、ゴ、ミ、シン、ユウ、ジュツ、ガイとなります。
この両者を組み合わせます。最初は甲子、次は乙丑という感じです。
全体で10×12=120の組み合わせになるはずですが、両方とも偶数なので、60通りの組み合わせしかできません。
60年に一度ずつ同じ性格の年が巡るという思想です。60歳を還暦と言いますが、このことを示しています。
もう一つ大事なことは先の十干が幹で十二支は枝であるということです。日本では幹を忘れて論じているのが残念です。
2022年(令和4年)はどんな年になるでしょうか
漢字の意味を考えます。まずは「壬」です。これは物事がだんだん膨らんでくる。物事を担う、人におもねるという意味をあらわしています。
一直線に膨らむなら良さそうなのですが、悪いものも膨らみますので、必ずしも良いこととだけではありません。それに応じて世間に佞る人間も出てきやすい状況なのです。
次に、「寅」です。これは矢を両手で引っ張って物事を慎重に行う。とか慎むという意味があります。
この二つを合わせると、一年の動きは物事の趨勢が高まってきて、いよいよこれを担う人物が必要とされてくるようです。
そしてこの物事を慎重に処理をしていくことが期待されるわけです。さもなければ、世の中に佞る人が輩出してしまうという状況かと考えます。
この物事の趨勢を新型コロナと考えるか、格差社会と考えるか、米中の覇権争いと考えるかは皆様の直観によるものです。当然、その他のものでもよいのです。
私は、格差社会の弊害と考えて一年を考えたいと思います。
過去の壬寅(みずのえとら・ジンイン)の状況はどうだったのか
どんなように物事が進むのかは、一巡前の1962年(昭和37年)と、二巡前の1902年(明治35年)を見てみれば参考になります。
一巡前の1962年(昭和37年)はどんな年だったか
キューバ危機という東西冷戦の象徴的な事件がありました。ここに至るまで東西の冷戦の状況がかなり進んでいきました。
年の初めにはキューバとソ連が貿易協定を結び、アメリカはキューバを貿易の枠組みから除外するようになります。
10月14日にキューバにソ連のミサイルが配備されていることが明らかになり、その後、海上封鎖となり、第三次世界大戦直前と言われました。
ケネディ、フルシチョフ両首脳の決断により、戦争の危機が避けられた事件です。10月28日に一旦の終結を見ております。こんな展開が壬寅の示すところとなるのです。
東京の人口が1000万人を超え、世界初の1000万都市となる。テレビ受像機が1000万台を超える。東京で光化学スモッグが発生し始める。
いずれも戦後復興の象徴と言われる現象ですが、この頃から集中による負の側面が目立つようになってき始めた年でもあります。
気になるのは、8月に三宅島で火山噴火と地震が発生していることです。
二巡前の1902年(明治35年)はどんな年だったのか
第一次日英同盟調印・発効、ロシアの極東への南下政策に対抗する意味で、英国が日本との軍事同盟を結んだものです。
これはロシアの圧力が高まってきたことによるもので、この壬寅の示す意味にのっとったと考えられるでしょう。
そして、ここでも火山です。西インド諸島フランス領マルティニーク島のプレー火山が噴火火砕流で32,000名が亡くなる。伊豆鳥島が噴火して島民125名が全員死亡するという事件が起こっています。このような突発的な事件はこの年にはふさわしくないのですが、気になります。
年賀状の文章ネタで2022年はどんな年。干支でひも解くのまとめ
毎年11月になると年賀状が売られ、来年の干支について考える習慣がついています。
干支の示す意味を今年に当てはめ、来年に当てはめて、次の年がどのような問題が起こってくるのか、そしてそれは解決するのか、もっとひどくなるのかを考えます。
昔の人は多分そんなことを占っていたのだろうと思います。この機会に、自分でも想像して、一年の計を建てていただけたら幸いです。
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