弓道での顔・腕・髪の払いの原因と対策: 顔を払う、腕にあざ、髪の毛の問題を解決

弓道の射技射法

弓道の離れの際、弓の弦で髪を払う、腕を払う、頬を払う、顔を払うことはありませんか。また、顔に当たったりもします。そのまま続けていると、腕、頬、顔にあざが残ったりします。

実際に顔を払ったりするととても痛くて、弓道どころではありません。このため、頬付けをするのが怖くなったりします。男子なら我慢できますが、女子ではたまらないでしょうし、途中でやめてしまう原因にもなります。

実は私も結構これでは苦労しています。原因はいくつもありますが、レベル別にも対処法が分かれてきます。顔を払う癖がある人の少しでもお役に立てれば幸いです。

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弓道初心者が顔や腕、髪の毛を払う原因と対策

単純に言えば弦が戻る軌道上に頭が残ることが原因ですが、初心者と経験者とでは原因が分かれるので、まずは初心者を対象とした原因と対処法を考えます。

弓道初心者が顔や腕、髪の毛を払う主な原因として、弓手の角見の不足や胴づくりの問題、頭の位置のズレなどが挙げられます。これらの問題を解消するための具体的な対策を以下に示します。

弓道は技術と心のスポーツです。 初心者の頃は特に多くのことを覚えなければならず、難しいことも多いですね。 でも、一つ一つの問題を乗り越えていくことで、真の弓道の楽しさを感じることができます。

弓手の角見が全く効かずに放したときに弦が弓を直撃する

これは初心者に多い原因だと考えられます。弓手の角見が効かないため弦がまっすぐ弓の方向に帰ってくる場合です。

この軌道上に頭があったり、弓手の前腕があったりすると、顔を打ったり、腕を打ったりします。

弓を弱く握りすぎるか、弓返りを意識して、思い切り弱めに握って、角見で押すことができていない場合です。

逆に初心者にある弓を握りしめれば、弓は返らない代わりに、顔を打つこともありません。

対処法としては、弓を握る必要はないのですが、弓手の角見の押しと、弓を握ることの区別ができるかどうかです。

この両者を意識して分けることができれば、解決は早いと思います。弓手の角見の押しに注意を払うべきです。

弓返りに関してはこちらをご覧ください。

胴づくりが矢筋と平行にならず、馬手側が背後に引いた状態になっている

これだと、弦が返ってくる軌道上に頭が残りますので顔を打つことになります。

胴造りが歪んでいることは比較的容易に見つけられますから、指導者に見てもらえば簡単に見つけられるものです。

会の時に顔を覗くように弓に向かって傾けている

これは時々見かけますね。的をよく見ようとしているのか、首を右側に傾ける癖なのか顔がまっすぐ的方向を向いていない場合です。これも見てもらえば簡単に見つかることが多いです。

これも、後ろから見てもらえばこの癖があるかどうかは容易に判断できると思います。

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経験者が顔や腕、髪の毛を払う原因と対策

経験者でも顔や腕、髪の毛を払うことがあります。その主な原因として、馬手の放す方向のズレや馬手の捻りの不足、弓手の振込みなどが考えられます。これらの問題を解消するための対策を以下に示します。

経験者であっても、常に自分の技術を見直すことは大切です。 日々の練習で気づいた小さな問題点を修正することで、より高いレベルの射を目指すことができます。 一緒に更なる高みを目指しましょう。

経験者の場合、弓返りがある程度できている場合の人の場合考えられるのは次のものがあります。

弓返りができていても、実は角見の効かせ方が十分でない人が意外と多くいるものです。特に前に外しやすい人で、頬や顔を打つ人は、この角見の効きを疑ってください。

弓返りに関してはこちらをご覧ください。

その他の原因としては次のようなものがあります。

馬手の放す方向が背中方向にずれている

これも原理からいえばお分かりかと思います。弦の軌道が内側になりますので、頭があれば顔を打つことになります。

この場合は、自分の残身の馬手の位置をチェックすればわかりますが、顔を打った後だとそのショックで冷静に見ることが難しいかと思います。

普段から馬手の位置をチェックしていて、背中方向にずれていれば意識的に修正しましょう。

馬手が取られているとき

馬手が取られた場合、大抵は弦は会の状態から体方向に引っ張られるため、弦の軌道がやや内側になり、やはり頭とか顔を打つことになります。

馬手の取られについては、基本的に意識すれば防げますので、離れの時に注意すれば自然に治るとも思います。

もう一つは、次にお示しする馬手の捻りが十分でない場合もこの現象が起こるようですから、まずは馬手の捻りを効かせて注意するという修正になります。

馬手の捻りが十分に効いていないとき

馬手の捻りを効かせていると、弦を離したとき反動で弦が外側の軌道を取ることが期待されます。反対に平付けの場合にはそのまま弦が戻っていきますので、軌道が内側になります。

また、平付けの場合、馬手の指に力が入ることになりますから、同じように、馬手の取られにもつながります

したがってこの二つは馬手の捻りを効かせて、あとはとられないように注意するという修正になります。

この場合、「馬手を開くように離せ。」という人がいるかもしれません。確かにこれですとゆるみが少なくなりますので馬手が取られることが少なくなします。

しかし極端にすると前離れにつながるので注意が必要です。

弓手の振込があるとき

会から離れ、残身になると、弓手の拳は背中方向に数センチ、下方向に数センチ動くことになります。

会のときの拳の位置は、頭があるため肩の付け根より真っすぐ伸ばした位置と比較すると、前方と上方に数センチずつ高い位置にあるからです。

このためこの程度の動きについては開きとして容認しています。

これに対して、この動きの倍以上の開きがあると2つの問題点が生じてきます。見た目は迫力があるように感じますが。

一つは弓手の動きが背中方向に取られるため、弦の軌道が体側に引っ張られます。このため顔を払いやすくなります。

また、馬手が取られる現象も起こりやすくなるため、二つの要因が重なってしまいます。

二つ目は弓手が動くことにより、手の内が崩れて、弓手の角見が緩んでしまうことがあります。こうなると更に顔を払う要因が加わります。

ということで、振込気味の方はよく気をつけられたほうがよろしいかと思います。この直し方は、拳は見えているので意識さえ持てば、あとは習慣化の問題です。

頬付けを深くとりすぎている場合

この時も、弦の戻る軌道が自分の体側になりますので、顔を払いやすくなります。要は口割に軽くついていればよいくらいで、頬に食い込むようなことは避けることです。

これも気をつければ解消できる癖ですし、会の相もあまりよくないので早急に直しておいたほうが良いでしょう。

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引き分けの仕方にも原因がある場合があります

しばらくは気が付かなかったのですが、最近、新しい原因と対処法を見つけましたので、追加しておきます。これは引き分け、取り懸けの仕方に問題がある場合です。

これは馬手の帽子が引き分けで的方向に完全に向いている場合に生じます。引き分けで親指の帽子が抜けそうな感覚になりませんか。そのような人は要注意です。完全に馬手の親指が的方向に向いていると弦が離れたときに弦の軌道が頭に近いところを通りますので、これで頭や頬を打つことになるのです。

このためには馬手の親指もある程度脇正面の方向を向いている必要があるのです。

取懸けの時の対処方法

取り懸けの時に弓手の親指が脇正面を向いているのに、馬手の親指が脇正面を向いていないのはおかしいと思いませんか。大三でも弓手の親指は10°~20°脇正面を向いています。馬手のほうも何らかの角度をつけておく必要があるのです。

引き分けの時の対処方法

引き分けに当たっては、弦が親指の根元でひかれていく感覚を身に着けることです。そうすることで馬手の帽子は脇正面に向かって角度をつけることができるのです。逆に引き分けで、帽子が抜けてしまうような感覚では帽子は的に向かっている状態となります。

更に引き分けに当たって、馬手の二の腕と前腕の後ろの筋肉、いわゆる伸筋を使う心掛けが必要です。二の腕の後ろの伸筋はよく言われていますので、普通意識しやすいのですが、意外と前腕については意識できない人が多いと思います。馬手の手首に力を入れるなということが強調されるおかげで、前腕の外側を使わないため張りがない会になってしまいます。

そうすると、会に当たって二の腕と前腕の間の角度がとれないため、後ろから見ると弦が頬より後ろ側に位置することになります。そうすれば必ず顔に当たるでしょう。そうなる人は後ろから見てもらいせめて顔の線に重ならないだけの張りを作るよう、前腕の後方の伸筋を意識してください。

離れの時の考え方

これは対処法というよりは感覚と理解です。離れに当たって弦が親指の腹を滑って若干脇正面方向に押されることを理解しておくことです。これによって頭を打つ、頬を打つ確率は確実に減ることになります。私のほうにカケを変えたら治ったという連絡もありました。カケの構造によってこれらの動作が無意識のうちにできているのだろうと考えます。

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弓道の離れでの払いの原因と対策のまとめ

弓道での払いの原因と対策をまとめてみると、様々な要因が考えられます。それぞれの原因に合わせた対策を行うことで、安全で正確な射を実現することができます。

弓道で顔を払う場合の直し方について、原因と対処法を整理してみました。まとめてみればこのように様々な原因があることがわかります。どの点について思い当たることがあるでしょうか。

ここに提示しただけでも9つの原因があるわけですから、これを一度に注意して行うのは不可能です。自分に当てはまる部分をまず取り出して、一つだけを習慣化することから始めてください。

人は21回同じことをするとある程度の刷り込みがなされると聞いております。

まずは自分の思い当たるところを何度も意識して、巻藁なり的前で習慣づけるまで行い、次に進むことをお勧めします。

私の場合、振込気味が癖になっておりますので、まずはここから対処したいと思います。弓道は細かい技術の積み重ねが大切です。 一つ一つの問題を解決していくことで、自分の射が安定してきます。 日々の練習を大切にし、一緒に成長していきましょう。

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コメント

  1. […] またこちらのwebサイトは、弓道で身体の各部位を払うことについて詳しく書かれているため、悩んでいる方の参考になるかもしれません。天水仙の蛙奏美https://tensuisen.com/archives/289 […]

  2. きゅう より:

    はじめまして。

    久々に弓道を再開することになり、忘れてしまった道具などの名称を思い出すため、大変興味深く拝見しております。このようなブログを作成いただきありがとうございます。

    実は私の場合、譲ってもらった弽が原因だったように思えたことがありました。

    別の弽に変えたところ顔を払うことが全く起きず、また他の方も試しにその弽を使うと顔を払う払うということがありました。

    弦の離れ方(軌道)に何らかの影響を与えていたのでしょうか。

    ちなみに今もその弽は存在するので、再現は可能です笑(痛くて笑えませんが)。

    ご参考になればと思い書き込みさせていただきました。これからもブログを楽しみにしております。

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