皆既月食のスーパームーンは2021年5月26日の夕方から楽しめます。雲さえなければ温かいですからゆっくり楽しむことができます。
皆既月食の起こる様子や、それにまつわるエピソードなども簡単に紹介しますのでお楽しみください。
皆既月食の時間帯はどこで見られるの
5月26日(水)に南東の空から見られます。スーパームーンと言って、一年で一番ツキが近い距離にあって大きく見えるのと重なっているので雲さえなければ簡単に見つけられます。
18時44分に部分的にかけ始めます。日本の地域によっては、欠けたままで月の出になります。ただこの時は月が明かるいので欠けたかどうかはわからないかもしれません。
そして、だんだんかけた部分が大きくなって。
20時9分に皆既月食になります。すなわち地球の影にすっぽりと月が収まります。月は真っ暗になるのではなく、光の回り込みがあるので、赤銅色に暗いながらも見えます。
20時18分に一番濃い影の部分になります。
20時28分に皆既月食が終わります。ここからは直接太陽の光が月にあたるので、明るいところが増えてきます。
21時52分に部分月食も終わります。この頃には普通の月と変わらないように見えるでしょう。
この季節は夜も温かいので、雲さえなければゆっくり見ることができるでしょう。ただ皆既日食の時間が19分と短いので、うっかりすると見過ごしてしまいます。お気をつけください。
運悪く雲が出ていたら、各地でライブ配信をしていますので、こちらで楽しみましょう。
TOTAL Lunar Eclipse (google.com)
地球の影は月に対しても大きいのです。今回の皆既月食は地球の影の端の方を通るので、時間が短いそうです。月が地球の影のほぼ真ん中を通ると1時間40分ぐらい皆既月食の状態が見えるそうです。
次の月食はいつにあるのでしょうか
今年はあと一回11月19日にありますが、部分日食で月の出から食が進んでいるのでかなりみづらいでしょう。しかも北海道、東北では見えないようです。
その次の月食は、2022年11月08日の皆既月食です。
更に、その次は、2023年10月29日の部分月食で月の入りに月食になるので、朝起きがつらいでしょう。しかも日本で見えない地域もあるようです。
したがって、今年は今回しかないと考えても良いでしょう。2022年は11月8日です。
ついでに中秋の名月についてもご紹介します
秋分の直前の新月の日を1日目として15日目が中秋の名月となります。2021年の秋分は9月23日です。その直前の新月は9月7日になりますので、中秋の名月は9月21日になります。
また後の月は10月18日になります。
お忘れないように。
月食に関してのあれこれうんちく
月食に関するエピソードとか逸話についていくつか紹介します。
論語 子張第十九 21 子貢曰君子之過也章
子貢曰。君子之過也。如日月之食焉。過也人皆見之。更也人皆仰之。
子貢いわく。君子の過ちは、日月の食の如し。過つや人皆これを見る。更めるや人皆これを仰ぐ。
君子の過ちは日食や月食のようなものである。過てば皆に分かってしまい、隠し立てはできない。しかし更めれば皆がその行為を仰ぎ見るのだ。
平安時代の西行の歌
「忌むと言ひて 影に当らぬ 今宵しも 破(わ)れて月見る 名や立ちぬらん」『山家集』
月食は不吉だといって光にも当たらないように世間の人はしているが、今宵のの月は、無理をしても見てみよう、変な人だと思われなければよいが。
やっぱり月食は、不気味ですから、不吉だと思われていたようですね。
コロンブス、月食を利用してインディアンを服従させる
コロンブスの逸話に次のようなものがあります。コロンブスが1502年に最後の航海に出たときに、アジアにつながる海路を発見しようと出かけました。
何週間もの間、西インド洋諸島の島を巡ったがアジアに通じる海路は見つかりませんでした。今から考えればそうですが、当時は大変だったようですね。
しかしながら、ついに計画をあきらめることとして、ジャマイカにたどり着きました。最初は原住民から食料の供給を受けていました。しかし、いつまでも原住民の好意は期待できませんでした。
やがて、多くの部下が反乱を起こして逃亡してしまいました。原住民ももはや食料をもってきてくれなくなりました。
切羽詰まったコロンブスは書物を繙くと、月食が起こる日時が予想されていました。1504年2月29日のことです。
そこでコロンブスは酋長たちに使いを出して、集会を開くことにしました。そして、酋長たちに、自分は神の使いであるのに、食物を持ってこなくなったことを非難しました。
そして神はこれら罪人を罰することを決めた。神の意志によって月が血の色に染まり、これから罰を与えるであろうと告げます。
はたして月が昇ってくると血の色に染まっています。原住民はびっくりして恐れおののきます。そして神に罰を与えないようにと懇願します。
コロンブスは船室に入って神と交渉するふりをします。そしてしばらくしてから、神からの交渉が成立したことを告げます。
やがて月は明るくなり、コロンブスたちは食料に事欠かなくなり、無事に帰ることができたそうです。
何だか作り話のようですが、本当だったのでしょうか。
クリストファー・コロンブスの息子フェルディナンド(彼はこの航海で父に同行した)、ラーカサス司教、ディエゴ・メンデスの三名が伝えているそうですが。
その他、日食、月食を扱ったものとしては、次のようなものがあるそうです。
マーク・トウェインの『アーサー王宮廷の一アメリカ人』
ライダー・パッカードの『ソロモン王の宝庫』
皆既月食のスーパームーンは2021年5月26日、天体ショーを楽しむ
今回の皆既月食はスーパームーンと重なるため、大きな月がますます大きく見えることでしょう。心配なのは天気だけです。
今年の梅雨はずいぶん早く始まってしまっているので、少し不利ですが、梅雨前線が遠ざかっていただくことを期待しましょう。
世間は新型コロナ感染症で重苦しくなっていますが、そんな時こそ空を見上げて、年に1度の天体ショーを楽しみましょう。お子さんがいる家庭であればよいコミュニケーションの場になるでしょう。
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