数学オリンピック問題集おすすめガイド|対策に使いやすい一冊の選び方

数学オリンピックの過去問集と整数・幾何・組合せの参考書を机に並べ、自分に合う一冊を選ぶ学習者の後ろ姿 数学

数学オリンピックの問題集は、初心者・JMO過去問・弱点補強の3目的で選ぶと、自分に合う一冊を見つけやすくなります。

2026年8月18日時点では、発売済みの新しいJMO過去問集は『数学オリンピック2021~2025』です。2026年大会まで収録する『数学オリンピック2022~2026』は2026年9月下旬の刊行予定なので、今すぐ始めるか、新刊を待つかまで考えて選ぶのがポイントです。

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  1. 数学オリンピック問題集のおすすめは?2026年版6選を目的別に比較
  2. JMO過去問の最新版は?2021~2025と2022~2026の違い
    1. 「2026年」と「2026年度」を混同しないことも大切
    2. JMO過去問集は「現在地を測る本」と考える
  3. 数学オリンピック初心者にはどれがおすすめ?中学生・JJMOも含めて選ぶ
    1. 初心者の第一候補『数学オリンピック教室』
    2. 中学生なら『中学生からの数学オリンピック 第2版』
    3. 中学生以下なら『ジュニア数学オリンピック 2022-2026』も候補
  4. 整数・幾何・組合せが苦手なら?分野別問題集を選ぶ
    1. 4冊まとめ買いより「答案から逆算」する
    2. さらに深めるなら「数学オリンピックへの道」
    3. 幾何を本格的に学ぶなら『数学オリンピック幾何への挑戦』
  5. 数学オリンピック問題集はどう使う?JMO予選・本選で勉強法を変える
    1. 一冊を「考える→診断する→解き直す」の3段階で使う
    2. 本選対策では「証明を清書する時間」をつくる
  6. 数学オリンピック問題集をどう選ぶ?私の考察と2026年の見通し
    1. 2026年8月は「今買うか、9月まで待つか」を決める時期
    2. まとめ
  7. よくある質問
    1. 数学オリンピック問題集を一冊だけ買うならどれがおすすめですか?
    2. 数学オリンピック初心者の中学生は何から始めればよいですか?
    3. パーフェクト・マスターは4冊すべて買った方がよいですか?

数学オリンピック問題集のおすすめは?2026年版6選を目的別に比較

数学オリンピックの問題集には、入門書、過去問集、分野別問題集、発展書があります。難しい本ほど優れているのではなく、自分が今どこで困っているかに合う本ほど役立ちます。

まず、2026年8月18日時点で候補にしやすい6冊・シリーズを目的別に整理します。

おすすめ問題集 主な対象 おすすめする目的
『数学オリンピック教室』 初心者 JMO予選の考え方に入門したい
『中学生からの数学オリンピック 第2版』 中学生~高校生・学び直し 易しい問題から難問まで体系的に進みたい
『数学オリンピック2021~2025』 JMO受験者 今すぐJMO過去問演習を始めたい
『数学オリンピック2022~2026』 JMO受験者 2026年まで含む新しい過去問集が欲しい
「パーフェクト・マスター」シリーズ 分野別対策をしたい人 整数・幾何・代数・組合せの弱点を補いたい
『獲得金メダル!国際数学オリンピック』 本選・IMOを意識する人 難問の背景にある発想や解法を学びたい

数学オリンピック財団のJMO参考書案内では、『数学オリンピック教室』はJMO予選の入門書として紹介されています。また、「パーフェクト・マスター」シリーズや『獲得金メダル!国際数学オリンピック』なども、目的の異なる参考書として掲載されています。

ここで注意したいのは、この6冊を1位から6位までの順位として考えないことです。

たとえばJMO予選と本選だけでも、求められる力はかなり違います。数学オリンピック財団によると、予選は3時間で答だけを問う12問、本選は4時間で証明を要求する記述式5問です。主な出題分野は代数・組合せ論・幾何・数論の4分野です。

つまり「数学オリンピック問題集 おすすめ」と検索する人の中にも、初めて難問に触れる人、JMO予選を突破したい人、本選の証明を書けるようになりたい人、幾何だけを鍛えたい人がいます。

同じ一冊が全員の最適解になるわけではありません。

私は弓道の稽古を長く続けていますが、弓も「強ければ強いほどよい」というものではありません。今の自分に扱える強さで、正しい動作を積み重ねることが大切です。

数学の問題集も似ています。解答を読めば何とか理解できる程度の本を選び、少しずつ自力で解ける範囲を広げる方が、長い目で見ると力につながると考えています。


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JMO過去問の最新版は?2021~2025と2022~2026の違い

JMO対策を目的に問題集を探しているなら、最初に確認したいのが過去問集の刊行年です。

2026年8月18日時点で発売済みなのは、数学オリンピック財団監修、日本評論社発行の『数学オリンピック2021~2025』です。2025年9月刊、A5判288ページで、出版社では紙の書籍と電子書籍が案内されています。

収録されているJMOは第31回の2021年から第35回の2025年までです。それに加えて、IMO、アジア太平洋数学オリンピック、ヨーロッパ女子数学オリンピックなどの問題と解答も収録されています。

したがって、2026年8月の今すぐJMO過去問演習を始めたい人には『数学オリンピック2021~2025』が現実的な第一候補です。

一方、次の『数学オリンピック2022~2026』は2026年9月下旬刊行予定です。数学オリンピック財団監修、A5判272ページ、予価税込2,640円と日本評論社が案内しています。

こちらには第32回JMO予選・本選(2022年)から第36回JMO予選・本選(2026年)までが収録される予定です。第38回アジア太平洋数学オリンピック、第15回ヨーロッパ女子数学オリンピック、IMO第67回中国大会なども目次に含まれています。

したがって選び方は明快です。

今すぐ始めるなら『2021~2025』、2026年の第36回JMOまでまとまった一冊を長く使いたいなら『2022~2026』を待つという考え方になります。

「2026年」と「2026年度」を混同しないことも大切

2026年の記事として、もう一つ整理しておきたい点があります。

新刊『数学オリンピック2022~2026』に収録される「2026」は、第36回JMO(2026年)までという意味です。一方、数学オリンピック財団の現在の大会概要では、2026年度のJMO予選は2026年11月15日(日)13時~16時に実施予定と案内されています。

これから2026年度のJMOに挑戦する方は、「2026という名前の過去問集が出るから、次の大会まで収録されている」と早合点しない方が安全です。

問題集の書名にある年と、これから受験する大会年度は分けて確認してください。

これは2026年に本を選ぶ際、意外に見落としやすい点だと私は感じます。

JMO過去問集は「現在地を測る本」と考える

数学オリンピック財団の公式サイトにもJMOの過去問題は掲載されていますが、公式概要ではウェブ掲載の問題には解答が付いておらず、解答や解説については参考書案内が示されています。

そのため、書籍の過去問集を使う意味は単に「問題を手に入れること」だけではありません。

解答を読み、自分の考え方との差を確かめられることに大きな意味があります。

私は、過去問集を「教えてもらう本」よりも「現在地を測る本」として使うのがよいと考えています。

5年分ほど眺めてみれば、「整数では手が動くが幾何では止まる」「予選なら答えが出るのに本選では証明が書けない」など、自分の弱点が少しずつ見えてきます。

そこで初めて、次に買う問題集が具体的になります。

最初から何冊も購入するより、過去問を診断表のように使い、必要な分野へ進む方が教材選びの無駄を減らせるでしょう。


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数学オリンピック初心者にはどれがおすすめ?中学生・JJMOも含めて選ぶ

数学オリンピックを初めて学ぶ方には、いきなり難しい過去問を何年分も解くより、考え方の入口が分かる教材から始めることをおすすめします。

学校数学では、習った公式や手順を正確に使う問題が多くあります。

数学オリンピックでは、それに加えて「どの条件に注目するか」「小さな場合を試すか」「対称性を利用できないか」「整数の余りを見るべきか」など、自分で入口を探す場面が増えます。

初心者の第一候補『数学オリンピック教室』

野口廣氏の『数学オリンピック教室』は2005年1月発行で、数学オリンピック財団のJMO参考書案内では『幾何の世界』『ゼロからわかる数学』とともにJMO予選の入門書として位置づけられています。

数学オリンピックに興味を持ったものの、過去問を見て「何から考えればよいのか分からない」と感じた方には、このような入門書から始める意味があります。

初心者のうちは、正解数だけを目標にしなくても構いません。

解説を読んだら、「なぜその発想が出てきたのか」「問題文のどの条件が手掛かりだったのか」を一つだけでも自分の言葉にしてみます。

数学オリンピックでは、この「発想を言葉にする」作業が後の問題で効いてきます。

中学生なら『中学生からの数学オリンピック 第2版』

中学生から体系的に進めたい場合は、安藤哲哉氏の『中学生からの数学オリンピック 第2版』が有力です。

同書は数学書房発行、2023年9月刊、A5判568ページ。入門問題から難問まで600問を分類して収録し、中1以上・中2以上・中3以上向きの予選問題と本選問題に分けた構成になっています。

後半には、数、論理、数列、整数、代数、場合の数、離散数学、平面幾何、三角形の五心などの基礎知識もまとめられています。

この本のよいところは、「数学オリンピック初心者」という一括りではなく、学年や現在の力を目安に問題を選びやすいことです。

568ページ、600問という量はかなりありますので、最初から全問制覇を目指す必要はありません。

むしろ、自分が理解できそうな難易度から拾って解く方が続けやすいでしょう。

※画像はAIによるイメージ

中学生以下なら『ジュニア数学オリンピック 2022-2026』も候補

中学生以下であれば、JMOだけでなくJJMO(日本ジュニア数学オリンピック)から始める道もあります。

日本評論社では2026年7月に、数学オリンピック財団編『ジュニア数学オリンピック 2022-2026』が刊行されました。A5判296ページで、2026年8月18日時点では紙と電子書籍が案内されています。

内容は整数・代数、幾何、組合せの問題編と知識編に加え、第20回(2022年)から第24回(2026年)までのJJMO予選・本選の問題と詳細な解答です。

数学オリンピック財団も、JJMOを中学生以下を対象とし、JMOへつながる前段階の大会として位置づけています。

そのため、中学生以下の方が「JMOの過去問はほとんど歯が立たない」と感じても、それだけで向いていないと判断する必要はありません。

一段低い階段から始めればよいのです。

これは大人の学び直しにも通じます。

難しい問題が解けないことより、自分に合わない高さから始めて学ぶこと自体が嫌になる方が、私はもったいないと感じます。


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整数・幾何・組合せが苦手なら?分野別問題集を選ぶ

JMO過去問を数年分試して弱点が見えてきたら、次は分野別に絞って学ぶ段階です。

数学オリンピック財団は、JMOの主な出題分野を代数・組合せ論・幾何・数論に整理しています。

この4分野に対応して使いやすいのが、鈴木晋一氏編著、日本評論社の「めざせ、数学オリンピック パーフェクト・マスター」シリーズです。

財団の参考書案内には『平面幾何パーフェクト・マスター』『初等整数パーフェクト・マスター』『代数・解析パーフェクト・マスター』『組合せ論パーフェクト・マスター』の4冊が掲載され、世界各地の数学オリンピック過去問から良問を選び、基礎・中級・上級に分類した問題集と説明されています。

たとえば『平面幾何パーフェクト・マスター』は2015年2月刊、A5判240ページで、2026年8月18日時点の日本評論社サイトでは在庫ありと表示されています。

『初等整数パーフェクト・マスター』は2016年5月刊、A5判240ページですが、同日時点の出版社ページでは紙書籍が在庫なしと表示されています。電子書籍については案内があります。

『代数・解析パーフェクト・マスター』は2017年5月刊、256ページで、数と式、高次方程式、不等式、数列、関数方程式などを扱う分野別教材です。

『組合せ論パーフェクト・マスター』では、順列・組合せ、場合の数、確率、彩色、グラフ理論、ゲームなど幅広い題材が扱われています。

価格や出版社在庫は変わりますので、購入時点の最新表示を確認してください。

4冊まとめ買いより「答案から逆算」する

私なら、最初からパーフェクト・マスター4冊をそろえることは勧めません。

まず過去問を解きます。

そこで「整数問題ではほぼ何も書けない」「幾何だけ補助線の方針が出ない」といった傾向が見えたら、その一分野を優先します。

ここで重要なのは、単に「間違えた問題」を数えることではありません。

同じ不正解でも、原因は違います。

公式や定理を知らなかったのか、知っていたのに使う発想が出なかったのか、方針は正しかったのに計算を誤ったのか、本選なら証明として文章にできなかったのか。

この「止まった理由」こそ、次の問題集を選ぶ材料です。

私はこれを、問題集選びの「答案からの逆算」と考えています。

人気ランキングだけで本を増やすより、自分の答案が示している弱点に本を当てる方が、一冊の役割が明確になります。

さらに深めるなら「数学オリンピックへの道」

一つの分野をさらに深く学びたい人には、朝倉書店の「数学オリンピックへの道」シリーズがあります。

数学オリンピック財団の参考書案内には、『組合せ論の精選102問』『三角法の精選103問』『数論の精選104問』が掲載されています。財団によれば、米国の数学オリンピック夏期合宿プログラムで演習や選抜試験に用いられた問題から精選されたシリーズです。

その性格から考えると、初めて数学オリンピックに触れる人の最初の一冊というより、過去問や入門書をある程度経験してから使う方が自然です。

「整数が好きなので数論をもっと掘りたい」「組合せの難問を多く経験したい」という段階で検討するとよいでしょう。

幾何を本格的に学ぶなら『数学オリンピック幾何への挑戦』

幾何に特化して深く学びたい場合には、エヴァン・チェン氏の『数学オリンピック幾何への挑戦 ユークリッド幾何学をめぐる船旅』があります。

日本評論社の日本語版は2023年2月刊、A5判400ページで、2026年8月18日時点では紙・電子書籍が案内され、紙版は在庫ありと表示されています。

内容は角度追跡や円、長さと比といった比較的入りやすい話題から、複素座標、重心座標、反転、射影幾何などへ進みます。

幾何でよくあるのが、「解答を見れば分かるが、自分ではその補助線を引けない」という悩みです。

この場合、補助線そのものを暗記するだけでは十分ではありません。

「相似な三角形を作るためだったのか」「円周角を利用するためだったのか」「二つの比をつなぐためだったのか」と、その線を引いた目的を逆向きに考えることが大切です。

目的まで言葉にできるようになると、見た目の違う別の問題でも同じ発想を探しやすくなります。

※画像はAIによるイメージ

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数学オリンピック問題集はどう使う?JMO予選・本選で勉強法を変える

よい問題集を選んでも、解答を読むだけでは十分に活かせません。

JMOでは、予選と本選の形式が異なるため、問題集の使い方も分けて考える必要があります。

数学オリンピック財団によると、JMO予選は3時間で12問を解き、答だけを記入する形式です。一方、本選は4時間で5問、証明を要求する記述式です。

予選では、すべての問題に同じ時間を使うのではなく、問題を見渡して手掛かりのあるものを見つけ、限られた時間の中で正確な答えへ到達する力が重要になります。

一方、本選では「答えが分かった」だけでは終わりません。

なぜそう言えるのかを筋道立て、読み手が途中を補わなくても理解できる形にする必要があります。

一冊を「考える→診断する→解き直す」の3段階で使う

私がおすすめしたいのは、一冊の問題集を何冊分にも使うつもりで繰り返す方法です。

1周目では、すぐ解答を開かず、自分が何を試したのかをノートに残します。小さい数を代入した、図を書き直した、場合分けをした、といった途中経過も残しておきます。

2周目では、解説を読んだあとに「なぜ止まったのか」を一言で記録します。知識不足なのか、発想不足なのか、計算ミスなのか、場合分けの漏れなのか、証明として書けなかったのかを分けます。

3周目では、数日から数週間置いて、解答を閉じたまま解き直します。

このとき大事なのは、「解説を読めば分かる」と「自力で再現できる」を区別することです。

難しい数学ほど、解答を読んだ直後には理解した気持ちになりやすいものです。

しかし翌週に白紙から解けなければ、その発想はまだ自分の道具になっていません。

私は、問題集を一周終えることより、一度解けなかった問題を後日、自分の言葉と式で解けるようになることの方が大きな進歩だと思っています。

本選対策では「証明を清書する時間」をつくる

本選を目指す人には、解答を読む時間とは別に、証明を書き直す時間を取ってほしいと思います。

模範解答を読んで納得したあと、一度本を閉じます。

そして「何を仮定し、何を示すのか」「どの事実を使い、次の結論へ進むのか」を自分の文章で再構成します。

本選は証明を要求する記述式5問ですから、発想だけでなく、その発想を他人が読める論理に変える練習が必要です。

これは学校の数学にも役立つ力です。

「頭の中では分かっている」を「言葉と式で説明できる」へ変える作業には、数学の理解そのものを深める働きがあると私は考えています。


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数学オリンピック問題集をどう選ぶ?私の考察と2026年の見通し

私見ですが、数学オリンピックの問題集選びで最も大切なのは、難易度ではなく、その本の役割を見分けることです。

2026年8月時点の情報を整理すると、それぞれの本が担う役割はかなりはっきりしています。

『数学オリンピック教室』は、財団がJMO予選の入門書として紹介する本です。

『中学生からの数学オリンピック 第2版』は、学年を目安に予選・本選問題を分け、基礎知識まで一冊にまとめた大部の教材です。

『数学オリンピック2021~2025』と、2026年9月下旬刊行予定の『数学オリンピック2022~2026』は、実際の大会問題と解答を通じて現在地を確かめる過去問集です。

「パーフェクト・マスター」は、代数・組合せ・幾何・数論という弱点を分野別に補うための教材として使えます。

そして『獲得金メダル!国際数学オリンピック』は、IMO日本代表選手の直前合宿で使われた教材をもとに、JMOやIMOの難問の根底にある考え方や解法をIMO日本代表OBが解説した参考書として財団が紹介しています。

この違いを考えると、問題集を単純な売れ筋ランキングに並べることにはあまり意味がありません。

初心者なら入口になる本。

次に過去問。

弱点が分かったら分野別教材。

さらに本選やIMOを意識するなら発展書。

このように「入門→実戦→診断→補強→発展」という階段として考える方が、教材同士の関係を理解しやすくなります。

ただし、これは競技としてJMOを目指す場合の一つの道筋にすぎません。

数学そのものを楽しみたい中高年の学び直しであれば、時間を測って何問も解く必要はありません。

一問を一晩考えてもよいですし、数日机の上に置いておいてもよいでしょう。

私自身、年齢を重ねるほど、「早く終えること」と「深く分かること」は別だと感じるようになりました。

昨日は何も見えなかった問題でも、翌朝に図を書き直したら急に関係が見えることがあります。

難問には、すぐ答えが出ない時間そのものを味わえる面白さがあります。

2026年8月は「今買うか、9月まで待つか」を決める時期

2026年8月18日時点でJMO過去問集を選ぶ人には、例年とは少し違う判断があります。

発売済みの『数学オリンピック2021~2025』は2025年9月刊で、出版社では在庫あり、紙・電子版が案内されています。

一方、『数学オリンピック2022~2026』は2026年9月下旬刊行予定で、現時点では予約段階です。

すぐに勉強を始めたいのであれば、新刊を待つために一か月以上学習を止める必要はありません。

反対に、過去問集をこれから長期間使い、第36回JMO(2026年)まで一冊でそろえたいなら、9月下旬予定の新刊を待つ選択も合理的です。

さらに、数学オリンピック財団の現在の大会概要では、2026年度JMO予選は2026年11月15日(日)の予定とされています。申し込みについても7月1日開始、9月10日締切予定と案内されています。

そのため2026年度のJMOを目標にしている方にとって、8月から秋は「本を選ぶだけの時期」ではありません。

一冊を決めたら、予選形式の問題を実際に解き始める時期でもあります。

私なら、問題集選びに何週間も迷うより、候補を一冊決めて一問解いてみます。

問題集は、表紙を比較している間には何も教えてくれません。

鉛筆を持ち、最初の問題で手が止まった瞬間から、「自分には何が必要なのか」という情報を返してくれるからです。

価格、在庫、電子版の有無、刊行予定日は今後変わる可能性があります。購入する際は、出版社などの最新情報も確認してください。

まとめ

数学オリンピック問題集を2026年に選ぶなら、初心者は入門書、JMO実戦は過去問、苦手分野は分野別教材、本選・IMOを目指すなら発展書という順に考えると整理しやすくなります。

初心者なら『数学オリンピック教室』、中学生から幅広く学ぶなら『中学生からの数学オリンピック 第2版』が候補です。

JMO対策をすぐ始めるなら、2026年8月18日時点で発売済みの『数学オリンピック2021~2025』があります。第36回JMO(2026年)まで収録する『数学オリンピック2022~2026』は2026年9月下旬刊行予定です。

過去問で整数・幾何・代数・組合せの弱点が見えたら、「パーフェクト・マスター」などの分野別教材へ進めばよいでしょう。

そして一冊を選んだら、すぐ次の本を探す必要はありません。

自分で考える。解説を読む。止まった理由を残す。時間を置いてもう一度解く。

その繰り返しの中で、昨日は見えなかった仕組みが少しずつ見えてきます。

数学オリンピックの魅力は、難しい問題を速く片づけることだけではありません。

一つの条件を長く眺めた末に、「そういうことだったのか」と関係がつながる瞬間があります。その静かな発見を重ねられることも、数学を学ぶ豊かさの一つだと私は思います。


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よくある質問

数学オリンピック問題集を一冊だけ買うならどれがおすすめですか?

JMOを受験する予定で、数学オリンピック形式の問題にある程度慣れているなら、まず過去問集が有力です。

2026年8月18日時点ですぐ始めるなら『数学オリンピック2021~2025』、第36回JMO(2026年)まで収録した版を希望するなら、2026年9月下旬刊行予定の『数学オリンピック2022~2026』を検討できます。

初めて数学オリンピック問題に触れる人なら、過去問より『数学オリンピック教室』などの入門書から始める方が取り組みやすいでしょう。

数学オリンピック初心者の中学生は何から始めればよいですか?

中学生なら、『数学オリンピック教室』に加え、『中学生からの数学オリンピック 第2版』が候補になります。同書は学年別に予選・本選問題が分類され、入門から難問まで600問を収録しています。

中学生以下でJJMOから段階を踏みたい場合は、2026年7月刊の『ジュニア数学オリンピック 2022-2026』も選択肢です。2022年から2026年までのJJMO予選・本選と詳細な解答が収録されています。

パーフェクト・マスターは4冊すべて買った方がよいですか?

最初から4分野をそろえる必要はないと私は考えます。

まずJMO過去問を解き、代数・組合せ論・幾何・数論のどこで止まりやすいかを確認してから、その分野の一冊を選ぶ方が目的を明確にできます。シリーズは世界各地の数学オリンピック過去問から良問を選び、基礎・中級・上級に分類した問題集として数学オリンピック財団が紹介しています。

著者:天水健太郎(あまみず けんたろう)
元行政職員・生涯学習コラムニスト。長年、教育や文化にかかわる行政職を務め、現在は弓道の稽古と読書を楽しみながら、大人の学び直しや自己研鑽について執筆しています。

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