数学オリンピックの過去問は、2026年現在もJMO・JJMO・IMOの公式サイトで確認でき、初心者はJMO予選やJJMOから段階的に解くのが取り組みやすい方法です。
とくに2026年は、「第36回JMO(2026年)」と「2026年度の第37回JMO」が同時に検索結果へ現れるため、年度と大会回数を区別して見ることが大切です。第37回JMO予選は2026年11月15日、本選は2027年2月11日に予定されています。数学オリンピック財団+1
数学オリンピックの過去問は2026年現在どこで見られる?
数学オリンピックの問題を探すときは、まず公益財団法人 数学オリンピック財団の公式サイトを入口にするのが分かりやすいでしょう。
日本数学オリンピック(JMO)の公式ページには、第36回(2026年)から第11回(2001年)までの予選・本選問題が一覧化されています。さらに旧アーカイブには、第10回(2000年)の問題も残っています。数学オリンピック財団+1
日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)も、第24回(2026年)の予選・本選をはじめ、2003年の第1回まで公式サイトからたどることができます。なお、JJMOで予選・本選方式になったのは第7回大会からです。数学オリンピック財団
国際数学オリンピック(IMO)は、IMO公式サイトの「Problems」で年度ごとの問題を確認できます。2026年の第67回IMOについても、1日目の第1~3問、2日目の第4~6問が公開されています。IMO Official
主要な大会を整理すると、次のようになります。
大会 主な位置づけ 2026年現在の過去問
JMO IMO日本代表選抜につながる国内大会 数学オリンピック財団で予選・本選を公開
JJMO 中学生以下を対象とする国内大会 数学オリンピック財団で各回の問題を公開
IMO 各国・地域の代表が参加する国際大会 IMO公式サイトで年度別に公開
APMO アジア太平洋地域の数学競技 財団の国際大会資料・旧アーカイブで確認
EGMO 女子選手を対象とする国際数学競技 財団の関連ページ・大会資料で確認
ここで一つ注意したいことがあります。
検索すると、数学オリンピック財団の現在のページだけでなく、「国内大会・国際大会の問題」という古いアーカイブも見つかります。そのページにはJMOの2000~2019年、IMOの2000~2018年などが整理されており、過去問を読む資料としては今でも有用です。 数学オリンピック財団
一方、そのアーカイブにはJMO予選について「毎年1月中旬実施」と記されています。これは当時の制度についての説明であり、現在の開催時期とは異なります。数学オリンピック財団+1
古いページが間違っているわけではありません。
大切なのは、「昔の問題を調べるページ」と「現在の大会制度を調べるページ」を分けて使うことです。
私は古い行政資料を調べるときにも、同じ注意が必要だと感じてきました。資料そのものは正確でも、制度や日程は後から変わることがあります。
数学オリンピックでも、問題は古いページから、日程・応募資格・受験料などは最新の募集要項から確認する。この二段構えにしておくと、情報を取り違えにくくなります。
「第36回JMO」と「2026年度第37回JMO」は何が違う?
2026年版の記事で、もっとも混乱しやすい点がここです。
公式の過去問一覧には、第36回(2026年)JMOの予選・本選問題が掲載されています。2026年の第36回JMO予選には4,525人が応募し、3,992人が参加、Aランクは170人でした。数学オリンピック財団
ところが2026年8月現在、募集中なのは2026年度の第37回JMOです。
こちらは予選が2026年11月15日、本選が2027年2月11日で、第68回IMOハンガリー大会の日本代表選抜につながります。数学オリンピック財団
つまり、
「2026年に本選まで行われた第36回」と、「2026年11月に予選が始まる第37回」を同じ大会だと思わないこと
が重要です。
JJMOも同様です。公式過去問には第24回(2026年)がすでに掲載されていますが、2026年11月15日に行われるのは第25回JJMO予選です。数学オリンピック財団+1
検索で「数学オリンピック 2026 過去問」「JMO 2026 問題」と調べたときに番号が二つ見えるのは、このためです。
この違いを最初に理解しておくだけでも、過去問探しはずいぶん楽になります。
IMOは2026年上海大会まで問題を確認できる
第67回国際数学オリンピック(IMO)は、2026年7月10日から21日まで中国・上海で開催されました。
IMO公式記録では117か国、666人が参加し、2026年大会の6問も公式サイトに掲載されています。IMO Official+1
IMOは2日間にわたり、毎日3問を4時間30分で解く形式です。各問題は7点、6問合計42点満点で採点されます。IMO Official
JMO予選が「答のみ」を書く12問形式なのに対して、IMOでは完全な証明や論証が求められます。
そのため、IMOの問題は初心者にとって非常に高い壁に見えるでしょう。
私はIMOを最初に攻略すべき問題集というより、「数学オリンピックの先にはどのような世界があるのかを見る展望台」として使うのがよいと思います。
問題文を眺めてまったく分からなくてもかまいません。
JMO予選を何年か解いたあとでIMOへ戻ってくると、「以前は何をすればよいかさえ分からなかったのに、今は整数問題だと分かる」「補助線を考えてみようと思える」と、自分の成長が見えることがあります。
2026年度JMO・JJMOの日程と試験形式は?
2026年度の第37回JMO予選は、2026年11月15日(日)午後1時から午後4時まで行われる予定です。
予選は3時間で12問を解き、答のみを記入する筆記試験です。本選は2027年2月11日(木)午後1時から午後5時までで、予選Aランク者を対象に4時間5問の記述式試験が行われます。数学オリンピック財団
第37回JMOの応募資格は、2026年11月時点で大学教育またはそれに相当する教育を受けていない20歳未満の人です。ただしIMO代表資格については、IMO開催時点で高校生以下であることが条件になります。数学オリンピック財団
2026年度の個人申し込み期間は7月1日から9月10日までで、受験料は5,000円です。日程や会場は変更される可能性もあるため、参加する場合は数学オリンピック財団の最新募集要項を確認してください。数学オリンピック財団
JMO予選は「答えを発見する力」が問われる
予選は12問を3時間で解きますから、単純に割れば1問あたり15分です。
しかし実際には、12問へ均等に15分ずつ使う試験ではありません。
一目見て入口が分かる問題もあれば、具体例を何度も試さなければ規則が見えない問題もあります。
そのため過去問練習では、次のような「探索の型」を意識するとよいでしょう。
- 小さい数や単純な場合から試してみる
- 図や条件を自分の言葉で書き直す
- 偶奇、余り、対称性、最大・最小を見る
- 一つの方針で進まなければ別の見方へ移る
- 解けなかったときは、解説で「最初の転換点」を探す
予選対策で大切なのは、高度な定理をたくさん暗記することだけではありません。
「この問題には何を試せばよいか」を自分で決める練習こそ、数学オリンピックらしい学びです。
JMO本選は「分かったことを証明する力」が問われる
JMO本選は4時間5問の記述式です。
予選では最後の答えが正しければよいのに対して、本選では「なぜその結論になるのか」を読み手が確認できる形で書かなければなりません。数学オリンピック財団
この違いは非常に大きなものです。
具体例を10個調べてすべて同じ結果になったとしても、それだけでは一般の場合の証明にはなりません。
「なぜ例外がないのか」
「どの条件をどこで使ったのか」
「場合分けはすべて尽くされているか」
というところまで言葉と式で示す必要があります。
難しさを数字で見ると、その厳しさがよく分かります。
2025年の第35回JMO本選では、5問合計の平均点が7.49点でした。問題別では第1問3.26点、第2問1.96点、第3問1.98点、第4問0.30点、第5問は0.00点です。数学オリンピック財団
この数字を見て、初心者が「自分には無理だ」と思う必要はありません。
むしろ本選過去問では、完答だけを成功と考えないことが大切だと思います。
自力で補助線を一本引けた。
必要な場合分けに気づいた。
証明の半分まで進めた。
そこにも確かな前進があります。
数学の難問では、正解と不正解の間に広い学びの領域があるのです。
JJMOは中学生以下向け、2026年度予選はオンライン
第25回JJMOは、2026年11月時点で中学3年生以下の人が応募できます。
予選は2026年11月15日午後1時~4時、オンライン方式で3時間12問の単答式。本選は2027年2月11日午後1時~5時、4時間5問の記述式です。数学オリンピック財団
JJMOの予選時期は第24回大会から見直され、現在は11月第3日曜日に実施されています。古いページで1月開催という記述を見つけても、現在の日程にはそのまま当てはめられません。数学オリンピック財団+1
2026年の第24回JJMOでは2,921人が応募し、2,649人が参加、本選受験有資格者は135人でした。数学オリンピック財団
中学生以下で数学オリンピックへ初めて挑戦する方には、JJMOはよい入口になります。
高校生や大人が学習教材としてJJMOを解いても、もちろん問題ありません。むしろ基礎的な材料から発想を組み立てる訓練として、年齢にかかわらず楽しめます。
数学オリンピックではどんな問題が出る?
2026年度JMO募集要項では、前提となる知識を世界各国の高校程度とし、整数問題、幾何、組合せ、式変形などを題材にするとしています。
一方、微積分、確率統計、行列は範囲外と明記されています。数学オリンピック財団
これは数学オリンピックを初めて見る方にとって、大切な情報です。
難しい問題だからといって、大学数学を大量に知っていなければ解けないわけではありません。
むしろ、整数、図形、数え上げ、方程式、不等式といった比較的身近な材料を、普段とは違う角度から見る力が問われます。
JJMOでは、前提知識は世界各国の中学校程度とされ、数の問題、図形、ゲーム、組合せ的問題などが題材になります。数学オリンピック財団
IMOも主な分野は代数、組合せ、幾何、数論です。公式説明では、問題には非常に高い数学的洞察と創造性が必要とされています。IMO Official
知識の高さだけではなく、「知っていることをどう組み合わせるか」が難しさの中心にあるわけです。
2000年JMO第2問から学べる「実験と証明」
古い過去問の中から、初心者でも考え始めやすい例を見てみましょう。
2000年1月10日に行われた第10回JMO予選は、現在のJMO予選と同じく3時間12問、答のみを記入する形式でした。数学オリンピック財団
第2問では、0以上の整数 a,b を使った「3a+5b」という形で表せない自然数のうち、最大のものを求める問題が出題されました。数学オリンピック財団
小さい数から調べてみます。
3、5、6は作れます。
しかし1、2、4、7は作れません。
8は3+5、9は3+3+3、10は5+5で作れます。
さらに8、9、10という3つの連続した整数が表せることが分かれば、そこから3ずつ増やしていくことで、それ以降も表せると確認できます。
したがって、表せない最大の自然数は7です。
ここで学びたいのは答えの7ではありません。
大事なのは、
「まず小さい場合を調べる」
「規則を予想する」
「その先が全部成り立つ理由を考える」
という三段階です。
数学オリンピックでは、具体例を調べることは決して幼稚な方法ではありません。
ただし、調べただけで終わらず、「なぜそこから先は全部大丈夫なのか」へ進むことが数学的な一歩になります。
2000年JMO第4問から学べる「最後の一手」
同じ第10回JMO予選の第4問には、1回に1段、2段、3段のいずれかを上がり、7段の石段を上る方法が何通りあるかという問題があります。数学オリンピック財団
全部の上り方を書き出しても解けますが、数が増えると漏れや重複が起こりやすくなります。
そこで「最後の一歩」に注目します。
7段目へ最後に1段上がったなら、その直前までは6段。
最後に2段上がったなら5段。
最後に3段上がったなら4段まで上がっています。
n段の上り方を f(n) とすると、
f(n)=f(n−1)+f(n−2)+f(n−3)
という関係が見えてきます。
順に計算すると7段では44通りになります。
ここでも44という答えより、「すべて列挙する」から「最後の一手によって分類する」へ視点を変えることが大切です。
組合せの問題では、「最初の操作」「最後の操作」「特定のものを含むか含まないか」で分けると、複雑な全体が整理できることがあります。
私は解説を読むとき、答えよりもこうした「視点が変わった場所」に印を付けることをおすすめします。
幾何は「補助線を思いつく競技」ではない
幾何問題を見て、「補助線なんて思いつかない」と感じる方は少なくありません。
しかし、やみくもに線を引いて偶然を待つ必要はありません。
例えば円周上にあることを示したいなら、
「どの角とどの角が等しければ円に乗るのか」
とゴール側から考えます。
相似を示したいなら、
「あと一組、どの角が等しいと分かればよいのか」
と不足している条件を探します。
すると、その条件を作るための補助線が候補として見えてきます。
つまり補助線は、天から降ってくるひらめきというより、結論から逆算して必要な関係を作る道具と考えることができます。
数学オリンピックの問題が難しく感じられるのは、使う道具が書かれていないためです。
学校の問題集なら「相似」「二次関数」「場合の数」と章名があり、それ自体がヒントになります。
数学オリンピックでは、その案内板がありません。
だから過去問学習では、「何を使ったか」だけでなく、「なぜそれを使おうと思ったか」を読む必要があるのです。
数学オリンピック初心者は過去問を何から解けばよい?
初めて挑戦するなら、私はJJMOまたはJMO予選から始め、JMO本選、さらにIMOへ進む順序を一つの目安にしています。
もちろん、これは年齢による序列ではありません。
高校生がJJMOを教材として使ってもよいですし、大人がJMO予選をゆっくり楽しんでもかまいません。
重要なのは、自分の現在地より少しだけ難しい問題を選ぶことです。
最初は時間を計らず「1年分を眺める」
最初から3時間を計り、JMO予選12問を本番通りに解く必要はありません。
まず1年分を開いて、問題全体を眺めてみてください。
整数なら少し手が動きそう。
幾何は難しそうだけれど図は面白い。
数え上げなら具体例を書けそう。
その程度で十分です。
最初の目的は高得点を取ることではなく、「自分が考え始められる問題を見つけること」だからです。
何も分からない問題だけを選び続けると、数学オリンピックが「解説を読んで感心するだけのもの」になってしまいます。
反対に、少し試せる問題を選べば、自分の予想と公式解答・参考書の解説を比較できます。
この「自分で一度考えたあとに読む」という順番が、とても大切です。
正解ノートより「発想ノート」を作る
過去問を解くとき、私は正解だけを記録するより、考えた過程を残す方法をおすすめします。
たとえば「小さい数を調べた」「対称性を考えたが進まなかった」「最後の一手で場合分けする発想がなかった」といった短いメモです。
解説を読んだあとには、
「自分の考えと正解を分けた一手は何だったのか」
を一行だけ書いておきます。
先ほどの階段問題なら、
「全部書き出すのではなく、最後の一歩で分類する」
で十分です。
整数問題なら、
「余りを調べる」
「最大公約数を見る」
「小さい場合から周期を予想する」
という記録が残るでしょう。
20問、30問と続けるうちに、自分だけの「発想索引」ができます。
公式集ではありません。
自分が実際につまずいた経験と結び付いた索引です。
ここに、過去問を何年分も解く大きな意味があると私は考えています。
JMO本選では最初から「他人が読める答案」を書く
本選問題へ進んだら、途中式だけではなく文章として証明を書く練習を始めます。
自分の頭の中では分かっていても、紙の上では論理が飛んでいることがあります。
おすすめしたいのは、解いた翌日に答案を読み返すことです。
昨日の発想をなるべく忘れたつもりで、
「この式はなぜ突然出てきたのか」
「場合分けに漏れはないか」
「示すべき結論まで本当に到達しているか」
と確認します。
数学の答案は、自分の考えを保存する文章でもあります。
これは大人の学び直しにもよい訓練です。
速さだけを競うのではなく、考えを順序立て、読み手へ渡せる形にする。その力は数学以外の学びにも通じます。
古い過去問と最新問題はどう使い分ければよい?
数学オリンピックでは、新しい問題だけを解けば十分とは限りません。
2026年現在、公式サイトにはJMO第36回、JJMO第24回、IMO第67回といった最新の問題が掲載される一方、財団の旧アーカイブでは2000年代の問題も読むことができます。数学オリンピック財団+3数学オリンピック財団+3数学オリンピック財団+3
私は、最新問題は「現在の大会を知るため」、古い問題は「発想を蓄えるため」と役割を分けると学びやすいと考えています。
最新年度を数年分解けば、現在の出題形式や難しさを体感できます。
その後、苦手な分野だけ過去へさかのぼります。
整数問題が苦手なら整数を集中的に。
数え上げの方針が立たないなら組合せ問題を集める。
幾何で補助線が見えないなら、幾何だけを何題か続ける。
こうすると、「年度順の過去問」が「自分の弱点に合わせた問題集」へ変わります。
1964年IMOは「ロシア大会」ではなくソ連・モスクワ大会
長い歴史を持つ大会では、過去の開催国表記にも注意が必要です。
IMO公式記録によると、1964年大会の開催地はモスクワで、開催国はUnion of Soviet Socialist Republics(ソビエト社会主義共和国連邦・ソ連)でした。IMO公式サイトでも、ソ連が1964年、1968年、1973年にモスクワでIMOを開催したことが確認できます。IMO Official
したがって、1964年大会を現在の国名だけで「ロシア大会」と表現するより、「1964年ソ連・モスクワ大会」とするほうが歴史的には正確です。
数学の記事であっても、年代、国名、制度名を丁寧に扱うことは信頼性につながります。
私も長く行政の仕事に携わり、昔の資料を読む場面がありました。
古い記録では、現在と地名や組織名が違うことが珍しくありません。
そこで大切なのは、現在の名称に安易に置き換えるのではなく、「その時代にはどう呼ばれていたか」を一度確認することです。
数学オリンピックの歴史を調べるときにも、同じ姿勢が役立ちます。
私見|数学オリンピックの本当の壁は「案内板がないこと」
ここからは私見です。
数学オリンピックを初めて解いた人が感じる難しさの大部分は、「知らない公式が多いこと」だけではないと私は考えています。
むしろ大きな壁は、問題文が解き方を教えてくれないことです。
学校の教科書なら「因数分解」「円周角」「場合の数」と章名が付いています。
章名を見ただけで、使う道具をある程度予想できます。
しかし数学オリンピックでは、「これは合同式を使う問題です」「ここでは相似を使います」という札が外されています。
整数の問題でも幾何的な考えが役立つことがあります。
組合せに見えて数論が決め手になることもあります。
この「案内板のない場所で、自分で方向を決めること」が難しいのです。
だからこそ過去問の復習では、
「どの公式を使ったか」
だけを記録しても十分ではありません。
「最初にどこを見たか」
「どんな具体例を試したか」
「どの条件が余っていることに気づいたか」
「どこで方針を捨てたか」
まで振り返ると、次の問題に生きてきます。
私は弓道の稽古にも、少し似たものを感じます。
矢が的を外れたとき、新しい技を次々に付け足すより、足踏み、胴造り、弓構えと基本へ戻り、どこから崩れたのかを見ることがあります。
数学でも同じです。
解けないからといって難しい定理を探し続ける前に、
「条件を全部使っただろうか」
「小さい場合を調べただろうか」
「逆向きから考えられないだろうか」
「別の表現にできないだろうか」
と基本へ戻ると、意外な入口が見つかることがあります。
年齢を重ねてから数学を学び直す方にとっても、ここは大切なところだと思います。
若いころのように速く計算できないと感じる日があっても、問題を丁寧に読み、試したことを整理し、翌日もう一度考えることはできます。
一問に三十分かかっても、一時間かかってもかまいません。
数学オリンピックの過去問は、競技に参加する若い人だけのものではありません。
「分からないものの前で、どのように考え始めるか」を練習する教材として見るなら、中高年の学び直しにも実に味わい深い題材です。
まとめ|数学オリンピック過去問は公式問題を段階的に活用しよう
数学オリンピックの問題・過去問を2026年現在探すなら、まず公益財団法人 数学オリンピック財団のJMO・JJMO公式ページと、IMO公式サイトを確認するのが基本です。
JMOでは第36回(2026年)の予選・本選、JJMOでは第24回(2026年)の予選・本選が公開され、IMOでも2026年上海大会の6問を確認できます。数学オリンピック財団+2数学オリンピック財団+2
同時に注意したいのが、過去問の「2026年」と、これから行われる「2026年度大会」は同じではないことです。
2026年度の第37回JMO予選は2026年11月15日、本選は2027年2月11日です。第25回JJMOも予選は2026年11月15日、本選は2027年2月11日となっています。数学オリンピック財団+1
初心者なら、まずJJMOやJMO予選で「自分で入口を探す」経験を重ねるとよいでしょう。
その後、JMO本選で証明を書く練習をし、さらに高い山としてIMOの問題を眺めてみる。
一方で古い過去問も、発想を蓄える教材として十分に価値があります。
最新問題で現在の大会を知り、古い問題を分野別に掘り下げる。
そして正解数だけでなく、「自分はどこまで考えられたのか」「解説のどこで視点が変わったのか」を残していく。
この往復を続けると、数学オリンピックの過去問は単なる受験対策ではなく、長く付き合える学びの材料になります。
速く答えを出すことだけが数学ではありません。
一枚の紙の前で手を動かし、行き詰まり、もう一度条件を読み、「そういう見方もあるのか」と気づく。その静かな時間そのものが、数学を学ぶ豊かさなのだと私は思います。
よくある質問
数学オリンピックの過去問は無料で見られますか?
JMO・JJMOの過去の問題は、公益財団法人 数学オリンピック財団の公式サイトで公開されています。IMOについても、IMO公式サイトのProblemsで年度別の問題を確認できます。数学オリンピック財団+2数学オリンピック財団+2
ただしJMO公式ページでは、掲載されている過去問題に解答が付いていないものがあります。解答・解説を学びたい場合は、財団が案内している参考書なども併用するとよいでしょう。数学オリンピック財団
2026年のJMO予選は11月15日ですか?
正確には、2026年度の第37回JMO予選が2026年11月15日です。本選は2027年2月11日に予定されています。数学オリンピック財団
一方、公式過去問に掲載されている「第36回(2026年)」はすでに問題が公開されている別の回です。検索すると両方が現れるため、大会回数まで確認すると混乱を防げます。数学オリンピック財団
数学オリンピック初心者はJMOとIMOのどちらから始めるべきですか?
初心者なら、まずJMO予選、または中学生以下向けのJJMOから始めるほうが段階を踏みやすいでしょう。
JMO予選は3時間12問で答のみを記す形式ですが、JMO本選は4時間5問の記述式です。IMOはさらに2日間で6問を解き、完全な論証が求められます。数学オリンピック財団+1
最初からIMOを完答しようとする必要はありません。まず「一問について自分なりの手掛かりを見つける」ことから始めるのが、長く数学を楽しむためのよい一歩です。
著者:天水健太郎(元行政職員・生涯学習コラムニスト)


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