TOEIC対策の英語学習アプリは、人気順位よりも現在のスコアと苦手分野に合うものを選ぶことが、スコアアップへの近道です。
単語だけを強化したい人と、Part7の長文読解に悩んでいる人では、選ぶべきアプリは違います。2026年9月時点では、AIによる弱点分析から総合演習、公式教材、無料の単語学習まで選択肢が広がっています。
TOEIC対策に英語学習アプリを使うメリットとは?
TOEIC対策アプリの大きな利点は、参考書を開くほどの時間がなくても、スマートフォンがあれば短時間から勉強を始められることです。
日本で広く受験されているTOEIC L&Rは、リスニング100問とリーディング100問で構成されています。そのため、単語を暗記するだけではなく、聞き取り、文法、速読、長文読解まで幅広い力が求められます。
従来は、単語帳、文法問題集、模擬試験、リスニング教材と何冊も持ち歩く必要がありました。しかし現在の英語学習アプリには、それらを一つにまとめた総合型も増えています。
音声機能を備えたアプリなら、机に座って勉強するときだけでなく、通勤中や家事の合間にもリスニングを続けられます。
さらに近年目立つのが、AIを使った学習支援です。たとえば「abceed」や「Santaアルク」のように、学習履歴や解答結果から現在の実力や弱点を分析し、次に取り組む問題を提案するタイプがあります。
これは中高年になってから学び直す方にも相性のよい仕組みだと私は感じます。
若いころの勉強のように「とにかく何時間も机に向かう」という方法ではなく、必要なところを見つけ、短い時間を積み重ねるという学び方がしやすくなるからです。
一方で、便利だからといって、アプリを入れただけでスコアが上がるわけではありません。
TOEIC学習では、「何を使うか」以上に「自分は何ができていないのか」を知ることが重要です。ここを曖昧にしたまま人気アプリを渡り歩くと、学習時間だけが増えてしまうことがあります。
英語学習アプリをTOEIC対策で選ぶ3つのポイント
TOEIC向けの英語学習アプリを選ぶときは、まずランキングを見るのではなく、対策したい内容・目標スコア・料金の3点から絞り込むと分かりやすくなります。
1.単語・文法・リスニングなど苦手分野から選ぶ
語彙力に不安がある場合は、最初から総合型アプリを使いこなそうとするより、英単語に重点を置いたアプリから始める方法があります。
TOEICでは、日常会話だけでは接する機会の少ないビジネス関連の語彙も登場します。
英単語学習では「mikan」「TANZAM」「英単語モチタン」など、繰り返し学習をしやすいアプリがあります。
元資料で紹介されている「究極英単語」のように、習得状況に応じてクイズ式、選択式、記述式などを使い分けられるものもあります。
大切なのは、単語を一度見て「覚えたつもり」になるのではなく、忘れかけたころにもう一度出会うことです。
記憶は、弓道の基本動作にも似ています。頭で理解しただけでは定着せず、間を置きながら何度も確かめることで、少しずつ自然なものになっていきます。
文法が弱いなら、Part5対策を重視するとよいでしょう。
元資料では「英文法640問2 英語TOEIC®テストPart5対策」が紹介されており、本試験と同じ4択形式で文法問題に取り組めるとされています。
Part5は短い文章なので簡単に見えますが、品詞、時制、前置詞、接続詞などの基礎が曖昧なままでは、選択肢を見ても判断できません。
特に600点前後を目指している段階では、難しい長文ばかりに取り組むより、こうした基礎問題の取りこぼしを減らすほうが効果的な場合があります。
総合的な学習をしたい場合は、リスニングとリーディングを両方扱うアプリが候補です。
「スタディサプリENGLISH TOEIC L&Rテスト対策」は、リスニングのPart1~Part4、リーディングのPart5~Part7に加え、単語や文法も学習できる総合型として紹介されています。
また、苦手なパートが明確なら、「Listening for the TOEIC Test」のようなリスニング向け教材や、Part6に特化した問題演習を組み合わせる考え方もあります。
一つのアプリですべてを行う必要はありません。
単語は単語アプリ、模試は公式系教材というように役割を分けたほうが、かえって使いやすい人もいます。
2.現在の実力と目標スコアに合わせる
TOEIC対策で意外に見落とされやすいのが、「目標点だけでなく現在地を見る」という考え方です。
たとえば900点を目標にしているからといって、現在400点台の人が最初から900点向けの難問ばかり解いても、効率のよい学習にはなりにくいでしょう。
元資料では、おおまかな目安として次のような区分が示されています。
- 595点以下:基礎力を固めたい段階
- 600~700点:長文理解も含め、実用的な英語力を伸ばす段階
- 700~895点:細かな内容まで理解する力を高める段階
- 900点以上:複雑な英文にも対応する非常に高いレベル
もちろん、TOEICの点数だけで英語力のすべてが決まるわけではありません。
しかし学習計画を立てるための物差しとしては便利です。
初めて受験する方なら、600点前後を一つの目標として基礎語彙や文法から積み上げる方法があります。
一方、すでに700点前後ある方であれば、Part7の時間不足やリスニングの取りこぼしなど、より具体的な弱点への対策が必要になります。
ここで役立つのがレベルチェックです。
元資料では、Weblio語彙力診断テストは約2分半・25問、Z会のTOEIC L&R無料レベルチェックテストは約20分、オンラインTOEIC模試「e-test」は約30分で診断できると紹介されています。
「TOEIC L&R TEST 弱点診断」は約12分・25問で、600点を目指す人向けと900点以上を目指す人向けの区分があります。
最初から長時間の模擬試験を受けるのが負担なら、こうした短時間診断から始めてもよいでしょう。
3.無料か有料かを学習期間から考える
TOEICアプリには無料で使えるものもあれば、月額料金や期間ごとの料金が必要なものもあります。
無料アプリは、まず勉強を始めてみたい人に向いています。
たとえば「はじめてのTOEIC問題集」は、元資料によると全2,366問を収録し、すべての問題を無料で利用できるアプリとして紹介されています。
リスニング、リーディング、目標スコア別の英単語問題まで用意されているため、初めてアプリ学習を試す入口として考えやすいでしょう。
一方、有料アプリは、動画講義やAI分析、学習履歴管理、豊富な問題演習などを一つにまとめたい人に向いています。
ただし、機能が多ければ自動的に良いわけではありません。
月額料金を払っていても、毎日単語問題を5問しか使わないのであれば、無料の単語アプリで十分な可能性もあります。
私は、料金だけで「高い・安い」を判断するより、3か月使うなら何を何回利用するかを考えてみることをおすすめします。
なお、アプリの料金、無料体験期間、サービス内容は変更される可能性があります。利用前には各サービスの公式情報で最新条件を確認してください。
TOEIC対策におすすめの英語学習アプリは?
2026年9月7日に更新された比較資料では、TOEIC対策アプリ34種類が掲載され、人気順の上位には「abceed」「booco」「ターゲットの友」「TOEIC公式コンテンツ by IIBC」「スタディサプリENGLISH」などが挙げられています。
ただし、この順位はTOEICスコアの上昇量を直接比較したものではなく、クリック数、検索トレンド、外部ランキングなどを参照して独自に順位付けされたものです。
したがって、順位だけで決めるのではなく、用途別に見ることが重要です。
アプリ・サービス 主な特徴 向いている人
abceed AI出題、学習履歴、スコア予測 自分の弱点を分析しながら進めたい人
スタディサプリENGLISH TOEIC対策 Part1~7、単語、文法、動画講義 一つのサービスで総合的に勉強したい人
Santaアルク AIによる予測スコア・弱点分析、問題演習 現在地を確認しながら効率化したい人
TOEIC公式コンテンツ by IIBC TOEIC公式の学習コンテンツ 公式情報に触れながら勉強したい人
TOEIC公式教材系アプリ 公式教材の音声や採点機能 紙の公式教材も併用する人
mikan 英単語を中心とした反復学習 語彙不足を補いたい人
はじめてのTOEIC問題集 2,366問題、無料で利用可能 費用を抑えて始めたい初心者
TANZAM イメージと例文を使った単語学習 単語暗記が苦手な人
abceedはAIで弱点を把握したい人向き
Globeeの「abceed」は、比較資料の2026年9月版で1位に掲載されています。
20,000を超える教材のなかから学習者に合う問題をAIが提示し、過去に間違えた問題の復習も支援する仕組みが特徴です。
全ユーザーの学習データをもとにTOEICスコアを予測する機能もあるとされています。
自分で「今日は何を勉強しよう」と毎回決めるのが負担になる人には、このような提案型の仕組みが便利でしょう。
一方、自分で教材や順序を細かく決めたい方には、AIのおすすめが必須とは限りません。
スタディサプリENGLISHは一通り学びたい人向き
スタディサプリENGLISHのTOEIC対策は、単語や文法だけでなく、リスニング、リーディング、問題演習、動画講義まで幅広く学べる点が特徴です。
別の2026年8月の比較資料では、TOEIC対策コースについて、短時間の学習コンテンツや多数の解説動画が用意されていると紹介されています。
「文法はこの参考書、リスニングは別教材、Part7はまた別の問題集」と教材が増えると、勉強を始めるまでに迷ってしまうことがあります。
その点、学習場所を一つにまとめたい方には総合型アプリの利点があります。
Santaアルクは予測スコアを見ながら学びたい人向き
「TOEICテスト対策 AI学習のSantaアルク」は、AIが予測スコアや弱点を分析し、学習内容を提案するタイプのアプリです。
2026年8月の資料では約5,000問が収録され、短時間でも学習を進めやすいサービスとして紹介されています。
点数の変化が画面で見えることは、学習を続ける励みにもなります。
ただしAIによる予測値は、本試験で取得する公式スコアそのものではありません。学習の方向を確認する一つの指標として扱うのが適切でしょう。
TOEIC公式コンテンツは公式の英語に触れたい人向き
国際ビジネスコミュニケーション協会による「TOEIC公式コンテンツ by IIBC」も、iOSやAndroidなどに対応するアプリとして紹介されています。
60本以上の音声とテキストによるエピソードのほか、TOEIC Programに関する情報や日々のフレーズなどを確認できます。
また、ETSが開発したTOEIC公式教材をもとにしたアプリでは、公式教材の音声をダウンロードしたり、書籍利用者がマークシート機能で採点したりできるとされています。
本番に近い英語に慣れるという意味で、公式系教材には独自の価値があります。
mikanやTANZAMは単語を重点的に学びたい人向き
「mikan」は、大学受験、TOEIC、英検など幅広い試験に対応する英語学習アプリです。
学習履歴をもとに復習しやすい仕組みがあり、有料機能では学習履歴の可視化なども利用できます。
「TANZAM」は、単語をイメージや例文と結びつけて覚える形式が特徴です。
文字だけの単語帳を眺めても頭に入りにくい方は、画像や文脈を利用する学習法を試してみる価値があります。
TOEICスコアアップを狙うならアプリをどう使えばいい?
ここまでアプリを紹介してきましたが、私がより大切だと考えるのは、アプリを選ぶことより、使う順序を決めることです。
おすすめランキングを見て次々にアプリをインストールすると、最初の数日は新鮮でも、やがて「どれを開けばよいのか」が分からなくなります。
そこで、次の順番で考えると整理しやすくなります。
- 最初に短いレベルチェックを受ける
- 苦手分野を一つか二つに絞る
- 毎日使うアプリを原則一つ決める
- 単語など必要に応じて補助アプリを一つ加える
- 定期的に模試や診断で変化を確認する
たとえば、現在500点前後で単語と文法が弱い人なら、最初から難しいPart7を何問も解くより、語彙とPart5を中心に学ぶほうがよい場合があります。
一方、700点台でPart5は安定しているのに試験時間が足りない人なら、単語帳を最初からやり直すより、Part7の速読や時間配分に取り組むほうが課題に直接届きます。
800点台からさらに上を目指す段階では、単純な知識不足だけでなく、「聞き取れたつもり」「読めたつもり」の細かな誤認識を減らす必要があります。
このように、同じ「英語学習アプリ おすすめ TOEIC」という検索をしていても、実際に必要なものは人によってかなり違います。
ここに、アプリ選びの本質があります。
人気のアプリを探すのではなく、自分の点数を止めている原因を探す。
私はこの考え方を、TOEIC対策で最も大切にしたいと思います。
また、TOEIC L&Rは約2時間にわたり200問に取り組む試験です。
スマートフォンで3分、5分と勉強できるのは大きな強みですが、本番では長い時間、集中を保つ必要があります。
そのため、試験日が近づいたらアプリの短時間学習だけで終わらせず、まとまった問題数を続けて解く練習も加えたいところです。
アプリは「毎日の練習場」として非常に便利ですが、本番を想定した通し練習には、公式教材や模試も役立ちます。
考察:2026年のTOEICアプリ選びは「AI」より学習設計が重要
2026年の英語学習アプリを見ていると、AIによるスコア予測、弱点分析、問題推薦、自動カリキュラム作成といった機能が珍しくなくなってきました。
以前なら自分で問題集の目次を見ながら「今日は何を勉強するか」を決めていましたが、その一部をアプリが代わりに考えてくれる時代になっています。
これは忙しい社会人や、久しぶりに英語を学び直す中高年にとって大きな変化です。
何から手をつければよいか分からないという最初の壁を低くしてくれるからです。
ただし、筆者としては「AI搭載だから選ぶ」という順序には少し注意したいと考えています。
AIは学習を効率化する道具ですが、目的そのものではありません。
単語が不足している人なら、シンプルな単語アプリを毎日20分続けたほうが、豊富なAI機能を備えた総合アプリを週に一度だけ使うより有効かもしれません。
また、TOEICのために英語を学ぶ目的も人それぞれです。
就職、転職、昇進、大学での学習、海外との仕事、あるいは退職後の学び直しなど、目標によって必要な期間も学習の重みも変わります。
私は長年、学ぶ人を支える仕事に関わってきましたが、教材が不足して挫折する人より、「教材を増やしすぎて迷う人」を多く見てきました。
これは英語学習でも同じです。
アプリを五つ持つより、毎朝一つのアプリを10分開く習慣のほうが、長い目で見れば力になります。
特に大人の学び直しでは、若い人と同じ速度で進もうと焦る必要はありません。
単語がなかなか覚えられなくても、昨日より一つ多く分かれば十分です。毎日少しずつ触れることで、英語に対する抵抗感そのものが薄れていきます。
一方で、スコアアップという明確な期限がある場合には、のんびりしすぎるわけにもいきません。
そこでおすすめしたいのが、「診断→日常学習→確認」の小さな循環です。
最初に現在地を確認し、1~2か月ほど一つの課題に集中し、再び診断や模試で変化を見る。その結果から次の課題を決めます。
この循環ができれば、アプリのランキングが毎月変わっても、それほど振り回されなくなります。
自分が必要としている機能が分かっているからです。
今後はAIによる個別最適化がさらに進み、同じアプリを使っていても、人によって表示される問題や学習順序が大きく異なるようになると考えられます。
だからこそ、これからの英語学習では「一番人気の教材を選ぶ力」よりも、「自分の課題を言葉にできる力」のほうが重要になるのではないでしょうか。
まとめ
TOEIC対策におすすめの英語学習アプリを選ぶときは、ランキングだけで決めず、現在の実力、苦手分野、目標スコア、料金、継続しやすさを確認することが大切です。
総合的に学びたい場合はabceedやスタディサプリENGLISH、AIによる弱点分析を重視するならSantaアルク、公式の英語に触れたいならTOEIC公式系アプリ、語彙力を集中的に鍛えたいならmikanやTANZAMなどが候補になります。
初めてTOEICに取り組む方は、いきなり有料サービスをいくつも契約する必要はありません。
無料のレベルチェックや「はじめてのTOEIC問題集」などから始め、自分に不足している力を確認してから必要なアプリを選ぶ方法も十分現実的です。
英語の勉強は、短期間だけ力を込めるより、続けられる仕組みを作ることが大切です。
スマートフォンの中に教材を持ち歩ける時代だからこそ、便利さに振り回されず、自分の歩幅で一つずつ積み上げていきたいものです。
よくある質問
TOEIC対策は無料アプリだけでもできますか?
基礎的な単語、文法、リスニング、リーディングの学習は無料アプリでも可能です。
元資料で紹介されている「はじめてのTOEIC問題集」は全2,366問を無料で利用できるとされています。ただし、本番前には公式教材や模試なども利用し、長時間の試験形式に慣れておくと安心です。
TOEIC初心者はどのアプリから始めればよいですか?
まず短時間のレベルチェックを行い、現在の実力を確認することをおすすめします。
そのうえで、単語や文法が不足しているなら基礎学習型、何を勉強すべきか判断しにくいならAI診断型、全パートを一通り進めたいなら総合型というように選ぶと迷いにくくなります。
TOEICアプリは一つに絞ったほうがよいですか?
基本となるアプリは一つ決めたほうが学習習慣を作りやすいでしょう。
ただし、総合アプリに単語アプリを追加したり、日常学習はアプリ、本番練習は公式教材というように、目的を分けて2種類ほど併用する方法は合理的です。
執筆:天水健太郎(元行政職員・生涯学習コラムニスト)

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