渋沢栄一は、近代日本の経済の父として知られていますが、そのプライベートな人生も非常に興味深いものです。彼は正式な妻と多くの愛人を持ち、多くの子供をもうけたとされています。その正確な数は定かではなく、100人ともいわれることもあるほどです。
この記事では、渋沢栄一の家族構成と彼の子供たちの波乱に満ちた人生について詳しく掘り下げます。
先妻の千代との間には一男二女が成人します
渋沢栄一の従兄弟にあたる千代は、渋沢栄一が尊王攘夷の活動家から、幕臣となり、欧州に渡り、帰国後は明治政府に仕えるまで一貫して家庭を守ってきました。
栄一はしょっちゅう家を空けて活動していましたので大変だったでしょうね。一つ下の1841年ですがようやく事業が軌道に乗った頃1882年にコレラで亡くなってしまいます。
当時はコレラが大流行しています。２，3年おきに大流行を繰り返し、この年も万という人数の方が亡くなっています。せっかくやれやれと落ち着いたのに、残念なことでした。
夭折した子は除いて3人の子が育っています。
長女歌子
東京大学法学部長、男爵、枢密院議長となる穂積陳重に嫁ぎます。立派なものですね。四男三女に恵まれます。
二女琴子
後の大蔵次官、大蔵大臣、東京市長、子爵となった阪谷芳郎に嫁ぎます。
二男篤二
渋沢倉庫会長になりますが、事業家というよりは芸術家に近い存在で、一族の運営に不向きとされたため廃嫡となります。
しかし、廃嫡されても気にすることなく、自分の趣味に没頭していたようで、何をやらしても一流の腕を持っていたようです。
一説では新橋の芸者玉蝶との放蕩が原因とも言われています。この方面に関しては、渋沢栄一の血を受け継いだようです。
その長男である敬三が18歳で経営を引き継ぐことになります。敬三は戦争中には日銀総裁、戦後は大蔵大臣になります。
後妻の兼子との間には三男一女が成人します
兼子は本来は江戸の豪商伊藤八兵衛の娘になります。伊藤八兵衛が明治の初めに為替取引で没落したため、それまで婿を取って家業を助けていたのですが、夫を離縁して芸妓となっていました。
千代が亡くなり家のことを面倒をみるため栄一の家に出入りするようになって後妻に治まることになります。
偶然なのは、当時栄一が住んでいた家は、兼子の実家だったそうで、没落したため人手に渡したものということです。
兼子は後妻というよりも実業家としても腕がありそうで、後年、栄一と一緒に活動しておりますので、そんな経営手腕も買われて後妻になったのでしょう。
五男武之助
石川島飛行機製作所2代目の社長になります。
六男正雄
日本製鉄副社長、石川島飛行機製作所初代社長、石川島造船所専務となります。
五女愛子
後に渋沢倉庫会長、第一銀行頭取、龍門社理事長となった明石照男に嫁ぎます。
七男秀男
田園都市開発取締役、東京宝塚劇場会長、東宝取締役会長となります。
東京・飛鳥山公園の渋沢史料館では企画展「渋沢栄一から妻 千代への手紙 ～あらあら めてたく かしく～」（完全予約制）を開催していますね。栄一が千代に宛てた手紙30通を一挙公開とのことです。https://t.co/ufqyCkhk7u pic.twitter.com/pOQM1kLq3X
— 中野坂上的な (@sakauetekina) October 1, 2021
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愛人の大内くにとの間には二女が成人します
渋沢栄一が大蔵省に在職中に大阪に出かけその時の料理屋で仲居をしていた大内くにと愛人関係になります。大内くには既婚していて夫が鳥羽伏見の戦いで行方不明のため、生活のため料理屋で働いていたようです。
大内くには妊娠した後東京の渋沢邸で暮らしていたようです。千代は大変だったでしょうね。しかしお互いは仲が良かったようで、千代の娘の歌子とも買い物に出かけたりしています。
文子（ふみ）
渋沢家で育てられ、渋沢栄一の妻の千代の兄の子尾高二郎、いわば義理の甥ですね、に嫁ぎました。渋沢栄一から正式に認知されています。
尾高二郎は東洋生命社長、武州銀行頭取となるなど立派な生活を送っています。息子も4人生まれ、三人は学者、一人は尾高尚忠という作曲家になっています。
照子（てる）
この方も渋沢栄一から正式に認知されています。栄一の妻の千代の姉の子の大川平三郎に嫁いでいます。この大川平三郎は日本の製紙王と言われる実業家になります。
30【渋沢31歳、大阪で女中に出会う】大河で「妾 やるようだ？」史実系／妻·千代の許可を得て「妻妾同居」あり、同時期に子どもも 産んでいるようだ #青天を衝け #仁村紗和 #大内くに #吉沢亮 #渋沢栄一 pic.twitter.com/jR0Nt0EyBb
— わび＠さび (@think_literacy) October 10, 2021
その他4名が渋沢栄一の子供として記録に残っています
その他4名の方が判明していますが、母親は誰でどのようないきさつかはわかっておりません。それまでのうわさではこんなものではないと言われていますが。
星野辰雄
この方の母親は不明ですが、正式に認知されています。東京印刷社長の星野錫の養子となっています。後に立教大学の教授として商法を担当していたようです。辰雄は千代の遠縁にあたる娘万亀を妻に娶っています。
星野つる
この方も母親は不明ですし、認知はされていませんが、同じように星野錫の養子になっています。安本明治郎の妻となっています。
星野まつ
この方も母親不明ですし、認知もされていませんが、星野錫の養子になっています。昭和銀行頭取になる川崎甲子男の妻となっています。どうもこの三人は同じ母親ではないかと推測されています。
長谷川重三郎
渋沢栄一がなんと68歳の時に生まれたといわれています。母親は不明ですが、栄一には正式に認知されたようです。後に第一銀行頭取にまでなっています。
お妾さん多数だしなあ。
しかも、子供達は、嫡流だけで「渋沢同族会」を組んで庶流は除外しているらしい。
庶流に長谷川重三郎第一銀行頭取とか、庶流の孫に尾高朝雄のような大学者がいるのも凄いが。 pic.twitter.com/UB5ny60vT9
— Mtodo fully pfizered! 酒のつまみに年中「おせち料理」を (@Mtodo) July 29, 2021
渋沢栄一の子供の数は何人いたのかのまとめ
結局調べたところ、正妻、後妻で7名、愛人で6名の13名が判明しましたが、うわさとしてはこんなものではないとの指摘もあるようです。
しかしながら、こうして13名を見ていきますと、皆さん立派な経歴を持ったり、立派なところに嫁いだりと、まさに、渋沢栄一の顔の広さと、事業の広さが幸いしたようです。
しかし、渋沢栄一の子として実はもう一人おりました。渋沢栄一の養子となっていた、妻千代の弟です。栄一が欧州に出かけるときに、後継ぎがいなくなるといけないということで養子に立てたものです。
麗しい丈夫でしたが、戊辰戦争の時、幕府方について、反応戦争ので敗れて自決したと言われています。残念なことです。
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