映画「ブレイブ 群青戦記」は西野蒼(新田真剣祐:あらたまっけんゆう)、瀬野遥(山崎紘菜:やまざきひろな)の弓道や徳川家康(三浦春馬)、織田信長(松山ケンイチ)の演技も見どころの映画で2021年3月に公開されました。
この映画は笠原真樹「群青戦記」を原作としたものですが、映画と漫画との違いを説明します。それを踏まえながらこの映画の見どころをご紹介したいと思います。
「ブレイブ 群青戦記」の原作と映画の大きな違い
映画「ブレイブ 群青戦記」では高校生アスリートは1560年桶狭間の戦いの前にタイムスリップすることになります。
原作ではそれより20年ほど後の1580年の安土城が見える山中にタイムスリップします。
原作ではすでに織田信長の勢力範囲がかなり広がった段階になっています。すなわち、武田信玄はすでになく、長篠の戦も終わって武田勢は勢力が衰えてきております。
浅井・朝倉も滅んでしまっています。織田信長は畿内に進出している段階となっています。すでに安土城がそびえているのですから、織田信長の絶頂期となっています。
徳川家康も織田信長の勢力の一部として働いているわけです。
ところが映画の方は桶狭間の戦いの前ですから、まだ織田信長も尾張一国を治めるのがやっとというところです。
これから最大の脅威である今川義元が尾張に進軍してくるところです。徳川家康もまだ今川義元の傘下になっています。
まだ織田信長の天下統一には当面の今川義元を倒し、美濃の斎藤竜興を攻めて、さらに、浅井・朝倉、畿内の松永久秀、そして甲斐の武田信玄ですからこれからが大変なのです。
ここらまで20年かけてやってやっと原作に並ぶことになります。
ㅤ #新田真剣佑
#山崎紘菜 #鈴木伸之
╰ #渡邊圭祐 #三浦春馬 #松山ケンイチ
.◦°╰✨豪華キャスト✨
✨総 出 演✨#本広克行 監督により
《空前絶後のエンタメ超大作》が誕生しました💥#ブレイブ群青戦記 #3月12日公開 pic.twitter.com/6ywUZ4MlQH— 映画「ブレイブ -群青戦記-」 (@brave_gunjo) February 13, 2021
「ブレイブ 群青戦記」の映画のストーリーの展開は
タイムスリップの場所も愛知県の鳴海ぐらいですから、どうも学校もこの地域にあったことにする必要があるでしょう。
タイムスリップした先は織田軍と徳川軍の間のようです。織田信長(松山ケンイチ)にかなりの人数の生徒が連れ去られるところは、原作で羽柴秀吉に連れ去られるとこととよく似ているでしょう。
ヒロインの瀬野遥(山崎紘菜)も連れ去られる組です。
主人公、西野蒼(新田真剣祐)は徳川家康(三浦春馬)の協力を得て、生徒たちを救い出す戦いに出かけていきます。
となると、攻め込むのは、丸根砦になります。ここで高校生アスリートと戦国武将の戦いが始まることとなります。
そして、この奪還戦を通じて、徳川家康の傘下に入っていくのが自然かと思います。
時代設定が1560年ですと、武田氏が滅んで本能寺の辺が起こるまで原作と映画では22年もあることになります。
この間を22年間高校生アスリートが生き延びていくのは、無理があるので全く別物と考えたほうが自然です。
原作はそこら辺のところを1580年から2年間で集約しましたので、何とか高校生らしさが残ります。今回もそれほど長くない時点で現代に移るでしょう。
大体、タイムスリップ物はタイムスリップ先で長い間活動していると、歴史とのかかわりが難しくなってくるので、早めに切り上げて、元居た世界に戻すのです。
その方が説明がしやすいのです。それでも原作は2年も費やしてしましました。
残念なことに桶狭間の戦いはまだ戦国のはじめですから、あまり有名な事件は起こっておりません。
史実では、桶狭間の戦いで敗れた今川方についていた徳川家康は一時窮地に陥ります。
そこでなくなったことにすればよいのですが、あまりにマイナーな事件ですので、あまり賛同を得られないでしょう。
もっとも、桶狭間の戦いの後、清州城に攻め入り、人質を解放して鳴海まで戻ってきたところで、高校生は21世紀に戻ってめでたしめでたしという筋書きも考えられるのです。
でもそれでは、西野蒼が徳川家康の意志を受け継ぐという大事な場面がうまく設定できません。
でも、映画という限られた時間の中で説明をするなら、これが一番自然でしょう。
しかもまだ鉄砲が本格的に導入されていませんから、西野蒼、瀬野遥の弓道も活躍の余地があります。
それ以上時代を引っ張っていくと、徳川家康のその後の活動を見て行っても、あまり華々しい事件が10年間は起こっていないのです。
そもそも、戦国時代でみんなが知っているのは、桶狭間の戦い1560年、川中島の合戦1553年から1564年、本能寺の変1582年、山崎の合戦1582年、関ヶ原の合戦1600年、大坂夏の陣1615年ぐらいです。
「ブレイブ 群青戦記」のキャラクターについて
原作の「群青戦記」ではキャラクター設定がすごく面白くできていましたので、少し紹介しておきます。
織田信長(松山ケンイチ)
織田信長は史実よりも魔王のような存在です。とても武術も強くとても常人では太刀打ちできません。
徳川家康(三浦春馬)
とてもおおらかな人間性あふれる武将として描かれております。三浦春馬さんのキャラクターによく合うのではないでしょうか。
豊臣秀吉
この映画に出てくるかどうかわかりません。まだ桶狭間の戦いの頃は駆け出しですので。
原作の方は我々が想像しているようなキャラクターではなく、とても理知的で、物事を深く洞察する人物に描かれています。
原作で日本史の教科書を読んでしまい、その歴史の展開に興味を持つこととなっています。武術もとても強く描かれています。桶狭間の戦いの頃は木下藤吉郎として出てくるかもしれません。
明智光秀
時代設定から行くとこの映画に出てくるかどうかは甚だ怪しいのですが、原作の方では織田家を乗っ取る老獪な性格で描かれています。
先にタイムスリップした不破瑠依(渡邊圭祐)に操られていきます。そういえば、明智光秀を操るのは時代設定には難しいので、誰を操るのかも楽しみかもしれません。案外今川義元だったりして。
「ブレイブ 群青戦記」の原作と映画の違いのまとめ
「ブレイブ 群青戦記」の原作「群青戦記」を読んで、上映される映画のストーリーを想像してみました。
原作とは20年の開きがある難しい時代にタイムスリップしたため、ストーリーも相当変わって全く別物になるかもしれません。そんなことを想像しながら作品を見てください。
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