弓道、弓道部に向いてる人、向いていない人はどこが違うのか?

弓道の練習方法

弓道を始めたばかりの人から良く聞かれます。「私は弓道に向いているんでしょうか。それとも向いていないんでしょうか。」から、「弓道、弓道部に向いてる人はどんな人?」、「弓道に向いている人はどこが違う?」、「弓道部に入ったけどやっていけるでしょうか。」などです。

効率重視の発想から、無駄をしたくない気持ちはわかりますが、時間、コストとパフォーマンスが気になる人が多いのでしょう。「半年練習したけど、まだ、的に中らない。向いていないのではないか。」などです。

年齢を気にされる方も多いようです。これまで多くの初心者に接した体験から、弓道を行うことについて、向いている、向いていないということ、必要な能力は何なのかを検討してみました。

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弓道、弓道部に向いている人を考えるまえに、必要な要素は何がある

弓道に限らず検討すべき要素を身体的要素として考えると、次のものが挙げられます。

体力(腕力、脚力)、持久力、巧緻性(細かい作業を行う能力)、運動神経(素早く反応する能力)、視力(動体視力を含む)、姿勢制御の能力

精神的な要素としては、次のものでしょう。

忍耐心(我慢する能力)、向上心、探求心(知らないことを探る能力)、克己心(自分の甘えを自制する能力)、調和力(他人と仲良くなれる能力)、コミュニケーション力

知識的な要素として、記憶力、判断力ぐらいでしょうか。

私は40歳前後で始めて20年以上の弓道の経験がありますが、本当に必要な能力は次の3つかなと思っています。

まずは忍耐心です

我慢強いことが必要です。通常、教室へ入って徒手練習(型だけで練習する。エアーと言ったほうがわかり易いですかね。)、巻藁練習、的前練習まで半年もかからずに終わってしまいます。

でもこれは無理があるのです。それでもこのつまみ食いをしているのは、このぐらい早く進まないと、「何だ、つまらない。」と言ってやめてしまうからです。

したがって、教室をおわっても、もう一度最初からやり直さないとものになりません。

楽しむようになるためには、昇段試験を受ける必要が出てきて、最低半年はかかります。

これも弓を引くだけではなく、歩き方とか座り方、矢の番え方までいろいろなルーティンが決まっていますから、これらをすらすらできないようでは次に進めないのです。

私の友達もこの動作をうるさく言われるのが嫌でやめてしまいました。しかも動かない的に対して同じ動作を繰り返すだけですから、飽きっぽい人には向かないかもしれません。

よく高校生の質問で「弓返りしなくて困っています。」という質問があります。私の経験から言えば、3年ぐらいで弓返りすること自体が稀なのです。

また「的に中らない。」という質問もあります。

1年、2年ではそんなこと考えられないし、特別な人が考えることだと思っています。こんなことから、結果を焦る人には向かないことがわかります。

ほかのスポーツで考えればわかるのだと思うのですが、スキーだってスケートだって、水泳だって金づちから始めればそれなりの時間がかかるのですが、なぜか弓道はすぐ的に中ると思ってしまうのです。

次に必要なものは向上心と探求心です。

弓道の練習はコーチが付いているところは学校などの特殊な環境です。社会人については常設の指導者がついていないのが普通です。

初心者の方でも、積極的に直してもらえることが少ないのです。自分で上達の方法を探っていくことが重要なのです。

必要に応じては、本を読んで考えることもだんだん出てきます。そのぐらいの探求心がなければ向上は望めません。

最後に必要なことは人のアドバイスを素直に受け止めることです。

上記の向上心と探求心についての裏側ですが、基本的に人からアドバイスを受けることは期待できないのです。

その意味で、人からアドバイスを受けたら素直に聞くことが必要です。それを絶対的に受け入れるという意味ではありません。

いくら自分の方が社会的地位、教育レベルが高いと思っても一旦は素直に聞くことが必要です。その段階で拒否すると誰も何も言ってくれません。

本当に自分に合っているかどうかは、後から判断すればよいのです。

私が考えるのは以上の3つです。えっこれだけなのと思うかもしれませんが、本当にそうです。

多くの方は力が強くとか運動神経がとか思われるでしょうが、あるに越したことはないですが、次に述べたいと思います。

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弓道、弓道部に向いている人の運動系・身体系の能力について

正直言って運動系の能力、身体能力はあるには越したことはないのですが、決め手にはならないと考えます。

昔のように何百本と矢数をかける練習をするなら別ですが、一日数十本の練習では体力云々は問題にならないでしょう。

力に至っては、戦前のように20㎏の弓しかないのと違い、10㎏の弓でも当たり前に通用する時代です。高々28m先の的に中てるだけならこれで十分です。

60mの遠的では不利になることもありますし、風の影響も受けますが、60m遠的は主流ではなくなっています。今では遠的は1年に数回やるかやらないかです。主流の28m的ではほとんど影響ないはずです。

巧緻性も運動神経もほとんど影響ないはずです。きわめて緩慢な動作で行うものですから、この手の能力も決め手にならないでしょう。

しいて、身体能力で必要と考えるのは、自分がどのような動作を行っているかを感じ取る力です。

自分がまっすぐ立っているか、傾いているか、重心の位置がどこにあるか、自分の体の状態に注意を行き届かせる感覚です。

後は姿勢を正しく保つ体幹の能力ですが、これも練習していくと自然に体についてくるのがこの競技の良いところです。

最後は視力です。これも良いに越したことはないという程度です。現在私の視力は0.7ですが、60mの遠的を行う際にはやはり見えたほうが良いかなと思います。

なぜなら、60m先だと的に中ったかどうかの判断が付かないので、あまり楽しくないのと外れたときの修正がしにくいということです。

これも主流の28m的ではほとんど不都合がありません。

かって私の先生はやはり視力が私と同じぐらいでしたが、立派に国体でも何度も優勝し、教士七段まで昇段されていました。

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弓道、弓道部に向いていない人とは、どういう人だろうか

ここまで説明すればわかると思いますが、逆に弓道に向かない人を考えればわかると思います。

結果を早く求めすぎる人。飽きやすい人。

弓道の練習は一つ一つの修正に時間がかかることが多いのです。センスの良い人は早いかもしれませんが、大抵は一つの修正に月単位の時間がかかります。

このペースに付き合えない人は難しいかなと考えてしまいます。

万事人任せの人。

学校のコーチのように実際に人が手取足取り面倒をみてくれるわけではありません。したがって自分の練習も自分でチェックしながら行う態度と探求心、向上心が必要なのです。

これがないと、単に遊びで弓を引いているのと変わりがありません。それでも老後の健康管理と考えれば無駄ではありませんが。

人のアドバイスを素直に聞けない人

決まった講習会、教室以外では人からアドバイスを受けることは稀です。講習会、教室でも言われたことは素直に受け止めることが必要です。

社会的地位がある入門者の方の中には人の言うことを聞こうとしない方がいらっしゃいます。

こういう方にはだんだん人が遠のいてしまいますので、ますます上達から遠ざかることになります。

アドバイスを受け入れるか受け入れないは、しばらく後で考えればよいことです。

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弓道、弓道部に向いてる人、向いていない人はどこが違うのかのまとめ

弓道について向いている、向いていない人の傾向を述べてきましたが、やはり冷静に考えても、身体的能力はほとんどないことがわかります。

身体は強いほうが良いとは思いますし、運動神経も良いに越したことはないでしょう。しかしながら、それが決定的に有利な状況ではないところがこの競技の面白いところです。

むしろ、メンタルな心の持ちよう、普段からの取り組みの姿勢の方が大きく影響することがわかると思います。これから弓道を始めてみたいと思う方への参考になれば幸いです。

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