第13代将軍徳川家定(いえさだ)はうつけとか言われたり、天璋院篤姫の旦那としか知られていません。
大河ドラマ「青天を衝け」で渡辺大知さんが演じていますが、本当はどんな人だったのでしょうか。
徳川家定はちょうどペリー来航の1953年に将軍となって僅か5年で亡くなってしまった人です。これほど影が薄い人でしたがその実像を探ります。
徳川家定はうつけとか篤姫しか知られていないが13代将軍の生涯
文政7年(1824年)第12代将軍家慶の4男として江戸城で生まれる。
天保12年(1841年)大御所家斉の死後第12代将軍家慶の世嗣となる。
嘉永6年(1853年)第12代将軍家慶の病死に伴い第13代将軍となる。
徳川家定役の渡辺大知さん、失礼ながら存じ上げなかったのだけど、めちゃめちゃ演技うまかったな〜!!話し方だけでなく表情の細かな動きで家定の性格や特徴を表現しててすごかった。
調べたら本業ミュージシャンなの!?すごー!👏
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嘉永7年(1854年)日米和親条約に調印。
安政3年(1856年)篤姫が正室として輿入れ。
1857年ごろから慶喜を推す一橋派と後の家茂を推す南紀派の対立が激化。
安政5年(1858年)後継として家茂に決まり、一橋派の処分を決めたのち死去。
徳川家定はうつけとか篤姫しか知られていないが13代将軍の逸話
元来が病弱の家系で、父家慶は13男14女をもうけたが、成人まで育ったのは家定一人と言われています。しかも、本人も病弱で人前に出ることはめったになかったとのことです。
たった一人残った世継ぎですから、周りだって気を使って外には出したくなかったと思います。
一説には脳性麻痺の症状が顕れているともいわれています。こういう感じであるとなかなか人前には出られないでしょうね。
結果として、第12代将軍家慶の後継者になってしまいますが、本人も大変だったと思います。
たった一人の生き残りですし。そのくせ自分が病弱でその任に当たるのも大変だと思っていたことでしょう。
しかも、この時、父親の家慶もどちらかといえば家定には期待していなかったようです。
むしろ水戸藩の徳川斉昭の息子の慶喜(後の第15代将軍)の方に目が向いていていたようで。相手の慶喜が家康公の再来などと持ち上げられていれば、あまりいい気がしませんよね。
しかもその相手が13歳も年下ですから、普通の人でも面白くないと思います。
こんなことも彼が最終的に、自分の後継を紀州藩主の家茂に決めたことの一因にもなったのかもしれません。
筋としてはお爺さんの家斉の血を引いているので、血の濃さで家茂をとったといえば、このほうが正論と言えるかもしれませんが。
大河ドラマでは渡辺さん演じる徳川家定の慶喜との確執があるかのように描かれると思われますが、どのように描かれるかも興味の一つです。
徳川家定の父と慶喜へのコンプレックスが止まらない#青天を衝け pic.twitter.com/q6GM8zQB02
— アラライ (@ararai_ararai) April 4, 2021
家定が第13代将軍になったのは黒船騒動の真っただ中です。
それまで、幕府の財政はガタが来ていたともいわれていますが、まだまだ、幕府内部も外も、それほど大変だという意識はなかったかもしれません。
取り巻きがしっかり支えてれば大丈夫だという認識が大勢だったことでしょう。
そういう意味では、何もなければ順調にいったわけですが、将軍職についてみれば中身はガタガタ。
しかも、自分の体の悪いことから生じた後継者問題で毎日もめているようでは、心労もたまるわけです。やはり気の毒というしかなかったでしょう。
また、正室の方も篤姫の先の二人とも早世してしまいます。必ずしも仲が良かったかどうかはわかりませんが、ますます嫌になるだろうと思います。
篤姫の方とは不仲説もなかったようですので、最後の2年弱ですが何とか安らぎが得られたとすれば、それでよかったと考えるほかはありません。
徳川家定はうつけとか篤姫しか知られていないが13代将軍の実像のまとめ
第13代将軍徳川家定についてその生涯と逸話について調べてみました。
こうしてみると、本人にも何の責任もなく、将軍に仕立てられて、心労の末亡くなった悲劇の将軍と考えられます。
後世の歴史から言えばとても評価が低くて気の毒ですが、本人に悪いところもなく一生懸命やってきたのだと思います。
考えてみれば、お爺さんの第11代徳川家斉、第12代徳川家慶と、子供がまともに育たないところに、徳川幕府の生末が顕れているような気がします。
それでも平時であればなんとかなるのですが、幕府内も外も気がつかないうちに大変な時代に突き進んでいるのです。こんなことを考えながらドラマを見るのもよろしいかと思います。
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