皆さんの弓道場は現在も開いていますか。今まで通り練習ができるのであればそれで結構です。私の通っている道場はコロナの緊急事態宣言をうけて、アッという間に閉鎖してしまいました。そうなると困るのがどのように練習したらよいかということです。昨年の経験もあるのでびっくりはしませんが、改めて弓道場を使わない練習方法をまとめてみました。また再開したとき、ある程度準備をしていないと体がおっくうになり、最後にやめてしまうことにもなります。そんなことにならないよう準備をしておきましょう。
弓道の練習のための基礎的な体のトレーニング
本来は、練習場があろうとなかろうと、毎日鍛えておくのが筋でしょうが、ある程度のトレーニングをして体を練習できる状態にしておくことが必要です。そのための方法を提供します。
プランク
私がおススメするトレーニングはプランクです。やり方については、あちこちで紹介されているので詳細は省きますが。簡単に言えば腕立て伏せの格好をして、手のひらではなくて肘から下腕全体で体を支えます。腕は前方向に伸ばしておきます。手のひらは床側にセットします。この格好で、3分程度体を保持しておきます。
これは、体のインナーマッスル,体幹を鍛える運動ですので、まさに弓道にぴったりの運動です。また、腕力の強化にも効果があります。
こんなものと思うかもしれませんが、初めての方はやり始めると、30秒ぐらいから腹筋が震えてくるのがわかります。こういう方は無理をされずに最初の1週間は1分、毎週30秒ずつ増やしていって、3分程度になるまで伸ばしてください。あとはお好きなように5分ぐらいまで伸ばしても良いし。ネットで紹介されているように様々なバリエーションを加えても良いでしょう。体幹が鍛えられるので、自然と基礎代謝が上がるので、ダイエットにもお勧めです。
腕立て伏せ、スクワット
ここらも典型的なトレーニングメニューですが、上のプランクで十分かなと思っています。私は無理には取り入れていません。人によっては筋肉をつけると引きにくくなるということで、やらない人もいます。素引きで十分だという人もいます。
射法についてのトレーニング
弓道の練習をするのですから、やはり射法のトレーニングも入れたいですよね。次の四種類があります。
巻藁練習
巻藁があれば楽しく練習できるかと思います。冬の夕方とか早朝は外ではなかなかできませんが、休日の温かい時に午前30射、午後30射ほど練習することとしています。
巻藁練習も慣れてくればそれなりに味わいがあり、自分の引き方を注意しながら引くと、良い練習になります。
単なる体ならしでなく、的を気にせずに練習できる大切さがわかってくれば、身に付くようになります。私の知り合いの高段者も最初の頃の非常事態宣言のときにやればよかったといっていました。
素引き練習
巻藁がないなら素引きをしましょう。1日30回するだけでも体力、感覚の維持は図れます。
ゴム弓練習
家で素引きをするだけの天井の高さがないなどと言っている人。まだまだやらない理由は見つけられます。それなら、ゴム弓で練習したらいかがでしょう。これなら場所も取りませんので、やらない理由を見つけるのは難しいのではないでしょうか。
徒手練習
それでも嫌なら、徒手練習ですが、説明は不要でしょう。
体配とか足運びの練習
実は、射技・射法よりもこちらのほうが衰えが激しいと思っています。現実に、自分がやってみて、ビックリするくらいこの感覚が衰えています。といいますのは、新型コロナ感染症のおかげで、最近は講習会もありませんし、審査もありません。たまに練習すれば、時間も限られていることから、勢い立射でさっさと引いてしまうという日々です。
これでは全く体配の練習になりません。個人的には最初の一手は座射で行っているのですが、一人練習では限界があります。ますます、ずれてきているような気がします。
こういうことを自覚されている方は、立った姿勢から、半足引いて跪座となり、開き足をし、そのまま正座となり、基準の礼をして、跪座となり、逆開き足をし、そこから立つ。というようなことを10回ぐらいされたらいかがでしょうか。当然、息合いに合わせてです。また、手の動きも注意してください。これにより、足腰の訓練にもなるかと思います。
これは、昔、戦争中に小笠原の方が戦場に行った際にも立ったり座ったりの訓練を欠かさなかったと誰かが語っていたことを思い出しての提案です。
ある程度広い場所があれば弓をもって行う方法もありますよね。
実際に体幹、射法・射技、体配のトレーニングをやってみた結果
提案だけでは無責任ですし、現実的ではないので、私は試してみました。まず、プランクの3分は私にとってはそれほど苦痛ではありませんので、少しブランクがあっても難なくこなすことができました。少なくとも、運動を趣味としているなら、3分ぐらいはできるまでにしておきましょう。
次に、立った姿勢から、座り方、跪座、開き足、逆開き足、跪座、立ち方の練習ですが、これはなかなか良い練習だと思います。次の日に疲労が残るのなら、少し問題だと考えます。少なくとも10回ぐらいはこなせるようにしてみてください。
最後に素引きか巻藁の練習ですが、これも30回ぐらいはできればうれしいですね。いろいろなことを考えながら練習していれば、30回ぐらいは終わってしまいます。
最後にお勉強。弓道教本とか弓道の本を読んでみよう
最後に、大切なことはいかにモチベーションを維持させるかです。体幹トレーニングはたったの3分ですし、体配のトレーニングでも10分で終わるでしょう。さすがに巻藁トレーニングになると30本引くのに30分ぐらいはかかってしまいます。でも、これをどうやって続けていくかが問題なのです。そこでお勧めするのが、本を読むことです。
本と言っても手元になければ、弓道教本第1巻で良いですし。第2巻があればそれでも良いです。その他、弓道関係の本が何冊かあると思います。こういう本を一日に2,3頁でも読んでいくことで、射法・射技の練習でも気を付ける点がいくつかわかってきます。また、それにより次はこうしようという意欲も出てきます。したがって長く続けられるきっかけになるはずです。
弓道の練習で新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言中にすることのまとめ
緊急事態宣言中で弓道場が使えない場合の練習とモチベーションの維持について、考えられることを述べ、私が実践していることを書かせていただきました。
やり方は、その人の創意工夫によりますので、決してこの通りする必要はないと思います。でも一番大切なのはモチベーションの維持です。最後のパラグラフで本を読むことの大切さをお知らせしたつもりですが、それでもとっつきにくいと考える人がいるかもしれません。そのためにとっておきの方法をお知らせします。
確かに弓道教本は面白くないかもしれません。それなら、漫画の「弓道士魂」とか最近の「群青戦記」はいかがでしょうか。「ツルネ」もありましたね。また、読書では「冬の櫻」なんかがとても面白かったです。
また、ドラマ、映画では、最近では日テレで「君と世界が終わる日に」にいくつか関係場面が出てきますし。本年3月に公開予定の「ブレイブ 群青戦記」も面白いかもしれません。
こういうものを通して、少しでも興味が続く方法を見つけてください。
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