弓道の初心者が知りたいこと、弓は引くものか開くものか

弓道の練習方法

弓道の初心者が習っていく段階で必ず陥る誤解がいくつかあります。今回は弓は引くものか開くものかについてです。よく「弓を引く」といいますし、実際、テレビ、映画でも弓を思い切り引いた画像が出ています。今日の弓道ではどのような考え方が良いのでしょうか。

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初心者が弓を引くとどうなるのか

初心者の方が、教室で習う場合に、普通は何も持たない徒手練習から始めて、ゴム弓による練習、弱い弓を使った素引きの練習を経て巻藁で練習するのが普通になっています。

徒手練習では何も抵抗がないため誰が見ていてもそれなりの形にもっていくことができますが、早ければゴム弓から、弱い弓を使っても、弓手(左手)を突っ張ったり、すぐに形が崩れてくることが多いのです。

初心者教室で抵抗のかかった状態でしっかり引けるまで練習しようとすれば、人によっては数週間かかってしまいます。

そんなことでは、数か月の教室で「何にも教えてくれなかった。」というネガティブな考えだけが残ってしまうので、教室ではできていてもできていなくても、最後は的前までもっていってしまうのが普通です。

しかも、テレビでも映画でもそれなりに教えているのでしょうが、時代劇に出てくる多くの俳優さんの弓を引くところは、いかにも「引いてる」という感じで、よくできていて、アーチェリーに近い形になっているのです。アーチェリーの人に叱られるかもしれませんが。

したがって、多くの初心者の方は弓道での弓の引き方がわからないのです。よく、「弓道をやっています。」というと「こうですか。」と言って多くの人がするスタイルです。

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弓道における弓の引き方とは

実際に弓道における弓の引き方で一番大切なのは、体の中心線がまっすぐ立っていることなのです。

この状態が維持できないまま引くことは、すべての点で台無しになってしまうのです。体の軸がねじれるようなら、すでにその弓はその人にとって強すぎるということになるのです。

教える方も体の軸をまっすぐに保つということを意識させていないので、つい引く方に関心が行ってしまうのです。

したがって、体の中心軸を意識して、弓をかなり高いところに打ち起こして、左右が均等になるように開いていくという感覚が大切になります。

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弓道における弓の引き方、開き方を行う理由は

これは、弓道の引き方の中で、体がその一部分になっていることが原因なのです。例えば銃になぞらえてみればわかるかもしれません。矢の先が銃の先端だとして、右手の位置は銃身の元のほうになります。この方向が狂っていれば当然当たりません。

しかも狙いは背骨の先端についた眼と左手にもった弓で決めますから。体の軸が曲がっていれば、その位置決めもできなくなってしまうのです。

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弓道の引き方は、どんな練習をすればよいのでしょうか

これは、徒手でも、ゴム弓でも、弱い弓を使っても同じなのですが、一番大切なのは体の線の垂直軸が動かないということです。

本当は鏡を見ながら、それぞれの段階で体の線が動かないように、弓を開くことを練習していって、最後に弓を使っても体の軸がぶれなくなったときに、矢を番えるようにすべきなのです。

でもこんなことを教室で教えたら、いつまでも素引きの段階で止まってしまいます。そしたら、皆辞めていってしまうので、仕方がなくどんどん先に進ませているのが通常なのです。

初心者の方で、上達したい方は、家でも結構ですので、鏡に映る自分の縦軸がぶれないようにゴム弓で、さらには弱い弓で、練習することが必要なのです。

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弓道の初心者が知りたいこと、弓は引くものか開くものかのまとめ

弓の引き方について解説してきました。やはり「弓を引く」という言葉に多くの人が引きずられているようです。全く弓道を知らない方が、弓道の格好をするのと同じように、右手でぐいと引く形になってしまうのです。

その昔、弓聖といわれた阿波研造範士がドイツ人のオイゲン・ヘリゲルを教えたとき、巻藁だけで1年を要したといわれています。そこまでとは言いませんが、一番大切な縦軸の線をしっかり保つことを念頭において、練習されることを強調する次第です。

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