弓道初心者が最初にすることは、自宅から通える公営弓道場の初心者教室を探し、募集時期・参加条件・費用を確認することです。
弓道は、大人になってからでも始められる習い事です。とりわけ東京をはじめ都市部では、区や市の体育施設にある弓道場で初心者向けの教室が開かれていることがあります。
ところが、弓道場は街なかで目立つ場所にあるとは限りません。「どこへ行けばよいのか」「初心者が突然問い合わせてもよいのか」「道具を全部買わなければならないのか」と戸惑う方も少なくないでしょう。
私自身も、弓道を始めるときにはなかなか一歩を踏み出せませんでした。そこでこの記事では、弓道初心者が教室を見つけて練習を始めるまでの流れを、実際に初心者教室から始め、その後も長く稽古を続けてきた経験を交えながら説明します。
弓道初心者が始めるには?まず初心者教室を探そう
弓道初心者には、市区町村などが運営する公営弓道場の初心者教室から始める方法が、もっとも取り組みやすい選択肢の一つです。
もう30年ぐらい前のことになりますが、私の場合は、新聞に挟んであった市の広報で「弓道教室」の案内を見かけたことが始まりでした。
実は、案内を見たからといって、すぐ申し込んだわけではありません。しばらく躊躇していました。
「自分のような初心者が行って大丈夫だろうか」
「武道の世界だから、何か厳しい決まりがあるのではないか」
そんなことを考えているうちに時間が過ぎ、最後は妻に後押しされてようやく出かけたのが実情です。
その後、引っ越しをして東京へ出たときも似たようなものでした。教室を見つけてから1か月ほどぐずぐずして、やはり妻の一押しで道場へ向かいました。
どちらも公営の施設でした。
今振り返れば、弓道を始めるときに一番高かったハードルは、弓を引くことではなく、最初に問い合わせることだったように思います。
弓道に興味を持っている大人の初心者の方には、まず次の順序で探すことをおすすめします。
- 自宅や勤務先の近くに弓道場があるか調べる
- 市区町村の広報や体育施設の案内を確認する
- 「初心者教室」「弓道教室」の募集があるか調べる
- 年齢、在住・在勤などの参加条件を確認する
- 費用、回数、必要な服装や持ち物を聞く
- 募集時期が過ぎていても、次回開催時期を問い合わせる
何も分からない状態で直接道場へ行くよりも、まず電話や公式案内で確認しておくと安心です。
弓道初心者教室はどこで開かれている?
弓道の練習場所は、市区町村などの公営体育施設の中に設けられた弓道場がかなり多くあります。
もちろん、個人や団体が所有する私設の弓道場もあります。しかし、これから弓道を習い事として始めたい初心者であれば、最初は公営施設を調べてみるとよいでしょう。
公営施設の弓道初心者教室の例
公営の弓道場では、春や秋などに初心者向けの弓道教室を開催する場合があります。
全く弓を引いた経験のない方であれば、こうした教室から入る方法が分かりやすいでしょう。
私が個人的にかかわっている岐阜市の例では、通常、4月~7月、9月~12月の年2回開催されていました。
通常は毎週1回で、10回程度を一区切りとして終了します。開催のおよそ1か月前になると、市の広報などで募集されていました。
東京の大田区の例では、5月開始で連続10回の講習が行われていました。こちらも、その1か月ほど前に区の広報で開催案内が出ていました。
このように、弓道初心者教室は一年中いつでも始められるとは限りません。
「弓道を始めよう」と思ったときには、春と秋を中心に自治体の広報を確認してみるとよいでしょう。
公営の場合、教室の費用は無料のところもあれば、10回で数千円程度という例もありました。
ただし、開催時期、回数、参加費、保険料、道具の貸し出し条件などは施設ごとに異なります。実際に申し込む際には、必ずその年度の募集要項を確認してください。
なお、2020年にはさまざまなイベントや教室が中止された時期がありました。そのような状況では、広報だけで判断せず、施設へ直接問い合わせる必要がありました。
弓道初心者教室の費用は高い?
「弓道は道具が多そうだから、お金がかかるのでは」と心配される方もいるでしょう。
しかし初心者教室の段階では、弓や矢などを道場側から借りられる場合があります。そのため、最初から弓具一式を購入しなければならないとは限りません。
私が見てきた公営教室では、教室そのものが無料だったり、10回で数千円程度だったりする例もありました。
一方で、現在の料金体系は自治体や施設によって違います。教室参加費だけでなく、施設使用料や保険料が別に必要なことも考えられますので、申し込み前に確認すると安心です。
初心者の段階では、「高価な道具をそろえてから始める」のではなく、まず教室に通って続けられそうか確かめるという順序で十分です。
東京で大人の弓道初心者教室を探すには?
東京で大人向けの弓道初心者教室を探すなら、区や市の体育施設、自治体広報、地域の弓道連盟、全日本弓道連盟の弓道場情報を順に確認するのが現実的です。
東京では区境や市境を越えれば、別の弓道場のほうが自宅から近いことも珍しくありません。
ただし、公営施設には独自の利用条件があります。距離だけで選ばず、「初心者を受け入れているか」「在住・在勤条件があるか」まで確認しましょう。
住んでいる地域の弓道教室の見つけ方
まず参考になるのが、公益財団法人全日本弓道連盟のホームページです。
都道府県の弓道連盟につながる情報を確認できますので、自分の地域ではどこで初心者教室を行っているのか分からない場合、問い合わせ先を探す手がかりになります。
また、全日本弓道連盟には全国の弓道場を調べるページもあります。
近所の弓道場を見つけ、その施設に初心者教室について聞いてみる方法が分かりやすいでしょう。
私も海外から日本へ帰国したときには、どこへ練習に行けばよいか分かりませんでした。
そこで半径10km以内にある施設へ片っ端から電話をかけ、道場の練習条件を聞いて回りました。
少々泥臭い方法ですが、弓道場はそれぞれ運営方法が違います。
ウェブサイトだけですべてが分からないときには、直接聞くことが結局はいちばん早い場合があります。
「弓道 大人 初心者 東京」で探すときの確認ポイント
東京で初心者教室を探す場合には、単に「弓道場があるか」だけでなく、次の点まで調べておくと無駄足を減らせます。
- 大人の初心者を募集しているか
- 教室の開催時期はいつか
- 在住・在勤・在学などの条件があるか
- 定員と申込方法
- 弓や矢を借りられるか
- 服装や持ち物は何が必要か
- 教室終了後も継続して指導を受けられるか
とりわけ大切なのが、最後の「教室終了後」です。
弓道は10回程度の講習ですべて身につくものではありません。その後も継続して指導を受けられる道場であれば、初心者にとって心強いでしょう。
公営弓道場には在住・在勤条件があることも
公営施設を探す際に必ず確認していただきたいのが、利用資格です。
施設によっては、その市区町村の在住者や在勤者でなければ初心者教室へ参加できない場合があります。
公営の施設で活動している以上、一定の利用条件が設けられるのは仕方のない面もあります。
特に東京では、自宅から最も近い弓道場が隣の区にある、ということも十分考えられます。
私自身、こうした条件を最初に知らされず、わざわざ話を聞きに行ってから対象外だと分かり、憤慨して帰った経験があります。
ですから、東京で弓道初心者教室を探す場合には、
「私は○○区在住ですが参加できますか」
と最初の電話で聞いてしまうのがよいでしょう。
ほんの一言ですが、これでずいぶん手間を省けます。
私設の弓道場と公営の初心者教室は何が違う?
私設の弓道場にも、それぞれ事情があります。
全くの初心者を受け入れないところもあれば、何らかの紹介が必要なところもあり、初心者教室を開催しているところもあります。
まさに千差万別です。
私の経験から申し上げれば、全くの初心者は、まず公営施設の初心者教室を検討し、その後に必要があれば私設道場を考えるという順序でも遅くありません。
私設の弓道場は、それぞれ独自の歴史や指導方針を持っています。そこが魅力でもありますが、初心者の段階では自分に合うかどうか判断しにくい面もあります。
実際には、公営道場などで練習を続けているうちに私設道場へ通う人と知り合い、紹介を経て入門するという形もあります。
一般には、入門費用や月会費も公営施設より高くなることがあります。
公営施設なら「自分には合わない」と思えば利用をやめる選択もしやすいのですが、私設道場では人間関係や所属意識がより強くなる場合もあります。
これは私設道場が良くないという意味ではありません。
むしろ、自分に合う先生や道場に出会えば、長年じっくり弓道を学ぶ素晴らしい環境になり得ます。
ただ、何も分からない初心者であれば、最初から所属先を決めるより、まず弓道そのものを体験するという考え方も大切だと私は思います。
弓道初心者教室は決まった時期しか入れない?
初心者教室は春・秋など決まった時期に募集する例が多い一方、道場によっては初心者を随時受け入れることもあります。
これは本当に千差万別です。
一応、全くの初心者であれば初心者教室からスタートするのが自然ですが、指導者に比較的余裕のある弓道場などでは、随時受け入れを可能としているところがあります。
私も東京に引っ越した後は、いわば飛び込みで弓道教室のお世話になったことが第一歩でした。
このあたりの事情は、ウェブサイトだけでは分からないことがあります。電話でもよいので、直接聞いてみることです。
経験者だから分かる初心者を途中で受け入れにくい理由
ここは、弓道を始める側から見るとなかなか分かりにくいところです。
多くの地域の弓道指導者は、専業で初心者を指導しているわけではありません。限られた時間のなかで指導に当たっているため、いつでも道場にいて新しい初心者へ個別対応できるとは限りません。
地方によっては、指導者の人数をそろえること自体に苦労しているところもあります。
さらに弓道は弓と矢を扱います。
初心者は射場でどのように動けばよいのか分からないため、安全面から考えても、経験者と全く同じように自由行動をさせるわけにはいきません。
複数の初心者を一斉に教える教室形式であれば、
「今日は全員で足踏み」
「次は胴造り」
「今日はゴム弓」
というように、同じ段階をそろえて指導できます。
そこへ一人だけ途中参加すると、その人だけ最初から別に教えなければならなくなります。
したがって、初心者を途中から受け入れてくれない道場があるのは、閉鎖的だからとは限りません。安全管理と指導体制の問題であることも多いのです。
この事情を知っているだけでも、問い合わせたときに断られて必要以上に落ち込まずに済むでしょう。
弓道教室に入る前によくある心配事
弓道教室へ申し込む前には、いろいろ心配になるものです。
特に大人になってから新しい習い事を始めると、「今さら自分にできるだろうか」と考えてしまいます。
ここでは、初心者からよく出る疑問を順に見ていきます。
本当に年齢に関係なく受け入れてくれる?
道場によって、中学生以上、高校生以上など参加条件は異なります。
小学生については、身体の発達や施設側の安全管理、教室の対象年齢などの事情があるため、受け入れ条件を確認する必要があります。
一方、大人については、年齢だけで諦める必要はありません。
私が弓道を続けてきた経験からも、弓道場ではさまざまな年代の方を見かけます。
もちろん、健康状態や身体の動きには個人差がありますから、無理をする必要はありません。
しかし、「もう50代だから」「60代だから」「定年後だから」という理由だけで、弓道初心者教室を候補から外す必要はないでしょう。
むしろ弓道は、自分の身体と向き合いながら一つの動作を繰り返し学んでいくので、年齢を重ねてからじっくり取り組む趣味としても味わい深いと私は感じています。
体力がなくても、膝が曲がりにくくても参加できる?
初心者用には比較的弱い弓が用意されている場合があります。
そのため、「力が強くなければ弓は引けない」と最初から決めつける必要はありません。
また、高齢になると、膝が曲がりにくい、正座が難しいといった事情を抱える方もいます。
弓道には身体の状況に応じた行射や体配の考え方もありますので、身体上の不安がある場合は申し込み前に指導者へ伝えて相談してください。
ここで大切なのは、無理をして周囲と同じ動作をすることではありません。
自分の身体に合った方法で、安全に続けられるか相談することです。
どんな服装で練習する?
初心者教室の段階では、最初から弓道衣一式を用意しなくてもよい場合があります。
基本的には、身体を動かしやすい服装で十分です。
短パンよりも、トレーニングウェアなどの動きやすい長ズボンがよいでしょう。
上半身も、腕の動きを妨げないTシャツなどが使いやすいと思います。
道場では素足を避けるよう求められる場合がありますので、靴下についても事前に確認してください。
また、道場から必要と言われる可能性があるものとして、右手に着ける弽(ゆがけ、一般に「カケ」とも呼ばれます)があります。
弽は鹿皮などで作られた弓道特有の道具で、弦を取り掛けて弓を引くために使います。
その弽を汗などから守るため、内側には木綿の下弽(したがけ)を着けます。
私が初心者だったころには100円~200円ぐらいのものでしたが、価格は時期や販売店によって変わりますので、購入時に確認してください。
足袋や、必要に応じた胸当てなどは、教室が進んでから、あるいは教室を終了して継続すると決めてからそろえても遅くないでしょう。
何より、最初に道具を大量に買ってしまわないことです。
先生から「そろそろこれを用意してください」と言われてから買うほうが、初心者には失敗が少ないと思います。
弓道初心者教室では何を練習する?
初心者教室では、いきなり的へ矢を放つのではなく、徒手、ゴム弓、素引き、巻藁、的前というように段階を踏んで練習するのが基本です。
たいていの教室は、1回につき2時間から3時間ぐらいです。
半年程度の教室で学ぶ内容としては、まず弽の着け方や弓の持ち方から始まります。
次に、執弓(とりゆみ)の姿勢を覚えます。これは、弓と矢を持って立つ際の基本となる姿勢です。
そして弓道で中心となるのが射法八節です。
射法八節は、弓を射る一連の動作を八つに分けたものです。
- 足踏み
- 胴造り
- 弓構え
- 打起し
- 引分け
- 会
- 離れ
- 残心(残身)
初心者教室では、この八つの動作を何度も繰り返します。
最初は弓を持たずに徒手で形を確認します。
次にゴム弓を使い、弓を引く動きに近い運動を身につけます。
さらに実際の弓を使って、矢をつがえずに引く素引きへ進みます。
その後、近い距離に置いた巻藁に向かって矢を放つ練習をし、十分に安全な動作が身についてから的前へ進むことになります。
初心者が弓道場に入ってすぐ的を狙うわけではない理由はここにあります。
弓道では「当たるかどうか」より先に、安全に弓矢を扱う共通の手順を覚える必要があるのです。
そのほか、射礼や体配についても少しずつ学びます。
複数人で弓を引く際には、弓道独特の順序があります。
自分だけ好きなタイミングで歩き出したり、射位へ入ったりすれば、ほかの人の動きとぶつかってしまいます。
教室では、そうした集団での動き方についても基礎を教えてもらうでしょう。
経験者だから分かる集団指導の意味
初心者が十数人いる場合でも、全員が同じ段階を練習していれば、一斉に動作を確認できます。
指導者は、
「ここはもう少し足幅を見ましょう」
「胴造りを確認しましょう」
「次は全員でゴム弓を使いましょう」
と共通の課題を示すことができます。
一方、途中から全く初めての方が加わると、その方には弽の着け方や弓の持ち方から別に説明しなければなりません。
指導者が一人つきっきりになれば、ほかの受講者を見る時間が減ってしまいます。
こうした事情から、初心者教室では「途中参加不可」とされることがあるのです。
参加する側からすると少し不便ですが、安全で丁寧な指導を行うための仕組みだと考えると分かりやすいでしょう。
弓道初心者教室が終われば自由に練習できる?
初心者教室を10回程度受講しただけで、すぐ一人で自由に練習できるとは限りません。
週1回程度の練習だけで射法八節が自然に身につくかというと、私の経験では、まず難しいと思います。
少なくとも、その倍ほどの練習を重ねなければ、身体が自然に動くところまではなかなか到達しません。
さらに弓道場にはほかの利用者がいます。
最低限の射礼や体配の手順が身についていないと、周囲から見て次の行動が予測しにくくなります。
弓矢を扱う場所ですから、単に「迷惑になる」というだけではなく、安全管理の面からも重要です。
射法と体配の両方がある程度身につくまでには、私の感覚では最低限1年ぐらいは考えておいたほうがよいと思います。
もちろん、練習頻度や個人差がありますので、これは一律の基準ではありません。
そのため、多くの弓道場では初心者教室の修了者向けに、フォローアップの練習時間や練習区分を設けています。
初心者教室が終わったら、
「今日から一人でどうぞ」
ではなく、
「ここからもう一段、基礎を身につけましょう」
という段階に入るわけです。
私自身は、射法八節と道場での基本的な動きがある程度身についてくる一つの目安として、初段前後をイメージすると理解しやすいと考えています。
施設によっては、初段を認許されていない人がフリーで練習することを認めていない場合もあります。
したがって教室選びでは、初心者教室の内容だけでなく、修了後の練習環境まで確認することをおすすめします。
ここは、これから長く弓道を続けたい人ほど見落とさないでほしい点です。
弓道初心者が早く上達するには?
弓道の上達には、特別な近道よりも、教わった基本動作を繰り返すことが大切です。
これは、はっきり言って練習しかありません。
例えば道場へ行けるのが週1回だけなら、自宅でゴム弓の練習をする方法があります。
ゴム弓が使えない環境なら、弓を持たずに徒手で射法八節の型を確認するだけでもよいでしょう。
弓道は、頭で理解しただけでは身体が動いてくれません。
足踏みをして、胴造りをして、弓構えから打起しへ移る。
その順序を繰り返すことで、少しずつ「考えて動く」状態から「自然に動く」状態に近づいていきます。
現在では練習動画なども多くあり、DVD付きの本などもあります。
ただし、動画や本だけを見て自己流に変えてしまわないよう注意が必要です。
初心者のうちは、道場で教わった内容を中心にして、復習用として利用するのがよいでしょう。
ゴム弓なら大きな練習場所を必要としません。
そして何より、先生から与えられた手順を確実に身につけることです。
私は2020年の春、練習場がすべて閉鎖になった時期に困り、平日は家で30回、休みの日には100回ほど弓を引く練習をしていました。
そのおかげもあり、練習場が再開した際にも大きな違和感なく稽古を再開できました。
これは「たくさん引けば必ず上達する」という意味ではありません。
私が実感したのは、短時間でも基本動作から離れないことが、感覚を保つ助けになるということです。
特に中高年の方は、若い人と練習量を競う必要はありません。
少ない回数でも、一回一回の姿勢や動きを丁寧に確認するほうが、長く続けるうえでは大切だと考えています。
弓道を大人の習い事として始める魅力とは?
弓道は、大人が静かに長く取り組める習い事の一つだと私は感じています。
ただし「体に優しく、けがをしない」とまで言い切ることはできません。弓矢を扱う以上、安全に関する決まりを守り、無理のない弓力を選び、指導を受けることが必要です。
その一方で、相手と直接身体をぶつけ合う競技ではありません。
自分の姿勢、呼吸、動作と向き合いながら、一射ずつ積み重ねていくところに弓道ならではの良さがあります。
私自身、長く稽古を続けてきて感じるのは、弓道では年齢を重ねても「まだ学ぶことがある」ということです。
初心者のころは、
「矢を的に当てたい」
と思います。
少し続けると、
「きれいに引きたい」
と思うようになります。
さらに続けると、
「なぜ今日はこのような射になったのだろう」
と、自分自身を観察するようになります。
この変化こそ、弓道が単なる運動だけでは終わらない理由ではないでしょうか。
定年後に新しい趣味を探している方、仕事以外の世界を持ちたい方、競争よりも自分自身の成長を楽しみたい方には、相性のよい習い事になる可能性があります。
弓道初心者が教室選びで確認したいこと
これまでの経験から、初心者教室を選ぶ際には「家から近いか」だけで決めないほうがよいと考えています。
教室を見つけたら、次の三つを確認してみてください。
第一は、完全な初心者を対象にしているかです。
「初心者歓迎」と書かれていても、経験者の再開を主な対象としていることがあります。全く弓を触ったことがないと伝えて確認するのが確実です。
第二は、教室終了後も練習できるかです。
弓道は10回ほどの教室で完成するものではありません。むしろ、その後から本格的な稽古が始まると考えたほうがよいでしょう。
第三は、質問しやすい雰囲気があるかです。
これは数字では測れません。
見学できるのであれば、初心者への説明の仕方や、稽古中の雰囲気を見てみると参考になります。
私は長く弓道を続けてきましたが、初心者のころに何度も同じことを注意された記憶があります。
弓道では「一度聞けばできる」ということのほうが珍しいものです。
ですから、初心者が分からないことを尋ねられ、同じ基本を何度でも確認できる環境はとても大切だと思います。
弓道初心者教室について私が考えること
ここからは、長く弓道を学んできた一人としての私見です。
初心者が弓道を始める際に最も大切なのは、最初から上手に引こうとしないことだと思います。
弓道場へ行けば、きれいな射をする経験者がいます。
的へ次々と当てる人もいます。
そういう姿を見ると、自分も早く同じところまで行きたいと思うでしょう。
しかし、初心者には初心者の時間があります。
徒手を繰り返す時期も必要です。
ゴム弓ばかりで矢を射たせてもらえない時期もあります。
的前へ立ってからも、なかなか当たらない時期があります。
これは遠回りなのではありません。
むしろ、その時間に覚えた基本が、後から自分を助けてくれます。
もう一つ、初心者教室を探している方へ伝えたいのは、一つの道場で断られても、弓道そのものに断られたわけではないということです。
指導者不足かもしれません。
募集時期が違ったのかもしれません。
在住条件が合わなかったのかもしれません。
その道場では今年の初心者募集を行っていないだけかもしれません。
私自身、住む場所が変わるたびに練習環境を探してきました。
だからこそ、「ここが駄目なら弓道はできない」と考えず、別の施設へ問い合わせてみてほしいと思います。
特に東京のように多くの自治体が隣接する地域では、一つの施設だけを見て諦めるのはもったいないことです。
ただし、公営施設には在住・在勤条件がありますので、その点を確認しながら探しましょう。
弓道初心者に必要なのは、最初から完璧な道場を見つけることではありません。
安心して基礎を学べる場所を一つ見つけ、そこへ一度足を運ぶこと。
それが最初の一射より前にある、本当の第一歩だと私は考えています。
弓道の始め方|初心者教室の見つけ方と練習内容のまとめ
弓道を始めたい方が第一歩を踏み出す手順と注意点について、経験を交えながら説明してきました。
初心者であれば、まず自宅や勤務先から通える弓道場を探し、初心者教室の有無、募集時期、参加資格を確認しましょう。
特に東京で大人向けの初心者弓道教室を探す場合には、在住・在勤条件の確認が大切です。
弓を引く動作は、普段の生活ではあまり使わない身体の使い方を含みます。そのため、射法八節の動作や順序を身につけるには時間が必要です。
また、弓力が弱い弓であっても、弓矢を扱うことに変わりはありません。
事故を防ぐためにも、道場にいる人たちが共通の手順と安全上の認識を持つ必要があります。
一人なら許される動きでも、複数人で同じ射場を使う場合には決められた手順があります。
時々、「習い始めたけれど手順が面倒だった」とやめてしまう方もいます。
もしかすると、その決まりが何のためにあるのか十分に説明されなかったことも一因かもしれません。
弓道の手順は、初心者を縛るためだけにあるものではありません。
安全を守り、ほかの人と一緒に稽古し、同じ道場を長く使うための共通言語のようなものです。
そこが理解できると、一見面倒に見えた作法にも意味が見えてきます。
弓道は、始めてしまえば長く付き合える可能性のある武道です。
焦らず、まずは初心者教室を一つ探してみてください。
30年前、広報を手にしながら申し込むことをためらっていた私が、その後これほど長く弓を引き続けることになるとは思ってもいませんでした。
最初の一歩とは、案外そういうものなのだと思います。
弓道教室が終了した後の練習については、次の記事で詳しく紹介しています。
弓道教室終了から初段審査までにやること。考え方と練習の仕方 | 天水仙の蛙奏美(a-so-bi)
また、弓道教室終了後にそろえる服装や道具については、こちらをご覧ください。
弓道教室終了後に必要な服装、道具は?どの様に揃える | 天水仙の蛙奏美(a-so-bi)
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よくある質問
弓道初心者はまず何から始めればよいですか?
最初は、近くの公営弓道場で初心者教室が開催されているか確認することをおすすめします。
市区町村の広報、体育施設の案内、全日本弓道連盟の弓道場情報などから探し、完全な初心者を受け入れているか問い合わせてください。
最初から弓や矢を購入する必要はない場合もありますので、道具を買う前に教室へ確認すると安心です。
東京で大人の弓道初心者教室を探すにはどうすればよいですか?
区や市の体育施設、自治体広報、地域の弓道連盟、全日本弓道連盟の弓道場情報を調べる方法があります。
東京では隣の区の弓道場のほうが近い場合もありますが、在住・在勤者限定の教室もあるため、申し込み前に参加資格を必ず確認しましょう。
春や秋に募集する教室もありますので、募集期間外なら次回開催予定を聞いておくとよいでしょう。
弓道初心者教室ではすぐに的へ矢を射てますか?
通常は、いきなり的前から始めるのではありません。
徒手で射法八節を覚え、ゴム弓、実際の弓による素引き、巻藁などを段階的に経験し、安全な動作が身についてから的前へ進みます。
的へ早く当てることよりも、安全に弓矢を扱える身体の動きと手順を身につけることが初心者の第一課題です。
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