ツルネ アニメ第2期第8話から矢渡しについての感想

弓道

ツルネ―つながりの一射―第8話では湊たちの風舞高校弓道部は名門桐埼高校弓道部と合同練習を行うことになりました。

その手始めとして、滝川コーチが矢渡しを披露する場面がありました。高校生でも矢渡しをする機会があるのかと、興味深く見ていましたが、かなり違和感がある矢渡しでしたので、矢渡しについて解説しておきます。

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矢渡しの意味は

多人数で射を行うときに、最初に行う射のことですが、通常は射礼の形式をとって行っているもので、出場者の中で上位のものが行うこととされています。

アニメの場合、そういう意味で滝川コーチが行ったのは適切だったと考えられます。それでも、よく着物を持ってきたのが不思議な感じがしますね。着物を持っていくのは重いし面倒ですからね。介添えは湊と小野木でしたね。この人選は違和感がありませんでした。

高校の練習会でもやるものなのかと驚きましたが、私は高校の活動の経験がありませんので、実際行うことがあるのかどうかはわかりません。

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矢渡しの主な流れ

アニメでは、一部分しか実施していませんでしたが、通常行われる矢渡しについて簡単に説明しておきます。

①射手、第一介添え、第二介添えの順に入場していき、道場奥に脇正面に正対し、座ります。脇正面に向かって基準の礼を行います。

②射手は本座に向かい、第一介添えは射手に従い射手の斜め後方に控えます。第二介添えは安土に向かい、的の後方に蹲踞します。

③射手は本座で揖の後脇正面に向き、肌を脱ぎます。第一介添えは射手の後方に進み、射手の動作を見守り必要な場合は射手の動作を介助します。

④射手は的正面に向きを変えて、射位に進み矢を射ます。的正面に向きを変え本座に戻ります。

⑤第二介添えは的に向かい矢を抜いて、通常は安土右側にある矢立に矢を置き再び、最初の位置に戻り蹲踞します。

⑥射手は再び射位に向かい乙矢を射ます。その後的正面を向き本座に戻ります。その後、脇正面に向きを変えて肌入れを行います。

⑦第二介添えは的に進み乙矢を抜きます。そして矢立に向かい甲矢を取り、一手をまとめて、射場ぬ向かいます。

⑧第一介添えは射手の肌入れ動作が始まること射手の後方に進み、射手の動作を見守り、その後射場に向かう第二介添えと道場の奥で正対し、矢の受け渡しをします。

⑨射手はその間に的正面に向きを変えます。第一介添えは射手の後方に進み、矢を射手に差し込みます。

⑩第一介添え第二介添えは最初に礼をした場所に戻ります。射手は的に向かって揖をした後、礼をした場所に戻り、揃ったところで基準の礼を行います。その後、立ち、射手、第一介添え、第二介添えの准に退場します。

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アニメの中で気になったこと

アニメの中では矢渡しについて全体を紹介したわけではないのですが、それでも見慣れた立場からすると変なところが気になるのです。実際に高校での活動はどのようにされているのかわかりませんが、ご紹介しておくとともに、若干の感想を述べます。

脇正面への礼について

①の部分で、脇正面に対して射手が礼をすることになっています。それに合わせて第一介添え、第二介添えも礼をするのです。

この時の礼は折手礼(せっしゅれい)と言って、右手が床に付けて膝頭の部分までくる礼をすることになっています。左手は弓を持っているのでそのままです。

この時射手は右手は床、左手は腰にあるので、どうしても上体がねじれやすいので、上体のねじれがないように礼をするのが難しいポイントです。

射手と同様に介添えも同じようにやや深めの礼をすることになっています。

肌脱ぎ動作について

③の肌脱ぎ動作については、第一介添えが射手の真後ろまで進んで控えていますが、射手の動作に支障がない限り、手を出さないこととしています。

介添えは必要とする動作に限って行うべきで、進んで射手に手を出さないのが良いとされています。射手にとってもどうしても肌脱ぎ、肌入れができない場合は、一旦動作を止めて、介添えの助けを借りることになっています。

射手が乙矢を射た後について

矢渡しは乙矢を射てしまえば終わりではありません。⑥~⑩までの動作が残されています。特に介添えにとっては、乙矢を射た後の一連の動作が続きますので、介添えにとっては気が抜けないところなのです。そして退場になってやっと一息といったところでしょう。

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ツルネ アニメ第2期第8話から矢渡しについてのまとめ

矢渡しは弓道の審査、大会では必ずお目にかかる射礼です。このため、ある程度の段位になってくると、講習会でも練習し、かなり細かいところまで教えられることになります。

私もこれが苦手で、かなりの部分逃げ回っていましたが、ついに介添えをやることになってしまいました。それもそれなりに大人数の前ですから、所属支部の長からかなり何度も練習をすることになった記憶があります。

また、体力的につらいのは第二介添えで蹲踞の姿勢で矢が入るまで安土のところで待っていなければならず、1、2週間は自宅で蹲踞の姿勢で数分間練習をしなければならなかった記憶があります。そんな大変な矢渡しですが、よくここまで様式が決められているのには感心してしまいます。

皆様も、その機会がありましたら、ぜひ積極的にご参加ください。

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