弓道の馬手の取り懸け:基本から応用まで、馬手の正しい捻りとコツを解説

弓道の射技射法

弓道の馬手の取懸けの方法について、実は相当前からこれでいいのかと考えながら相当の年数がたってしまいました。

これは、弽の構造にを聞いた時からの疑問でした。三つ弽なら親指が中指の方を指すように作ってあります。四つ弽なら薬指の方を指すように作ってあります。

それなのに、例えば三つ弽ならなぜ親指の爪の部分に中指がかかるように深くにかけてしまうのか。本当にそれで良いのかという疑問です。

これについての、私なりの解決を最近見つけたのでご紹介してみます。

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弓道の取懸け(取り懸け)と弽の構造の関係

新しい弽を見てください。三つ弽なら親指の帽子の先が中指の方向に向いているでしょう。同様に、四つ弽なら親指の帽子の先が薬指の方向を向いているはずです。

私もいろいろな文献を見てみましたが、それが基本的に理想の弽として推奨されています。

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弓道の取懸け(取り懸け)を改善するコツと方法

向いている方向通り素直に取懸けるとどうなるでしょう。

親指の帽子の先端と中指の第一関節(先端から一つ目の関節です)付近が接触点になるはずですから、つまんでいるとは言わないまでも、その接触点で押さえているような状態になります。

これは、とても不安定な状態です。親指の帽子が短ければ、中指の末節骨(先端の骨です)を少し曲げた状態で親指を押さえることになります。

でもこんな状態では、安心して取り懸けをして行射するわけにはいきません。

特に、初心者の場合、こんな方法を実践させたら、大抵は怖くて思い切り中指の先端に力を入れて、押さえつけることになります。

それでも彼らはひねりを入れれば弦が外れないことを知りませんので、「捻れ」と言っても、多くの方は暴発して顔や手を打つことになります。

下手すれば、そのまま、もうこりごりと去っていくのではないでしょうか。

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初心者のための弓道の取懸けステップバイステップガイド

私も初心者教室に入ったのはもう20年以上前ですから、記憶もおぼろげです。

初心者の弓道の取懸けの記憶

こんな不安定で恐ろしい取り懸けの仕方はしませんから、おそらく、中指を親指の爪側にしっかりかけて押さえていたと思います。人差し指もそれに添えて押さえ気味にしていたでしょう。

私が、最近になって初心者の様子をいくつか見る限り、例外なく同じような取り懸け方になっていました。

当たり前です、馬手の捻りの意味が分からない初心者が、安心して引けるのはこの取り懸け方しかありません。

私も初心者の時はこの取り懸け方で、だれも注意してくれませんでした。初段、二段ぐらいではこれで続けるしかないと思います。

初心者の弓道の取懸けを続けた結果

この取懸け方は安定感がありますので、ある意味しっかり持つことができます。いわゆる会を深く持つこともできるでしょう。

かくいう私も会が長いとほめられたこともありました。

しかし、これを続けると持たれ気味になってきます。いつ離したら良いのかわかりません。離すためにはどうしたら良いのかもわかりません。最初の頃の教えのように勢いよく離せば引きちぎりになります。ぐずぐずしていると離れの切れが悪くなり、いわゆるとられる状態になる可能性もあります。

そこで様々な書物を見たのですが、やっと見つけました。詳説弓道に書いてありました。この取懸けを「深会(ふかがけ)」とよぶそうです。

これは、矢を遠くに飛ばすために、特に強い弓を引く場合、または、矢数をかけるときに使う手法だそうです。ここでもやはり送り離れの原因となるとされています。

ということで、このまま続けるのはまずいと考えるようになりました。

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弓道愛好者のための取り懸けの進化と修正

2020年の夏から取懸けを直すことにチャレンジすることとなりました。

それまでの弽は、既に15年以上使用していたため、すっかり親指を押さえる引き方になじんでしまってその形になっています。

この機会に弽を新調して新しい取懸けを試みることにしました。最初は怖いので普段の弓力より3㎏ほど落とした弓を使って練習を始めました。

最初の印象は。怖い。とにかく馬手の捻りを忘れると大変なことになるので、これだけは忘れずに引いていくことにします。

今年は、大会も審査もないのでこういうことも気にすることなくできます。1、2週間もするとずいぶんなれるようになってきました。

でもまだ中指に力が入って押さえているイメージが強いので、長く引いていると中指が疲れてきます。

1か月もすると、だいぶん楽になってきました。だんだん中指の力が抜けてきて、中指がしびれることもなくなってきましました。

3か月もすると、ほとんど自然にできるようになってきました。このとき少しコツのようなものがあることがわかってきました。

親指の先端を中指の第一関節に突き刺すような角度で取り懸けていたが、むしろ若干親指の腹に近いところを接点としたほうが、親指と中指の摩擦を有効に使えて、さらに楽になるような気がします。

また、少し考え方は戻りますが、一旦怖いかけ方から、ほんの親指の爪半分ほど深く懸けることで、ずいぶん楽に引けるようにもなります。

ここらは、感覚の問題だから、個人により異なると考えます

以上のような段階を経て、取り懸けの改善については、ほぼ出来上がってきました。確かに離れについては、格段に良くなったような気がします。

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弓道の馬手の取懸けで参段になったら確認することのまとめ

長年疑問に思ってきた馬手の取り懸けについて、2020年は審査、大会がすべてない状況を生かしてじっくり修正することができるようになりました。

私の疑問と修正の段階を見ていただいてご参考になったでしょうか。

確かに馬手の取り懸けについては、これまで、20年以上の経歴になるが、だれも深い取懸けについて指摘してくれる人はいませんでした。

おかげで私もこれで良いと思っていましたが、どうしても疑問が払拭できずに今回の修正に至ったものです。

こういう目で見てみると、かなりの高段者でも深い取懸けの人が多くいらっしゃいます。

まだまだこれがいい悪いかはよくわかりませんが、自分なりに調べて、納得ができる方法を得ることができて良かったと思います。

最後に、なぜ弓道三段になったらということを説明しておきます。

初段、二段の時は、まだひねることが十分理解できないし、自分に確信が持てないのでそのままでも仕方がないと思います。でも三段になればいわば中級者の入り口です。

もうこの段階では、捻りを入れていれば外れないことをきっちりわかっているので、修正しようとする意欲があれば、捻りに注意して修正することもできると考えるからです。

それに、もう中級者です、自分でいくつかの弓書を読んで自分で検討することを始める段階だと考えるからです。

私のように20数年を経て修正するのでなく、自ら研究することを進めていただけたら幸いです。

更に取懸けについて深く知りたいときは

弓道の弓構えで取懸けの方法を唐沢光太郎範士の方法で実践すると
弓道の弓構えで取懸けの方法について、唐沢光太郎範士の書いた記事に沿って、実践してみました。取懸け、馬手の手の内については、分かり易い記述が少ないため苦労しておりましたが、この記事に接してようやく納得できるようになりました。

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