弓道を中高年の趣味におススメする理由8つ。ダイエットにも?

弓道の練習方法

中高年の方に、「趣味は?」と聞くと、たいていは、「ゴルフ、カラオケ」とか会社生活の延長を彷彿させる答え、または、「読書」というあたりさわりのない答えが返ることが多い。

もちろん、それぞれに目的意識を持ってアクティブに続けている方もいらっしゃいますが。

そこで、今、特段の趣味がない方に、せっかく日本に生まれたのですから、日本文化から、運動系統の一つとして弓道を始めることをお勧めします。

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弓道のスポーツ界における位置づけ

私が弓道を始めたきっかけは、運動をしてみたいが、今までのゴルフ、テニスではいつまでも下手だし、もう少し活躍できる、競争相手が少ない競技はないだろうか。

できれば高齢者が多いほうが楽そうだ。そのくせ、全く理解されない競技は嫌だということで調べた結果たどり着いたものです。

そのうえで、弓道がスポーツのジャンルの中でどのような位置を占めているか、どんな特徴があるか述べていきます。

理由1 弓道はスポーツ界で一定の認知がされている競技です

競技人口の特定は難しいのですが、比較的正確に把握されている2019年度の高校生の登録状況では、

男子では、一位サッカー、二位バスケットボール、三位陸上競技に続き、バドミントン、テニス、卓球、ソフトテニス、バレーボール、弓道(九位)、ハンドボール。

女子では、一位バレーボール、二位バスケットボール、三位バドミントン、陸所競技、ソフトテニス、テニス、弓道(七位)、卓球、ソフトボール、ハンドボール。

弓道は、国体競技にも入っており、見た目は地味ですが、一定の認知がされています。中高年は世間体を気にするので、ある程度認知されている競技ならば安心感があります。

趣味を説明するときに、全く解らないものを説明するほど大変なことはありません。

その点、とりあえず一言では国体競技でもあるので説明できるが、大部分の方はやったことがないという絶妙なバランスが取れているのが弓道です。

「的まで何メートルあるんですか?」などという素朴な質問から始まって、会話のきっかけになることも何度もありました。

理由2 弓道は男女比バランスが取れ、年齢層が広い競技です

上記のランキングでみられるように、男女がバランスよく入っております。競技、練習では、男女の区別はほとんどありません。弓道場に足を運べば、むしろ女性の方が多い場合もあります。

各地の支部では毎月競技会を行っていますが、弓力の差が直接には技量の差に結びつかないので、女性が優勝することも普通にあります。

また、高齢者の方から高校生まで多く参加され、視野を広げるチャンスとなります。

勤めていると一つの世界に閉じこもりがちになります。地域の支部に入り、様々な方との付き合いが始まり考え方の幅を広くすることが、かえって仕事の方にも役に立つことになります。

支部によっては、弓道の合宿などのイベントを毎年決めているところがあります。弓を持って、風光明媚な場所で練習をし、夜は弓道談義と日常を離れリフレッシュすることもできます。

また、極端な事例ですが、私が海外赴任した際に、弓道はお休みといって、道具もすべて日本に預けてしまいました。

一年後、現地にkyudoのクラブがあることが偶然わかり、それから二年間、現地の方との交流を通じ楽しい駐在生活を続けることができました。

ついには、日本の都城で国際弓道大会が開かれたとき、外国人選手の一人として、現地のクラブ員を引き連れて、参加するという貴重な体験もできました。

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中高年者が弓道を行うことについて

特に中高年の方が弓道を行うことによって、どのような効用があるかを身体面、費用面、モチベーションの面から述べていきます。

こういうことも続けていくためには重要な要素ですので、始めるにあたって検討した内容です。

理由3 弓道は力ではなく姿勢と呼吸を重視する

「弓道」と聞くと、「力がいるんでしょう。」とお聞きになる方が多いのですが、明治、大正の時代ならいざ知らず、体力合わせた弓力で練習しますので、特段の筋力トレーニングは必要ありません。

今や大部分の男子で15、16㎏ぐらい、女子では12、13㎏ぐらいの弓力ですから、さほど力がいる競技ではなくなっております。

引き方では姿勢と呼吸を重視します。このため、インナーマッスルが鍛えられ、普段の姿勢も歩き方もよくなります。引き方が上手になると、自然に強い弓が引けるようになります。

そのため、中高年の運動としては、物足らないと感じる人がいるかもしれませんが、インナーマッスルが鍛えられる運動は貴重で、健康管理にも大きく寄与すると考えられます。

特に基礎代謝を高める効果があるので、見かけによらずダイエット効果があるようです。事実、弓道をやっている人は意外にスリムな人が多いのがこの理由かもしれません。

理由4 弓道は身体接触がなく高齢になっても続けられる

弓道は身体接触が全くなく、基本は個人競技です。激しい運動による発汗もありません。激しい動きがないので、転倒の心配もありません。

矢の扱いに注意は必要ですが、男女ともに80歳過ぎても大会で活躍することができる数少ない競技です。

弓道場に行くと多くの高齢者が楽しんでいる様子を見かけることでしょう。私も高齢者の仲間入りになってきましたが、何の不具合もなく続けています。

全国大会に行くと、私よりも高齢の方が、立派な成績で活躍しており、こちらが恥ずかしくなります。順調にいけば100歳までできる競技を見つけてよかったなと思っております。

理由5 弓道を練習する場所の多くは公共施設でランニングコストが安い

全日本弓道連盟の資料によれば、全国に1185の弓道場があるそうです。多くが公共の施設内にあります。例えば東京都では各区、市に1つ以上の公共の弓道場があります。

長く続けるためには往復の時間、練習費用が気にならないことが重要です。ほとんどが、公共施設ですので、練習のための料金も概ね数百円程度です。

私の通っている施設も、一日なら200円、一か月利用で1000円以下の料金です。

勤めていれば、一日数千円の出費も気にならないかもしれませんが、長い人生を考えるといつかは仕事を辞めなければなりません。

ランニングコストが安いことが、続けられる一つの要素になると考えられます。

理由6 弓道には段級システムがある

弓道には、5級から1級までの級位、初段から十段までの段位、錬士、教士、範士の称号があります。

実際に「弓道〇段」という名称を得ることで、続けていく目標にもなり、励みにもなります。昇段試験は、日本全国同じシステムで行われます。

本来は資格審査なので合格率はないのですが、初段、二段クラスで大体半分以上は合格します。参段になると1、2割、四段以上になると1割を切り始めます。

的に当たれば良いというものではなく、射場に入ってから退場するまでを一つの演武として判定されます。各動作の注意点とか射の内容が重要で、それだけ、課題克服が難しくなります。

最初のころは指導者が助言しますが、同じ目標を持った仲間同士が、励まし合って練習していくことにもなります。

私も最初に初段を合格したとき、三段を合格したとき、などは強い印象を受けております。

2年ほど前、10年以上挑戦し続けた審査に合格したときには、達成感とともにこれからの責任の重さを感じて感慨無量でした。中には、涙ぐむ人もいるくらいです。

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弓道を行うことによる文化的背景

スポーツというジャンルを離れて、もっと広い意味での弓道の効用について述べていきます。

理由7 弓道により日本人としての立ち振る舞い、着物の着付けが身につく

弓道には、射術のほかに、入退場、射場での動作が、礼法に基づき定められており、段級審査もこれらの比重が大きく求められております。

また、中級者以上になれば、和服着用の機会も増えてきます。

現代の椅子の生活ではほとんどの方が忘れているでしょうが、畳の上での座り方、立ち方、礼の仕方なども素養として自然に身についてきます。

普段練習しないことだけに、いざという時に役に立ちます。

実際に礼の仕方を見ていても、普段から慣れている人とそうでない人の差は歴然とわかります。

座り方、立ち方も作法として教わった方法と、自分勝手に立ったり座ったりするのとでは美しさが格段に違います。おかげで、畳のある席では少しも苦労しなくなりました。

着物の着用も全く気にならないので、年に何回かは気分転換に和服で外出しています。

理由8 弓道は千年以上の年月を経て日本に根付いた文化です

弓道といえば、源平時代の源為朝とか、那須与一とか、江戸時代の三十三間堂の通し矢を思い浮かべるでしょう。当時の弓術が年月を経て変遷をたどり、今日に続いているのです。

実際に弓をとることによって、過去の人物、出来事の内容を本ではなく体験として知ることができます。

三十三間堂の通し矢などは名前は知っていても、どのような時代に、どのような引き方で、どのくらい引いていたかを解説するできる人は稀です。

私が一時期海外赴任していた時も、日本人として日本の伝統文化を紹介することが求められます。

それまで僅かばかり弓道をやっていて、自然とその関係の知識を吸収していたことが、大変役に立ちました。

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弓道を中高年の趣味としてお勧めする理由のまとめ

弓道のスポーツとしての位置づけ、中高年が行うことと、文化的背景から8つの理由を述べてきました。

一言でいえば、見た目は地味だけど、厳しい競争、激しい運動、身体的接触もなく、中高年が続けていくには最良の競技の一つとしてお勧めできるものです。

私も、何とか趣味を見つけようと、40歳から弓道に取り組み始めて、20数年が経とうとしています。

おかげで、その間数回の転勤先でも自分の居場所を確保し、知り合いにも恵まれました。まだまだ足りない点を補うべく、週に2回、弓道場に通う生活をしております。

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