ケン・リュウ作の短編SF小説「円弧」が芳根京子主演の映画「Arc アーク」として、2021年6月25日公開されることになりました。
この作品は近未来物で永遠の生命と若さを手に入れた女性の生き方を描いたものです。
「Arc アーク」の原作「円弧」はどんなあらすじ
近未来、放浪生活を送っていたリナ(芳根京子)は偶然、プラスティーボという仕事をエマ(寺島しのぶ)から学ぶようになる。
これは亡くなった人の人体を使い、生前の生き生きとしたスタイルを再現し保存する仕事であった。やがて、エマの弟、天音(岡田将生)が不老不死の施術を発明し、その施術を受ける。
そして30歳のまま不老不死の体となって100歳以上を生き抜いていく。
【動画】#芳根京子、#岡田将生 に永遠の命を授かる!?
失ったものは…
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— ザテレビジョン (@thetvjp) February 8, 2021
「Arc アーク」の原作の作者ケン・リュウはどんな人
1976年中国で生まれ幼少の頃、アメリカに両親とともにわたりそこで育ったそうです。ハーバード大学を卒業し弁護士、コンピューターグラマー、中国語の翻訳者として活躍しているそうです。
短編小説中心で活躍しているようで、とても情感あふれる作品を書いております。私ははじめ日本人かと思いましたが、中国人だと知ってびっくりしました。
とくに「円弧」のついでに、「もののあはれ」という小説も読みましたが、設定が日本人の小説で、日本的な思考様式、考え方が十分表現されて、とても海外の方が書いたようには思えませんでした。
この「円弧」も英語で書かれたようで、主人公とか登場者の名前は映画とは異なりますが、作者の発想の中に東洋的なものが根付いているため、映画化して設定を日本に替えても自然に親しむこともできると思います。
公開まであと9日!
一足先に試写会で見させていただきましたが、”時間”が大切になってくる映画な気がします。映画内で1回だけ出てくる”時”に関するある物に注意して見るといいと監督が仰っていたのを思い出しました 映画『#Arcアーク』 https://t.co/jNdv9lk0WT pic.twitter.com/hBII7m2Y4v— りさ︎ (@risa__redio) June 16, 2021
映画「Arc アーク」の主演女優、芳根京子さんはどんな人
1997年東京都出身。NHKの朝の連ドラ「花子とアン」で花子の親友である蓮子の娘役、「べっぴんさん」で主演をつとめました。
その後数々のドラマ、映画などに出演しております。私は、偶然「君と世界が終わる日に」に出演されているところから、この映画の情報を入手しました。
今日買った本 その1📙
『もののあはれ』ケン・リュウ
6/25公開の映画「Arc アーク」を観る前に原作の「円弧」を再読しようと、手持ちの新ハヤカワSFシリーズを2日前から探してるのに全然見つからない…💦
仕方なく文庫のこれを買いました😅
大好きな芳根京子の帯が付いてるからよしとしよう (笑) pic.twitter.com/ve2qzPQOCW— 姫川みかげ (@mikage_H) June 16, 2021
映画「Arc アーク」のネタバレ、展開は
原作が短編であることから、映画の中にいろいろな要素を盛り込むことができます。
例えば主人公が放浪生活をしたのちにプラスティーボの施術を行うまででも、なぜ、主人公が放浪生活をしなければいけなかったのか、それまではどのような生活をしていたのか。
そもそも家族はあったのかということからも一つずつ丁寧に描いていけば、映画の内容に厚みが出てくることでしょう。
原作では、そこら辺のところは、一通り書いてありますが、その原作に忠実に習う必要はないでしょう。
映画のその後の展開の伏線になるような、最も適切な筋書きを埋め込めばよいので、かなり自由度が出てくるのではないでしょうか。
そして、エマ(寺島しのぶ)の工房でエマを師匠としてプラスティーボという施術の仕事を習い、これが主人公の感性に合っていたのでしょう。
その仕事に集中し、更に、腕を磨いていくことになります。
その人の人体を使って生前の姿を保存するというととってもおぞましい感じがしますが、これは、あくまでも設定ですので我慢しましょう。
ここらあたりも、エマの教育とリナとの関係、最後にエマとどのように別れていくのかも興味があるところです。
エマの弟、天才的科学者天音(岡田将生)と出会い、彼が不老不死の施術を発明します。そして、リナに施術をします。
これによって、彼らは、未来に対して何の不安もなくなるわけです。
だって不老不死であり、この施術により天音は莫大な収入が約束されるわけですから。
しかし、これでめでたしめでたしとはいかないのがおとぎ話とは違うところ。
エマと天音はこの後どのように暮らしていくのでしょうか。本当は、この後のほうが小説のテーマとしては、作者が描きたかったことだと思います。
実際、施術前より、その後の人生の方が遥かに長いので、この人生をどんな考えで、どのように送るのかが重大です。
施術をした人は全く変わらずに人生を送りますが、施術を受けられなかった人、施術を受けたくなかった人はどんどん年を取っていきます。
身内、親戚であっても同じことで、これらの人との関係をどのようにとらえるのかがのテーマになります。
施術を受けた人同士は同じ関係を続けられますが、施術を受けない人は、自分より若くてもあっという間に歳をとって消えてしまいます。この様子をどのように想像するかです。
また、本人にとっても10年ぐらいは、やることが尽きないでしょうが、30年、50年、100年となってくるとどうなるのでしょうか。意外と困るのではないでしょうか。例外は権力者ぐらいでしょう。
大人びた芳根京子の姿を映した「Arc アーク」本編映像 こだわりの美術も明らかに #Arcアーク https://t.co/T56q6SiZGD
— 映画.com (@eigacom) June 15, 2021
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映画「Arc アーク」にはそのほかにどんな出演者がいる
その他にも、風吹ジュンさん、倍賞千恵子さんが出演されています。それぞれ重要な役割を果たすことになっておりますが、どの役なのかは寺島しのぶさん以外は記載されていません。
私のような老齢の身からすれば、お二人とも懐かしい方ですし、物語のテーマが不老不死を例にして人生の意味を問う映画ですので、どんな演技をしていただけるのか、想像するだけでも楽しみです。
「Arc アーク」芳根京子主演の映画2021年6月25日公開のまとめ
偶然、ツイッターにこの映画の記事が入ってきたので、調べてみたら、とても興味深い作品であることがわかりました。
SF作品は派手な映像とかグラフィックが話題をそそりますが、設定はSFの世界でも、永遠の生命、不老不死を手に入れることで、人生の意味をどのようにとらえるかという結構重いテーマを取り扱った作品です。
従って、それぞれの演技の中でこのテーマにどのような考え方を出していただけるのかが興味を引くところです。
公開は2021年6月25日ですので、まだ時間が相当あります。よろしければ、原作をお読みいただければ幸いです。
映画を見てのレヴューを追加しましたので、こちらをご覧ください。
映画「Arc アーク」あらすじ、キャストと見どころ、感想 | まったり生活てんすいせん (tensuisen2020.com)
また同じ時期ですが、SF史上の不朽の名作「夏への扉」も公開されます。
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