【弓道初心者必見】矢番え位置の正しい決め方とは?3つの考え方を徹底比較

弓道の練習方法

弓道を学んでいく中で、誰もが一度は悩むのが「矢番えの位置はどこが正しいのか?」という疑問です。特に初心者のうちは、先生や先輩によって言われることが違ったり、参考書によっても基準が異なるため、混乱してしまうことがあります。

この記事では、弓道における矢番え位置の代表的な3つの決め方とその理論的背景を解説しつつ、初心者が迷わず自分に合った方法を見つけられるように整理しました。矢番えにまつわる悩みを抱える方は、ぜひ参考にしてください。

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矢番え位置の決め方に悩む理由とは?

弓道の練習をしていると、ある日突然「矢の番える位置が違う」と指摘されることがあります。自分では問題ないと思っていたのに、先生や上級者に言われて混乱してしまう。そんな経験をした人は少なくないはずです。

これは、矢番えの位置を決める方法が一つではなく、複数の基準が存在しているからです。それぞれの方法には理論や由来がありますが、実際の射に与える影響はわずかである場合も多く、最終的には矢飛びの安定性と射の感覚で判断する必要があります。

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矢番え位置の代表的な3つの決め方

1. 弦に対して直角に位置決めする方法

最も広く用いられているのがこの方法です。弓を張った状態で、籐頭(握り皮と矢摺籐の境目)から弦に対して垂直な線を引き、その交点の位置に印をつけます。そこが矢の箆(シャフト)の下側となるように番えるわけですが、実際にはその位置では弓手の親指に触れてしまうため、そこから箆1本分(約8mm)もしくは2本分上にずらすのが一般的です。

この微調整は、矢が弓手に干渉しないようにするための配慮であり、矢飛びの安定性を高める工夫です。自分の射に合わせて最適な位置を見つけることが推奨されます。

2. 弓の本弭からの距離で決める方法

こちらは少し違うアプローチで、弓の下端である本弭から籐頭までの距離を測り、その距離を本弭から弦に沿って上に取って番え位置を決定します。言い換えると、弓を頂点とする二等辺三角形を作るような発想です。

この方法では、棒矢(巻藁矢)を用いて、矢の元筈を床につけたまま弓に立てかけ、籐頭の位置を測ってから同様に弦側で同じ位置を探すことで、印を付けることができます。理論上は弦に対して直角の位置と似た結果になることが多いです。

3. 弓に対して直角に位置決めする方法

最後にご紹介するのは少数派の方法ですが、弓の成りを基準として考えるものです。弓を張った状態で、籐頭の位置から弓に対して垂直な線を引いて弦と交わった点に矢筈を番えます。

この方法の由来は「五重十文字(ごじゅうじゅうもんじ)」の思想にあり、弓と矢が正対し、直角であるべきという考え方から来ていると言われます。ただし、弓の成り(曲がり具合)によって直角の位置が上下に変わるため、場合によっては不安定になりやすいというデメリットもあります。

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それぞれの矢番え位置の考察と比較

弦に対して直角の方法

この方法は多くの道場でも推奨されており、的中定規と併用されるケースもあります。なお、的中定規は厳密な直角を示すものではなく、製作者によって微妙に角度が違います。そのため、的中定規で示される位置と、理論的な直角位置が異なることもあるのです。

もし、的中定規で指示された位置で矢が不安定に飛ぶ場合には、箆1本分上にずらすことで安定することが多いです。あくまで補助器具と考え、最終的には実射での確認が重要です。

本弭からの距離による方法

一見、測定が必要で面倒に感じるかもしれませんが、理論的には非常に明確な方法です。結果的には弦に対して直角の位置より少し上を指すことが多く、矢の水平性を重視したい方にはおすすめです。

弓に直角な位置を基準にする方法

この方法は弓の成りによって大きく左右されるため、標準的なやり方とは言いにくいですが、「五重十文字」を重視する方や上級者の中には好んで使う人もいます。ただし、弓の製品差や経年変化によって基準がずれることもあるため、再現性にはやや劣る印象です。

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初心者が迷ったときの対処法

初心者が矢番え位置で悩んだときに大切なのは、「どのやり方もある程度正解」であるという認識です。自分の射癖や矢飛びをよく観察し、違和感がある場合は素直に先生や経験者に相談しましょう。

また、直角定規を買う必要もありません。道場の床の板目や畳のラインを使って、直角を見つけることも可能です。こうした身近な工夫も弓道の楽しみの一つです。

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まとめ:矢番えの位置決めは自分の射を育てる鍵

この記事では、弓道における矢番え位置の決め方について3つの代表的な方法を紹介し、それぞれの理論や利点・注意点を解説しました。

  • 弦に対して直角:汎用性が高く、的中定規とも併用しやすい
  • 本弭からの距離:理論的に明確で再現性が高い
  • 弓に対して直角:思想的には筋が通るが、やや不安定

最終的には、矢飛びの安定性と自身の射癖を考慮し、実際の射での感覚を大切にして調整していくことが大切です。方法にこだわりすぎず、射そのものの完成を目指す過程で、自分にとって最も自然で納得のいく矢番え位置を見つけましょう。

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