弓道の矢羽根の修理、交換の方法を紹介します。

弓道の道具、衣装
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「弓道の矢羽根を交換する」と値段だけでも店に頼めば矧ぎ代も含めて安いものでも3万円は下らないでしょう。

それに安い羽根というわけにはいきません。大丈夫です。やる気と丁寧に作業さえすれば立派な具合に仕上がります。

しかも、羽代なんて1枚100円のレベルです。一本当たり数百円でできることを思えば挑戦する気になるでしょう。

私の工作はあまり丁寧ではありませんが、それでも、実用になる程度には仕上がります。簡単にできる方法をご紹介したいと思います。

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弓道の矢羽根の交換に必要なものとその入手方法を紹介します

糸とか接着剤とかは省略しますが、次に挙げたものは事前に準備しておく必要があります。実は最後に紹介する治具がこの作業のみそになります。

交換用の矢羽根と入手方法

羽を交換するのですから。羽が要ります。

ネットには高価な羽がオークションに出ていたりしますが、ワシントン条約の件とか、何かと問題になりそうな感じがしますので、私はこれには手を出しません。

基本的に七面鳥の羽で手当てしたいと思っています。

ネットで検索するには、「アーチェリー 羽」で検索します。私はアマゾンで探しましたが、いろいろな種類の主に七面鳥の羽が売りに出ています。

ほとんどが、アーチェリー用ですので、弓道に使うには長さが足りないものが多いのです。

それでも丁寧にみていくと、長さが20㎝を超えるものがいくつか出てきます。

茶色のまだら模様の七面鳥の羽が見つかるはずです。

それともう一つ。単色の羽で長さの長いものをクリックすると様々な色の羽が選択できます。

アーチェリー用ということで、派手な色合いのものが多いので、使えるのは黒と白ぐらいしかないでしょう。

茶色のまだら模様の方は少し高くて30枚で2、3千円です。単色の方は50枚で2、3千円です。弓道の羽の感覚からすれば、どちらにしてもただのような気がするでしょう。

これを見つけたら、すぐに喜んで買ってはいけません。というのは、それぞれ、右翼、左翼という名称があり、同じ向きの羽しか入っていません

右翼というのは甲矢に使う羽です。左翼というのは乙矢に使う羽です。

この両方を見つけて注文しないと全部甲矢又は、乙矢になってしまいますから、それでもいいという人以外は使い物になりません。

両方あることを確認して両方を注文してください。羽は中国から送られてきますので、短くても2週間、1か月ぐらいは覚悟してください

刃渡りの長いはさみ

なんでこんなものがいるのかと疑問に思う方も多いかと思いますが、これはほぼ必須のアイテムと私は考えています。

最後に余った羽を一気に切るのが、普通のハサミではとても難しいのです。私も刃渡りの短い普通のハサミで何度か挑戦しましたが、段差ができて満足できませんでした。

専門的には羽切りハサミと言って和ばさみの刃渡りの長いのがあるのですが、とても高価で買う気になれません。

なんか代替物はないかなと探していたところ、書類をきれいに切るために刃渡りの長いはさみがありました。

私の買ったのは20㎝を超えるものでしたが、2千円以内の買い物だったと思います。

羽根を取り付けるときの治具

これも専門的にはアーチェリー用のフレッチャーというものを買えばいいのかもしれませんが、結構高価な割には評判が悪いので、結局考えて作ることとしました。

要は、羽をシャフトに120度の間隔で取り付けるための治具です。これを作る方法が一つ、面倒なら直接シャフトに120度毎に線を引いてつければいいのですが。意外と手間取るので若干の慣れが必要です。私は慣れてきてからはこの治具に頼ることは無くなりました。

治具の考え方は次の通りです。

厚さ6㎜程度のベニヤ板で、半径5㎝の円に接する六角形を作り、真ん中にシャフトが通るぐらいの直径8㎜程度の穴をあけておきます。

一つおきの辺の中心から六角形の中心に向かって幅6㎜プラスアルファ程度の切れ込みを入れます。

厚さ3㎜の板を2枚作って羽を挟んで、目玉クリップで止めて羽をまっすぐにします。その状態で真ん中の穴にセットしたシャフトに接着剤で押し付けるための切れ込みです。

この六角形の部品が二枚。切れ込みがついていない辺同士を合わせる板が3枚で作れます。

しかしこれらは、最後は分解できないと、羽がついた矢が取り出せませんので気を付けてください。私は、ガムテープ組み立てております。

じつは、たまたまYouTubeを見ていたら、日本の弓道ではないのですが、中国の弓を作る動画に同じようなことをして矢を作っておりました。

羽根を挟むための板

もう一つの難しい点は、羽はそのままでは真っすぐになっていないので、そのままでは真っすぐにつかないのです。

このため、羽の長さに合わせて、両側から板で挟み込んで、目玉クリップで留めて、真っすぐにした状態で接着することです。

私の作った治具を紹介します。左から矢取り付け用の治具羽を真っすぐにするために挟んだところこれを治具の上から差し込みます。

右側は羽切用ハサミ

矢の交換に必要な道具、左から取り付け治具、羽を挟んだところ、羽切用ハサミ

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弓道の矢羽の交換の手順は次の通りです

1.羽を止めてある糸を全部きれいに取ってしまいます。シャフトについた羽をカッターでシャフトから切り離します。

接着剤が残るので、カッターできれいにするか、サンドペーパーできれいにしておきます。

2.羽を全体に17㎝にカットします。さらに両端の軸を1㎝残して、羽の部分を切り取ります。両端に残した軸をカッターを使って慎重に薄く削っておきます。

これは、糸を巻いた時に表面に段差ができるのを少しでも減らすようにするためです。

羽を厚さ3㎜の板に2枚に挟みます。羽の軸のところだけを出して、クリップで両側から押さえて、まっすぐにします。

3.きれいになったシャフトを治具に取り付けます。

4.スーパーセメダインのような接着力の強い接着剤を軸のところに着けて、シャフトに接着します。

このとき取り付け角度を筈との関係で調整しておきます。

私の場合、乙矢の風切り羽は筈の溝と同じ角度になっていますが、甲矢の場合、筈の縦の線より、後ろから見て、半時計方向に20度ほどずらしてあります。

これは甲矢の回転方向が後ろから見て、時計方向になるため、弓摺羽が弓に当たって羽が傷むのを避けるためです。

5.接着剤が固まったら、取り付け治具を分解して、羽のついた矢を取り出します

6.次にお好みの色の糸で羽の前25㎜、羽の後ろ20㎜、筈の前5㎜を巻きます

糸については品質にこだわるなら絹糸にすべきですが、これだと細いので巻くのにそれなりに時間がかかります。私は面倒なので普通の糸で巻いています。

隙間を開けないように丁寧に巻いてください。両端は軽く結んでおきます。

7.巻いた糸に木工用ボンドを薄めたものか、クリアのアクリル塗料で塗装をします。

8.羽を切る作業です。これは息をつめてご紹介した長いはさみで一呼吸で切ることがコツになります。何度も切ると切り口が汚くなって、見栄えが悪くなります。

これで完成です。

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弓道の矢羽根の修理、交換の方法を紹介しますのまとめ

どうでしたでしょうか。このようにすれば、高級羽は無理としても、傷んだ練習用の羽は交換できることがわかりました。

実は、七面鳥のまだらの模様の羽は右翼と左翼は容易に手に入ります。最初はこれを使って古い竹矢の羽を交換しました。

しかし、単色の羽が片側しか見つからず、しばらく作業ができませんでした。

最近、両方が見つかるようになったので、しかも相当安いので、練習用のカーボン矢も交換しようと考えております。

確かに弓具店に頼めば竹矢は交換してくれるでしょうが、とても高くつきます。

ジュラ矢とかカーボン矢では、たぶん、修理代の方が高いから新しいものを買いなさいと言われるでしょう。

でも、せっかくの道具です。特にカーボン矢などは傷むわけでもありませんので、羽さえ交換すれば相当使うことができると思います。

こんなことから道具に愛着を持って、弓道の世界を楽しむのも大切かと思います。

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