弓道の矢羽根がボロボロになっても、シャフトに問題がなければ、羽根を自分で交換して練習用の矢として使い続けることは可能です。
弓具店に矢羽根の交換を頼むと羽根代と矧ぎ代がかかりますが、七面鳥の羽などを使えば、材料費をかなり抑えて自分で修理することもできます。
今回は、私が実際に試してきた方法をもとに、弓道の矢羽根交換の値段、自分で交換する方法、必要な道具、羽根の選び方、簡単な矢の作り方まで順を追ってご紹介します。
弓道の矢羽根交換の値段はどのくらい?自分で直すと安くできる
弓道の矢羽根交換は、弓具店に依頼すると羽根代と矧ぎ代が必要ですが、自分で交換すれば材料費を大きく抑えられます。
私がこの記事を書いた時点では、「弓道の矢羽根を交換する」と、店に頼めば矧ぎ代も含めて安いものでも3万円は下らないだろうと考えていました。
もちろん、修理料金は羽根の種類や矢の本数、依頼する弓具店によって異なります。現在の正確な値段については、修理を依頼する店に事前に見積もりを確認してください。
特に天然羽根には品質や種類によってかなりの価格差があります。
一方、自分で七面鳥の羽を使って直すのであれば、羽根そのものは非常に安価なものがあります。
私が利用したものでは、羽代だけを考えれば1枚100円程度の水準でした。
矢1本には3枚の羽根を使いますので、接着剤や糸などを別にすれば、一本当たり数百円程度で交換できる計算になります。
弓具店の仕事のような美しい仕上がりを最初から求めるのは難しいでしょう。
それでも、練習用として実用になる状態まで戻すことは十分可能です。
私自身、工作はそれほど丁寧な方ではありません。それでも何度か試すうちに、稽古で使える程度には仕上げられるようになりました。
自分の矢を自分で手入れする作業は、単なる節約以上に、矢の構造を知るよい機会にもなります。
弓道の矢羽根交換に必要なものと入手方法
弓道の矢羽根を自分で交換するには、羽根だけでなく、羽根を正しい角度で取り付けるための道具が必要です。
糸や接着剤など一般的な材料はここでは詳しく触れませんが、次のものは事前に用意しておくことをおすすめします。
特に重要なのが、3枚の羽根を120度ずつ配置するための治具です。
交換用の矢羽根と入手方法
羽を交換するのですから、まず羽が必要です。
インターネットには高価な天然羽根も出品されています。
ただし、鳥類の種類によってはワシントン条約をはじめ、輸出入や取引に関する規制の対象になる可能性があります。
由来や合法性を自分で確認できない羽根には、私は手を出さないようにしています。
そこで私は、基本的に七面鳥の羽で修理する方法を選んでいます。
ネットで探す場合には、私は「アーチェリー 羽」などの言葉で検索しました。
Amazonなどでも、アーチェリー用の七面鳥の羽を見つけることができます。
ただし、ここで一つ問題があります。
アーチェリー用として販売されている羽根の多くは、弓道の矢羽根として使うには長さが足りません。
丁寧に探していくと、20cmを超える長さの羽根が見つかることがあります。
私が見つけたものの一つが、茶色のまだら模様の七面鳥の羽です。
もう一つ、単色で長い羽根もありました。
単色タイプはさまざまな色が用意されています。
アーチェリー用ということもあり、鮮やかな色が多いのですが、弓道用として落ち着いた外観にしたいなら、黒や白などが使いやすいでしょう。
私が購入した当時、茶色のまだら模様の羽は30枚で2,000〜3,000円程度、単色の羽は50枚で2,000〜3,000円程度でした。
価格は販売時期や販売先によって変わりますので、現在購入するときは商品ページで確認してください。
弓道用の天然羽根の価格感覚から見ると、かなり安く感じると思います。
ただし、安いからといってすぐ注文してはいけません。
非常に大切なのが、右翼と左翼の違いです。
販売されている羽根は、それぞれ同じ向きのものだけが一袋に入っている場合があります。
私の使い方では、
- 右翼は甲矢に使用
- 左翼は乙矢に使用
としています。
どちらか一方だけを注文すると、すべて甲矢用、あるいは乙矢用になってしまいます。
甲矢と乙矢を組として作りたい場合には、必ず右翼と左翼の両方が販売されていることを確認してから注文してください。
私が購入したものは中国から発送され、到着まで短くても2週間ほど、場合によっては1か月近くかかりました。
海外発送の商品を使う場合は、必要になってから注文するより、早めに準備しておいた方が安心です。
刃渡りの長いはさみ
「なぜ矢羽根の交換に長いはさみが必要なのだろう」と思われるかもしれません。
しかし、これは私にとってほぼ必須の道具でした。
羽をシャフトに取り付けたあと、最後に形を整えて余分な部分を切ります。
このとき、短い普通のはさみで何度も切ると羽根の輪郭に段差ができやすいのです。
私も最初は普通のはさみで何度か挑戦しました。
ところが、一度切って、少し位置を変えてまた切っていると、羽根の上端が波打ったようになり、なかなかきれいに仕上がりませんでした。
専門的には羽切りばさみという、刃渡りの長い和ばさみがあります。
ただ、私にはかなり高価に感じられ、羽根修理のためだけに買う気にはなれませんでした。
そこで代用品を探しました。
見つけたのが、書類などを長い距離できれいに切るための刃渡りの長いはさみです。
私が購入したものは刃の長さが20cmを超えるもので、当時2,000円以内だったと思います。
一度で羽を切ることができれば、切り口がそろいやすくなります。
専用品をそろえなくても、用途を考えながら代用品を探すのも、自分で道具を手入れする面白さの一つです。
羽根を取り付けるときの治具
羽根の取り付けには、専門的にはアーチェリー用のフレッチャーという道具があります。
購入する方法もありますが、私は値段と使い勝手を考え、結局自分で治具を作りました。
治具の目的は単純です。
3枚の羽をシャフトの周囲に120度間隔で取り付けることです。
3枚羽根の場合、360度を3等分しますので、1枚ずつの間隔は120度になります。
治具を作らず、直接シャフトに120度ごとの線を引いて取り付けてもかまいません。
ただし、最初のうちは意外と位置合わせに時間がかかります。
私は慣れてからは治具を使わずに取り付けることも増えましたが、初めて矢羽根交換に挑戦する方には治具があった方が楽だと思います。
私が作った治具の考え方は次の通りです。
厚さ6mm程度のベニヤ板で、半径5cmほどの円に接する六角形を作ります。
その中心に、シャフトが通る程度の直径8mmほどの穴を開けます。
そして、一つおきの辺の中心から六角形の中心に向かって、幅6mmより少し広い程度の切れ込みを入れます。
この切れ込みに、羽を挟んだ板を差し込むわけです。
厚さ3mm程度の板を2枚一組にして羽を挟み、目玉クリップで固定します。
羽を真っすぐに保持した状態で、中央の穴に通したシャフトへ接着剤で押し付けられるようにします。
六角形の部品を2枚用意します。
さらに、切れ込みをつけていない辺同士をつなぐ板を3枚作れば、箱のような形に組むことができます。
ただし、ここで注意が必要です。
完成後に治具を分解できなければ、羽根を取り付けた矢を外せなくなります。
私はそのため、ガムテープで仮組みするようにしました。
見栄えは決して立派とはいえませんが、必要なときに分解できる点では都合がよかったのです。
たまたまYouTubeを見ていたところ、日本の弓道ではありませんでしたが、中国の弓や矢を作る映像で、よく似た方法で羽根を取り付けているのを見たことがあります。
道具や文化が違っても、「3枚を等間隔に正確に取り付ける」という課題は同じなのだと感じました。
羽根を挟むための板
もう一つ難しい点があります。
羽根は自然の素材ですから、そのまま置けば完全に真っすぐではありません。
曲がったまま接着すれば、当然、完成した羽根も曲がった状態になります。
そこで私は、羽の長さに合わせた2枚の板で両側から挟み、目玉クリップで留め、真っすぐにした状態で接着しています。
私の作った治具では、羽根を板で挟んだ状態のまま上から差し込み、シャフトに押し当てます。
左側に矢取り付け用の治具、中央に羽を真っすぐにするための板、右側に羽切り用の長いはさみを置いています。
この写真を見ていただくと、専用機械を使わなくても、比較的簡単な材料で作業環境を整えられることがお分かりいただけると思います。
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弓道の矢羽根がボロボロになったら交換すべき?修理できる範囲を確認
羽根の一部が擦れたり裂けたりしていても、シャフトや筈に問題がなければ、羽根だけを交換して使える場合があります。
弓道を続けていると、矢羽根は少しずつ傷んできます。
特に弓摺羽は弓や手に近い位置を通りますので、使い方や矢の状態によっては擦れや傷みが目立ってきます。
矢羽根が多少乱れている程度なら、すぐ交換しなければならないとは限りません。
しかし、
- 羽根が大きく裂けている
- 軸から羽根が浮いている
- 羽根の一部が欠けて形が大きく崩れている
- 3枚の羽根の大きさや形に明らかな差がある
といった状態なら、修理や交換を検討してよいでしょう。
特に練習用のジュラルミン矢やカーボン矢では、シャフトがまだ十分使えるのに羽根だけが先に傷むことがあります。
そのような場合に羽根だけ交換できれば、矢全体を買い替えずに済みます。
ただし、シャフトそのものに曲がり、ひび、割れ、深い傷などがある場合は、羽根交換だけで済ませるべきではありません。
射に使う道具ですから、安全に関わる部分は慎重に確認する必要があります。
自分で判断できないときは、弓具店や経験のある指導者に見てもらうことをおすすめします。
私が自分で修理するのも、基本的には羽根が傷んだ練習用の矢です。
高価な竹矢や大切な矢を初めての作業で修理するより、まずは失敗しても困らない練習用の矢から始める方が安心です。
弓道の矢羽根を自分で交換する手順
弓道の矢羽根交換は、古い羽根を外し、シャフトを整え、新しい羽根を120度間隔で接着し、糸を巻いて羽根の形を切りそろえる、という流れで行います。
私が行っている方法を、順番に説明します。
1.古い羽根と糸を取り除く
まず、羽を止めてある糸をすべてきれいに取り除きます。
その後、シャフトについている羽根をカッターで慎重に切り離します。
ここで焦ってはいけません。
シャフトを傷つけないよう、刃を深く立てすぎず、少しずつ古い羽根の軸を外していきます。
接着剤が残りますので、カッターやサンドペーパーを使って表面をきれいにしておきます。
新しい羽根を貼る面が凸凹していると、羽根が傾いたり接着が弱くなったりします。
したがって、古い羽根を外す作業は地味ですが重要です。
2.新しい羽根を17cmに整える
次に、新しい羽根を全体で17cm程度にカットします。
さらに両端の軸を1cmほど残し、両端部分の羽毛を切り取ります。
残した軸はカッターを使って慎重に薄く削ります。
これは、あとで糸を巻いたときに段差ができるのを少しでも少なくするためです。
軸が厚いままだと、その上から糸を巻いた部分だけ大きく盛り上がります。
羽を整えたら、厚さ3mmほどの板2枚で挟みます。
羽軸だけを少し外に出し、目玉クリップで両側から押さえて真っすぐにします。
この一手間によって、羽根をシャフトへ直線的に接着しやすくなります。
3.シャフトを治具に取り付ける
古い接着剤を落としてきれいになったシャフトを、先ほど作った治具の中央に通します。
3枚の羽根を貼る位置が120度間隔になるように調整します。
治具を使わない場合は、シャフトにあらかじめ位置を記しておくとよいでしょう。
ここで位置がずれると、完成後に見た目が不ぞろいになります。
作業全体の中でも、急がず確認したいところです。
4.接着剤で羽根を取り付ける
スーパーセメダインのような接着力の強い接着剤を羽軸につけ、シャフトへ接着します。
接着剤は多ければよいわけではありません。
多すぎるとはみ出し、見栄えが悪くなりますので、必要な量を均一につける方がきれいに仕上がります。
このとき、筈と羽根の角度の関係も調整しておきます。
私の場合、乙矢の風切り羽は筈の溝と同じ角度になるようにしています。
一方、甲矢では筈の縦の線より、矢を後ろから見た場合に反時計方向へ20度ほどずらしています。
これは、甲矢が後ろから見て時計方向へ回転することを考え、弓摺羽が弓に当たって傷むことを少しでも避けるために行っているものです。
ここは私自身の調整方法ですので、唯一の決まりとして考えるのではなく、現在使っている矢や師範・指導者の考え方も確認してください。
5.接着剤が固まってから治具を外す
接着剤が十分に固まったら、取り付け治具を分解し、羽根のついた矢を取り出します。
固まる前に動かすと、せっかく合わせた羽根の角度がずれてしまいます。
接着剤ごとに硬化時間が違いますので、使用している製品の表示に従ってください。
急がないことが、結局いちばん早くきれいに仕上げる方法だと思います。
6.羽根の前後と筈の前に糸を巻く
次に、お好みの色の糸で巻きます。
私の場合は、
- 羽の前を約25mm
- 羽の後ろを約20mm
- 筈の前を約5mm
巻いています。
品質を重視するのであれば絹糸を使う方法があります。
ただし、絹糸は細いため、きれいに巻こうとすると時間がかかります。
私は練習用の矢では作業を簡単にするため、普通の糸を使うこともあります。
隙間が開かないよう、ゆっくり丁寧に巻いていきます。
両端は軽く結んで固定します。
この糸巻きがそろっていると、手作りでもかなり整った印象になります。
7.巻いた糸を固定する
巻いた糸には、木工用ボンドを薄めたもの、またはクリアのアクリル塗料を塗ります。
糸がほどけにくくなるように、薄く均一に塗るのがポイントです。
厚く盛る必要はありません。
乾燥させてから次の作業へ進みます。
8.長いはさみで羽根を一度に切る
最後が羽切りです。
私はここが最も緊張する作業だと思っています。
長いはさみを使い、できるだけ一呼吸で一度に切ることがコツです。
何度にも分けて切ると、切り口に小さな段差ができます。
羽の輪郭をあらかじめイメージして位置を合わせ、迷わず切ります。
これで完成です。
初めの一本から専門店のような仕上がりにはならないでしょう。
しかし、2本、3本と作るうちに、接着位置や糸の巻き方、羽根の切り方が少しずつそろってきます。
私もまさにそのようにして慣れていきました。
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「矢の作り方」と矢羽根交換はどう違う?
矢羽根交換は「矢を一から作る作業」の一部分であり、既存のシャフト・筈を利用して羽根だけを作り直す方法です。
「矢 作り方」と検索してこの記事にたどり着いた方もいると思います。
矢は大まかに見れば、
- シャフト
- 筈
- 矢尻
- 3枚の羽根
- 羽根を固定する糸
などから構成されています。
一から矢を作る場合には、シャフトの長さや重さ、筈の取り付け、矢尻、羽根の位置などまで考えなければなりません。
一方、今回ご紹介している方法では、すでに使用してきた矢のシャフトと筈をそのまま利用します。
つまり、矢全体を新しく作るのではなく、傷んだ羽根の部分だけを再製作する方法です。
この違いを理解しておくと、自分でできる範囲を判断しやすくなります。
私は、矢羽根交換は「矢作りの入り口」としても面白い作業だと感じています。
実際に羽根を外すと、普段は何気なく見ている羽軸の薄さや、糸の巻き方、筈と羽根の角度までよく見えるようになります。
弓道では完成した道具を使うだけでも十分に楽しめます。
しかし、一度分解して構造を知ると、矢師がどれだけ細かな仕事をしているのかが実感できます。
これは、自分で修理をして初めて気づいたことでした。
弓道の矢羽根を自分で交換するときの注意点
自分で矢羽根を交換するなら、「練習用の矢から始める」「シャフトを傷つけない」「左右の羽根を間違えない」の3点を特に意識してください。
価格が安く済むことだけを考えて始めると、思わぬ失敗をすることがあります。
私が実際に作業して感じた注意点を整理しておきます。
最初から高価な矢で試さない
初めてなら、傷んだ練習用のジュラルミン矢やカーボン矢などから試す方が安心です。
竹矢や思い入れのある矢は、失敗したときの心理的な負担も大きくなります。
まずは「少し不格好でも稽古で使えればよい」という矢で経験を積むのがよいでしょう。
古い羽根を外すときにシャフトを傷つけない
カッターを使う作業では、羽根よりもシャフトを傷つけないことを優先します。
特にカーボンシャフトは、表面に深い傷をつけるような扱いは避けるべきです。
羽根をきれいに外すことに夢中になり、力任せに刃を当てるのはおすすめできません。
右翼・左翼を確認する
羽根を購入するときは、右翼・左翼を確認します。
見た目が似ていても、羽根の曲がり方には方向があります。
甲矢と乙矢を組にして使うなら、必要な向きの羽根を準備してから作業を始める方が安心です。
羽根3枚の位置をそろえる
矢羽根交換では、3枚を単に貼ればよいわけではありません。
シャフトの周囲に均等な120度間隔で配置し、前後の位置もそろえることが重要です。
一本だけなら多少のずれに気づかないこともあります。
しかし、数本並べると差がよく見えます。
定規や治具で基準を決め、毎回同じ位置に取り付けることが、仕上がりを安定させる近道です。
安全に不安がある矢は使用しない
羽根がきれいになったからといって、矢全体が安全になったとは限りません。
シャフトに異常がある場合や、筈に破損・緩みがある場合は、そのまま使用しない方がよいでしょう。
弓道具の自作や修理では、「作れるか」だけでなく「安全に使えるか」を最後に確認することが大切です。
これはDIY一般との大きな違いだと私は考えています。
弓道の矢羽根修理を自分でする価値をどう考えるか
ここからは私見です。
私は、矢羽根交換を「修理代を安くする方法」だけで終わらせるのは、少しもったいないと思っています。
もちろん、費用を抑えられることは大きな利点です。
練習用の矢なら、羽根がボロボロになっただけで新品一式へ買い替える必要がなくなる可能性があります。
しかし、それ以上に大きいのが、自分の使っている矢の構造を理解できることです。
弓道では射法八節や体配に目が向きやすいものですが、弓具もまた射を支える大切な要素です。
普段は完成品として見ている矢も、自分で羽根を外し、軸を磨き、羽根を貼り、糸を巻いてみると、まったく違って見えてきます。
なぜ羽根が3枚なのか。
なぜ等間隔なのか。
なぜ甲矢と乙矢で羽根の向きが違うのか。
なぜ弓摺羽が傷みやすいのか。
修理の途中で、こうした疑問が自然に出てきます。
私は、こういう「道具を通して弓道を学ぶ時間」も、稽古の一部だと思っています。
年齢を重ねると、新しい技術を覚えるのは若い頃より時間がかかることがあります。
けれども、急いで完成させる必要はありません。
一本の羽根を真っすぐにつけられただけでも十分です。
次の一本では糸を少しきれいに巻ける。
その次には羽根の切り方がそろう。
そういう小さな進歩を楽しめばよいのです。
一方で、すべて自分で直すことが正しいとも思いません。
高価な竹矢、希少な羽根を使った矢、大切な記念の矢などは、経験のある弓具店や専門家へ相談した方がよい場合があります。
自分で修理する矢と、専門家へ任せる矢を分けることも、道具を大切にする判断の一つです。
この区別ができれば、DIYと専門技術は対立しません。
むしろ、自分で簡単な修理を経験したからこそ、専門家の技術の価値も分かるようになります。
私はそこに、道具を長く使う楽しさがあると感じています。
弓道の矢羽根の修理・交換方法のまとめ
弓道の矢羽根がボロボロになっても、シャフトや筈に問題がなければ、傷んだ練習用の羽根は自分で交換できます。
高級羽を同じように再現するのは難しくても、七面鳥の羽を使えば、比較的安い費用で実用になる矢へ戻すことができます。
私は最初、七面鳥の茶色いまだら模様の羽を使って古い竹矢の羽を交換しました。
このまだら模様の羽は右翼と左翼の両方を比較的容易に見つけることができました。
一方、単色の羽は片側しか見つからない時期があり、しばらく作業できませんでした。
その後、両方の向きが見つかるようになり、しかも価格がかなり安かったため、練習用のカーボン矢にも使ってみようと考えるようになりました。
確かに弓具店へ頼めば、竹矢などは羽根交換をしてもらえるでしょう。
ただし、ジュラルミン矢やカーボン矢では、場合によっては修理費との比較から新品購入を勧められることもあるでしょう。
しかし、シャフト自体がまだ健全なら、羽根だけ交換して使い続けられる可能性があります。
せっかく手元に来た道具です。
直せる部分を自分で手入れし、長く使うことによって、道具への愛着も深まります。
弓道は的中だけを追いかけるものではありません。
弓や矢を整え、手に取り、その構造を知る時間まで含めて楽しめるようになると、稽古の世界がもう一段広がるように私は感じています。
よくある質問
弓道の矢羽根交換の値段はいくらくらいですか?
弓具店へ依頼する場合は、羽根の種類、本数、矧ぎ代などによって価格が変わります。
私がこの記事を書いた当時は、羽根代を含めると安いものでも3万円程度はかかるだろうと考えていました。
現在の料金は店や羽根によって異なりますので、依頼前に必ず見積もりを確認してください。
自分で七面鳥の羽を使う場合、私が購入した当時は30枚または50枚で2,000〜3,000円程度の商品があり、矢1本あたりの羽根代は数百円程度に抑えられました。
弓道の矢羽根交換は自分でできますか?
はい。練習用の矢であれば、道具をそろえ、手順を守れば自分で交換することは可能です。
基本的な流れは、古い羽根を外す、シャフトを整える、新しい羽根3枚を120度間隔で接着する、糸を巻く、羽根を切りそろえる、というものです。
初めての場合は、大切な竹矢ではなく、傷んだ練習用の矢から始めることをおすすめします。
弓道の矢羽根がボロボロでもそのまま使えますか?
軽い擦れや乱れだけなら、すぐ交換が必要とは限りません。
ただし、大きく裂けている、羽根が浮いている、形が大きく崩れている場合は交換を検討した方がよいでしょう。
また、羽根だけでなくシャフトや筈にも異常がないか確認してください。
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