完全ガイド:弓道の矢選び – 素材・重さ・長さで最適な一本を見つける

弓道の道具、衣装

弓道の矢はどのように選んでいるでしょうか。昔はジュラ矢と竹矢しかありませんでしたが、近年はカーボン矢も数多く市場に出回るようになりました。その中で、種類、重さの選び方を解説します。

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弓道の矢の素材:ジュラルミン、カーボン、竹の特徴と選び方

弓道の矢の素材としては、ジュラルミン、カーボン、竹の主に3種類となります。アルミカーボンといった複合材料も遠的矢にはありましたがほとんど見かけなくなりました。

ジュラルミン矢、1913、2014、2015の違いは

ほとんどの初心者が最初に購入する製品です。シャフトそのものは1本2千円ぐらいで、七面鳥の羽をつけて6本組1万5千円ぐらいが普通です。

値段は安く耐久性もあり、品質も安定しているので高校生、大学生はほとんどがジュラルミンで使用しています。

ジュラルミンも昔は男性2015、女性1913と選択の余地がありませんでした。今では重たいほうでは2117、軽いほうでは1813、中間領域で2114、2014などが出てきて選択の幅が広がりました。

ちなみに4桁の20とか19とかはシャフトの直径、15とか13は肉厚を示しています。

直径が大きいほど、肉厚が厚いほど箆張り強くなりますが、重さも重くなります。箆張りはシャフトの曲がりにくさで、弓力が強くなってくると箆張りが強い矢でないと飛びが安定しません。

また、色の種類もメインの黒、シルバーに加えて茶色、バンブーなかには赤まであって自由に選べます。

欠点は初心者が使うにはやや重たいこと。振動の減衰が少ないので、矢飛びがやや不安定だと言われていますが、これを実感として感じられる人は少ないでしょう。

カーボン矢

私が始めたころはカーボン矢もKCカーボン1種類でとても高価な感じがしました。

その後イーストンの竹柄のカーボンが導入され、最近は更に安いカーボン矢が参入してきたためとても買いやすくなりました。それでもジュラルミンに比べればシャフトの値段で倍近くします。

ジュラルミンよりも軽くしかも箆張りも強くできるので、あらゆる弓力に対応するシャフトを作ることができます。しかも振動の減衰が早いので矢飛びも安定しています。

弓道の矢としては理想的な材料でしょう。

欠点としては、軽すぎるため強い弓にはウエイトを入れる必要があることと値段が若干高めということでしょう。

それでも竹に比べれば値段は半分以下ですし、破損の心配もほとんどないので私はこれを標準と考えています。値段としては耐久性のある黒鷲の羽がついて3万円+ぐらいです。

竹矢

竹は自然素材ですが、特性としてはカーボン矢とほぼ同じと考えられます。軽さもそこそこで、太さ、肉厚などで重量も選ぶことができます。振動の減衰も大きいので、飛びも安定します。

しかし、どうしても一本一本重さもバランスも異なりますので、その特性を知っておく必要があります。

中級者で射礼を行うようになると節のないカーボン矢では何かと不便なので、竹矢を揃えることになります。カーボン矢に節を描く方法もありますが。

そうはいっても破損しやすいこともあるので、練習の時はカーボン矢主体、審査とか射礼の機会があると竹矢を取り出して練習というパターンになります。

最低限でそろえても一本1万円を下るのは難しいので、今では四矢で6万円は覚悟しなければならないと考えます。これでも安いほうか。

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弓道矢の重さの選び方:弓力との調整、初心者から中級者へのアドバイス

通常、弓力+11g~12gが適正な重さと言われています。しかしこの数字もあくまでも目安です。昔の書き物ではもう少し軽い矢を使っていたようです。

初心者の平均的な弓力としては男性で14㎏、女性で10㎏かなと想定しています。そうすると男性で25g~26g程度、女性で21g~22gというのが推奨重量となります。

そうなるとジュラルミン矢の女性用と言われる1913も男性用と言われるジュラルミンの2015も重すぎてしまいます。

男性の矢尺(矢の長さのことです。)を1mとすると、ジュラルミンの矢では男性用の2015を使うと軽く30gを超えてしまいます。そういうことから言えば、2014の使い道が出てきたと思います。これだと何とか28gぐらいにはなるでしょう。

女性の矢尺を90㎝とすると1913でぎりぎり23g程度にはなるのかなと思われます。むしろ、1813ぐらいの方が適切かもしれません。

カーボン矢の場合はこの重さになるようにインサートを入れます。また、竹矢についても重りを入れてもらいます。

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初心者が選ぶときに押さえるポイント

初心者が矢を選ぶときにはとりあえず使っている弓の弓力が弱すぎるので、ジュラルミンの矢で合わせようとするとどうしても重くなりすぎることになります。

先にご紹介したように14㎏の弓にジュラルミンの2015の矢で30gはやはり重すぎるのです。本来は1913の26gぐらいがその時点の適正な矢と考えられるのです。

ここで考え方を決める必要があるのです。

この初心者用の14㎏の弓をいつまで使うかです。男性の場合14㎏の弓を使い始めても、2年もすれば16㎏ぐらいまで人によっては18㎏まで弓力を上げてくる人もいます。

そうなるとジュラルミンの1913では箆張りが弱くて飛びが不安定になります。気にしない方もいますが。そういう方は2015の矢を最初から買っておく意味があるのです。

でも最近少し傾向が変わってきたのを感じております。男性でも決して弓力を上げない人が多く出てきました。

最初は高齢化が影響して加齢により弓力が上がらないのだろうと考えたのですが、どうも最近の比較的若い方も弓力を上げていないようで15㎏ぐらいで満足して使い続けている方が結構いるようです。

全体の風潮も「そんなに弓力を上げたって仕方がない。」という感じになってきているようです。

こちらのほうに賛同されるなら、ジュラルミンの1913がほぼ弓力にあっているので、これを使い続けるのも一つの考え方になります。

いずれにしても、ジュラルミンの矢で羽も七面鳥を使って、ボロボロになるまで使ってしまうほうが良いと考えます。

初心者のころは特に頬擦り羽(弓に擦る方の羽です。)を傷めるような引き方になりますし、あちこちにぶつけたりしますので、消耗品と考えて練習に使ったほうが良いかと思います。

次の段階に行くにはそのぐらい練習してからということです。

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中級者が弓道の矢を選ぶときに押さえるポイント

中級者については、ほぼ弓力が決まりかけてきているので、自分の弓に合った重さの矢を選べばよいということになります。ジュラルミンの矢でもカーボン矢でも好きなものを選べばよろしいかと思います。

ジュラルミンの矢ではほぼいじるところが少ないのすが、カーボン矢については、弓力が18㎏ぐらいになると少し軽すぎる感じになってきますので、インサートの重りを入れるのも一つの方法です。

インサートは重さを調整するのと、矢じり側に着けて重心を前にもっていくと、着点が集まる効果があり、通常の重心位置は矢の中央から2、3㎝ですが、もっと前側にもっていきます。

このほうが矢がまとまりやすいと言われており、アーチェリーの世界では中央より相当前にもっていくそうです。

自分でも相当前に重心を移動させたことがありました。ただ、弓道の場合は体のぶれが大きいようであまり効果を感じないでしょう。

重くしすぎるとむしろ的手前で落ちるように感じてしまい、あまり効果が感じられません。

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竹矢の魅力と注意点:カーボンとの違い、射礼のための選択肢

中級者となってくると射礼の練習なども相当比重を占めてくるようになるので、一手ぐらいは竹矢を揃えることになります。

これは、単なる私の思い込みかもしれませんが、やはり竹矢を持つのとカーボン矢を持つのではかなり雰囲気が変わってきます。五段を受けるあたりからはその雰囲気が大切だと思っていますので、その段階になれば揃えていただいたほうが良いと思います。

値段はそれなりに張りますので、四矢で5万円では買えないかもしれません。カーボン矢の時はあまり心配する必要がなかったのですが、竹矢の場合は、箆張りについても必ず確認して購入してください。

特に強い弓を引かれる方は気を付けないと矢飛びが不安定で苦労することになります。

重さについては弓具店で調整してくれるはずですので心配ないと思います。むしろ自分で触るのは相当慣れてからになるはずです。

羽については特に関心がないし、選べばどんどん値段が上がってしまうので、実用性だけを考えて黒鷲でも構わないと思っています。

真っ黒なのが嫌だという方は、白鳥がありましたがこれも値段が上がってしまいました。値段で考えれば花白鳥ぐらいになるのかもしれません。これは白鳥と言っても雁の種類の水鳥ですから、真っ白ではありませんが、それなりに実用的だと思っています。

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弓道矢の選び方のポイントまとめ:素材、重さ、羽の選択を考える

弓道の矢を購入するときの必要な知識、考え方についてまとめてみました。何事も経験ですが、ある程度の知識があったほうが良いと思いますので、参考になれば幸いです。

買った矢については、大事に使ってください。参考のため、矢のメンテナンスについての記事のリンクを入れておきます。

さらに、腕が上がった時には、羽を替えることも可能です。その時の参考にご一読いただければ幸いです。

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